12月26日(木曜日)
朝起きて外を見ると、快晴。天気予報では曇り時々晴れなので、よいほうに変化してくれたのはありがたい。パルメラとセトゥバルに行く予定で、パルメラ行きのバスは平日なら毎時0分発。休日なら8時、10時… の2時間に1本の0分発。土曜時刻なら9時30分というように、今日26日が平日なのか休日なのかによって時間が異なるのはとても困る。
ちなみに、リスボン市街地のバスや地下鉄は祝日ダイヤだとホームページに告知されている。
とりあえず、9時のバスをめざしてホテルを出発する。8時40分にサルダーニャ駅から地下鉄に乗り、オリエンテ駅へ。
■ サルダーニャ 8:40 → オリエンテ 8:51 (地下鉄 Vermelha線 1日乗車券 6ユーロ)
地下鉄駅のすぐ横にあるバスターミナルへ。以前、ここからスペイン行きの夜行バスに乗ったことがあるが、今回の長距離バスもここから出発するようだ。TST社のマークのバスはすぐ見つかり、車外で雑談している運転手に聞いてパルメラ行バスの列に並ぶ。
■ リスボン オリエンテ 9:00 → パルメラ 9:35 (TSTバス 高速 565系統 3.95ユーロ)
バスは、ものすごく幅の広いテージョ川河口に架かるバスコ・ダ・ガマ大橋を渡り、高速道路でピーニャ・ノヴォの町へ。そこから小さいバス停に停まりながら終点のパルメラに30分ほどで到着。
パルメラは丘の上にある町なので、はるか遠くまで見渡すことができる。今この町の上は晴れているが、はるか南の方にはのっぺりした雲が、西の方にはもくもくと沸き立った雲が広がっている。晴れているうちに写真撮影。
バス停のあるところから、急な上り坂の路地を登ってゆく。普通の住宅が延々と続いていて、特に観光地というわけではなさそうだ。のんびり歩いても15分ほどで町の一番高いところにあるサン・ペドロ教会の前に到着。ここも別に観光地というわけでもなさそうで、入り口は閉められている。
見どころは、町のある丘のひときわ高い岩山の頂上にある城なのだろう。誰も観光客を見かけないので、果たして開いているのか。心配だが、とりあえず行ってみることにする。昨日までの雨で、じっとりと湿った石田だ身の坂道を皿に登っていくと、城塞の門があった。城の歴史を簡単に記した看板があるが、入場時間や料金など書かれていない。門をくぐると、さらに坂道が続き、奥にホテルがある。反対側に折り返した坂道の頂上には城の塔がある。城の塔のほうに行ってみると、展示室などがあり、ローマ時代や中世の遺跡発掘を説明したものが見られる。おや、入場料をぜんぜん払っていないし、そもそもちゃんとした展示物をただで見れるのは不思議だ。
城の職員(?)らしきおっちゃんや、掃除をしているおばちゃんがいるが、特に入場券を求められることもなかったので、多分無料公開なのだろう…。
城の塔の中はがらんどうで、屋上からの見晴しは格別だ。もう一つある小さな塔の中は、通信技術の博物館になっている。昔は、この城を通信塔として使っていたのだろうか。
いつの間にか雲が広がってきて、先ほどまでの青空はどこかに行ってしまっている。塔とホテルの間には、サンチャゴ教会という教会の建物がある。中に入ることができるが、いまは教会としての機能は失っているようだ。内陣の祭壇があるはずのところはがらんどうで、建築資材が無造作に置かれている。
城を出て再び町を通り抜け、バス停へ戻る。バス停の横の事務所らしき建物の窓に時刻表が掲示されているが、始発駅の時刻が表示されているだけで、このバス停の出発時刻がよくわからない。しばらく待っていると、11時25分にセトゥバル行きのバスが、パルメラ始発で出発するようだ。
■ パルメラ 11:26 → セトゥバル 11:43 (TSTバス 565系統 1.95ユーロ)
