2016/07/01

7月1日 台北、九份

2016年7月1日(金曜日)

今日は日本に帰国する飛行機に乗る日。今日か明日のうちで、安かったのが今日の夕方の便。空港には16時頃着けば良いので、それまでの計画は、「行天宮→桃園神社」というものと「基隆→行天宮」というものだ。8時過ぎにホテルをチェックアウトして台北駅に向かい、コインロッカーに小型のリュック1個を預けた後に地下通路でインターネット検索して考えた。

台湾旅行で人気訪問地のうちで、九份が取り上げられているサイトが多いが、山間部に食べ物や土産物屋が集まった場所があるという認識だったため、過去にもここには訪れたことがなかった。バス乗継検索アプリによれば、九份へは台北からの直通バスに乗るか、あるいは瑞芳まで鉄道で行きそこで前出の直通バスに乗り継ぐかのようだ。 今日は時間もあまりないので、鉄道でスピードアップすることに。台鐵の售票處で、9時発の自強號の切符を買う。

プラットホームに降りると、8時55分発の区間車が停車している。通勤時間帯なので満員。たぶん、途中駅でほとんどの人は降りてしまうので座れるとは思うが…。 自強號が発車するプラットホームには、何やら最新のかっこいい電車が停車している。行き先表示には基隆行き普悠瑪號とある。その列車が出発したあと、私が乗る高雄左営行きの自強號がやってきたが、以前から走っている古いタイプの気動車。同じ運賃なのに、当たり外れが激しいな…。

■ 台鐵 台北站 9:00 →  瑞芳站 9:35 (76台湾元)

列車は夏休みで行楽に行く家族連れや若者で満員。無座の切符は、本当に無座だった。台北市街地のトンネル路線を抜けると、すぐに山岳地の川沿いを走り、30分で瑞芳站に到着。
瑞芳站に到着した自強號416列車

この駅でかなりたくさんの乗客が降りたが、やはり九份に行くのだろうか…。 バス乗継検索アプリでは、『駅前のバス停に4分後に出るバスに乗り継』ぐと出ている。そのバス停が無い…。駅前の交差点の角に居た人に聞いてみると、バス停は少し離れた警察署の前に移動したとのことだ。

乗継アプリが「バスが接近している」という警告音を出している。 台北方向を見ると、確かに1062系統が近づいてきている。追い越されないように、警察署前まで走る。
瑞芳站前、右側のバス停は台北方面行き
■ 公車1062系統  瑞芳車站区民広場 9:46 → 九份老街 9:56 (15台湾元)

大量の学生客を載せて満員のバスは山岳地の曲がりくねった道を登っていく。 時折、太平洋に面した入江が眼下に見える絶景の道路だ。10分ほどで九份に到着。バスは九份老街の崖下にまず停車し、その後に街の中腹辺りに停車。 もちろん、階段を登るのは嫌なので中腹のバス停で降りる。 バス停の前は既に展望台で、すぐ脇のお寺(霞海城隍廟)の赤や黄色のハデな建物と、緑の山稜、青い太平洋の組み合わせの絶景だ。この景色を見るだけで、台北から1時間かけて来た甲斐があったというものだ。
九份老街バス停付近から見た景色
九份老街 (25年前の映画 非情城市のロケ地としても有名)
九份老街 基山街

バスを降りた大量の学生は、観光のメインストリートになっている基山街の入り口にあるセブンイレブン前にたむろしている。セブンイレブンなら、台北市内にもあるだろ…。 と思うのだが、学生は買い食いできればどこでもいいようだ。

 食べ物屋や土産物屋が軒を連ねる路地、基山街を歩いてみる。観光客は、主にこの道を歩いているようなので、この先に何があるのかどんどん道を進んでゆく。5分ほどでアーケードの掛かった路地の出口になり、金山岩と扁額に書かれた祠がある。結局、この路地の見どころは何だったのだろうか…

バス停に戻ると、ちょうど台北行のバスがやってきた。途中で台鐵の電車に乗り換えたほうが運賃が安いのかもしれないが、めんどくさいのでバスで台北まで戻ることにする。

■ 公車1062系統 九份老街 10:35 → 台北松山車站 11:34 (100台湾元)