バスはパルメラの丘を下って、数分北に向かうとセトゥバルの街に入る。しばらくの間郊外住宅のようなアパートの立ち並ぶ横を走り、国鉄駅を通り過ぎると市街地に入る。駅が市街地のはずれ… よほど鉄道が嫌われている時代に造られたんだろうか。
バスは街の中心にある小さなバスターミナルに到着。出発案内表示を見ると、毎時45分にリスボンのオリエンテ行き高速バスが出ているようだ。街から遠い鉄道駅まで歩いていくより、帰りもバスにしよう。
スマートフォンに格納しておいた地球の歩き方を見てみると、この街の見どころは15世紀に建てられたイエスの教会とちいさな旧市街、郊外の城塞だそうだ。城塞はホテルに改装されているらしく、さきほどパルメラ城を見てきたので、今日はパスで。まず、イエスの教会に向かう。バスターミナルの前の道を、しばらく西へ歩くと突き当りに地味な教会がある。側廊に入り口があり、開いていたので中に入ってみる。屋根を支える主柱が、三つ編みのようにねじれたデザインの柱だ。もっと細かいねじれのものは、どこかの教会で見たことがあるが、3本のひもがねじれたような柱は初めて見た。屋根の力を受けているまっすぐな部分があるのだろうが、力学的に不安定そうに見せているのもデザイン性の一つなのだろうか。壁にはアズレージョ(彩色タイル)で描かれた聖書の世界があり、側廊の突き当りの聖母像のよこには、丁寧にも聖母を描いたアズレージョ。
イエスの教会の内部の地味さは、教会の横のスケートボード場の壁の落書きの派手さで、中和されている。再びバスターミナルの方へ戻り、バスターミナルと海の間の小さな旧市街へ。かつての街の中心と思われるボガージェ広場には、こちらも地味なデザインだが、時計塔が付け加わっているサン・ジュリアン教会と、広場の中心には18世紀の詩人バルボサ・ボガージェ像の立つ円柱がある。
ふと、広場の横のピザ・ハットをみると「ビュッフェ 6.45ユーロ」との看板が出ている。ピザの食べ放題… 一度挑戦してみることにする。店に入ると、ビュッフェの時間は12時30分かららしく、15分ほど店内で座って待つ。出てきたメニューは、ピザが5種類くらい、パスタ、レタスのサラダだ。イタリアでピザ1枚が3~5ユーロだったのを思い出せば、まあ数枚食べれば元は取れるのだろう。
食後、旧市街の中を歩く。ピザ・ハットのある広場より、かなり小さめなミゼリコルディア広場には、赤十字の建物の前に巨大なプレセピオが展示されている。赤「十字」だから、キリスト教の出し物をしているのは、まあ、ごく自然な雰囲気だ。
海の方を見に行ってみる。砂浜ではなくて、遊歩道になっているコンクリート岩壁だ。東の方には巨大な貨物船が停泊している。特に観光的に見るべきものはなさそうだ。そろそろリスボン行きのバスが出る時刻なので、旧市街を再びよこびってバスターミナルへ。13時45分発のリスボン オリエンテ駅行きの高速バスに乗る。
■ セトゥバル 13:45 → リスボン オリエンテ 14:26 (TSTバス 562系統 3.95ユーロ)
バスは、途中、セトゥバルの鉄道駅前に停車しただけで、ずっと高速道路を走った。オリエンテ駅前には40分ほどで到着。列車より、おそらく短時間だ。
今日の昼頃から左目の調子がおかしく、目ヤニが大量に出て、目が少しかすんでいるようだ。ホテルに戻り、ホテル前の中華料理屋で鶏肉の炒め物と焼き飯を食べ(6ユーロ)、部屋に帰って休む。
オリエンテ駅から戻ってきた時に入ったホテルの1階にあるカフェで食べたおやつの写真。
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■ レジデンシャル ヨハネス21世 207号室 23ユーロ/1泊