運賃は「台北」とだけ言ったため100元だったが、ホームページに拠れば松山站までなら本来は80元らしい。割引も効くし、ICカードを使えということなのだろう。

バスは瑞芳站から暖暖站の間の山間部のバス停にポツポツ停まりながら乗客を乗せて行き、そこから一気に台北の松山車站まで高速道路を走る。地元の人にとって見れば、電車に乗り換えるよりバスで台北まで一気に行ったほうが「10元程度」値段が高くても便利なのだろう。

松山車站で下車し、地下鉄に乗り換える。

■ 捷運 松山站 11:43 → 松江南京站 → 行天宮站 12:00 (25台湾元)

地下鉄駅を出て、大通りを数分北へ歩いた交差点の所にあるのが行天宮。関羽を祀った関帝廟だ。数日前に台南でお参りした祀典武廟も関帝廟だが、規模はこちらのほうがずっと大きい。第二次大戦後に建てられたお寺だが、関羽を信仰する人が多いのか、参拝客でかなり混雑している。

行天宮


行天宮の本尊 関羽

拝殿の前に、日除けのテントで特設の収驚(お祓いをしてもらう)会場が作られている。その後ろには、一心に読経をする人が着座しているコーナーもあり、この数日間に台湾で見てきたどのお寺よりも大規模だと感じた。

行天宮を出て、地下鉄駅に戻る途中に「自助鍋」と看板の出ている店がある。 真夏なのに、たくさんの客が入っているので試しに入ってみる。席につくと、豚肉か牛肉か、何の肉が良いのか聞かれる。日本人的には、魚という選択肢もありそうなものだが、中国料理では「鍋は肉」なのだろう。豚肉を注文すると、鍋の汁や玉ねぎなどの基本セットを持ってきてくれる。その他の具は、冷蔵ケースに並べられている具材の皿を「自助」で取ってくるというシステムらしい。猪肉(豚肉、60元)、花枝丸(魚肉団子、60元)、 白菜(35元)、蛤仔(あさり、100元)というような具材を入れて、基本料金とジュース1本を含めて370元(約1200円)。どうみても、2人前の量あったので日本の外食店に比べれば格安だと思う。
自助鍋

■  捷運 行天宮站 13:10 → 忠孝新生 → 台北車站 13:19 (20台湾元)

台北車站に戻り、高鐵の售票處前にあるコインロッカーから荷物を取り出す。3時間を少しだけ超えているので、追加の30元を支払い、合計では60元となる。

桃園空港には16時頃着けば良いので、空港バスの乗車時間を差し引いても1時間から2時間程度の余裕がある。さて、台北站前で2時間弱、時間が中途半端すぎる。今から思えば、台湾博物館の向かい側にある恐竜博物館(旧 台湾土地銀行の建物)を見物すればよかったのだが、その時は全く思いもつかなかった。 で、駅前の新光三越を見物…。冷房効いてるし、デパ地下には土産物用のお菓子類もたくさん置いているので、帰国寸前の時間つぶしには最適な場所。
台北車站前の新光三越

■ 公車1819系統 台北西站 14:26 → 桃園機場第一航廈 15:10 (125台湾元)

楽桃航空(←ピーチ航空)は、大手の航空会社と並んで第一ターミナルから出発する。関空の格安ターミナルビルとは違い、店舗もたくさん入っている。機内で食べるおにぎりとパンを、到着ロビー地下のコンビニで購入するが、結局、出国エリアのベンチで食べてしまった。

■ 桃園空港 18:30 → 関西空港 22:15
関西空港に到着したピーチ航空 A320

飛行機は全く遅れること無く、時間通りに離陸し着陸した。入国審査も、日本人のレーンにはほとんど人が並んでいないので数分でクリアし、第一ターミナルに行くシャトルバスに待ち時間無しで乗車。

 入国審査の行列から推測すると、180席ほど(満席)の乗客の9割位が台湾人で、20人〜30人程度が日本人だろうか。 年間の旅行客数は台湾→日本が360万人(2015年)、日本→台湾が160万人(2014年)なので、台湾人は格安航空を好み、日本人はフラッグ・キャリアを好むということだろうか。(あるいは、日本人はツアー会社の団体でしか旅行できない人が多いのだろう。ツアー会社は格安は使いませんから…)

■ 南海電車 関西空港駅 22:41 →難波駅 23:25