2015/09/22

9月22日 パリ、シャンティイ

9月22日(火曜日)

天気予報は雨。朝起きた時はまだ曇っていた。


パリの天気予報


パリ付近の気象レーダー(午前7時ごろ)


ヨーロッパの気象衛星画像


昨日買っておいたパンとヨーグルトを部屋で食べてから、観光に出かける。泊まっている所のすぐ近くのヴォルテール広場にある貸自転車(Velib)スタンドで自転車を借り、モンマルトル方向に向かって走り出す。スマートフォンのGoogleMapナビを確認すると、反対方向に走っていて時間を少しだけロスした。まず、共和国広場近くのサン・マルタン運河の起点あたりへ。ここで自転車をいったん返却し、共和国広場に向けて歩く。

共和国広場の第三共和政モニュメントは、見事に落書きだらけ。去年、風刺画を掲載する新聞社が襲撃されたときに、大きな集会が開かれたのがこの広場だったと思う。共和国広場からサン・マルタン通りをしばらく行くと、作曲家ヨハン・シュトラウスの胸像がある。あと少し行くと、太陽王ルイ14世の凱旋門であるサン・マルタン門がある。中世の城壁のあったところに造られた門だが、城壁は周囲には残っていないようだ。

東駅付近で自転車を借り、マゼンタ通りをまっすぐ北西へ、地下鉄2号線の高架橋があるところで左折。そこから緩やかな坂道を登っていくと、ムーラン・ルージュの風車があるブランシェ駅のところまで来る。ここで自転車を返す。キャバレーのムーラン・ルージュは画家ロートレックのポスター画で有名。


モンマルトルに残っている2基の風車のうちの1基
ムーラン・ド・ラ・ギャレット

雨が降ってきた。傘をさして、ブランシェ駅のところからモンマルトルの丘を登る。坂道の突き当りに、かつて13基あったパリの風車の中で残存する2基がある。こちらの風車は、ルノワールの絵画で不朽の観光地となっている。このあたりから、モンマルトルの周辺の観光地の間は、少しお金持ちそうな住宅地となっている。

20年近く前に一度来たことがあるが、もう記憶のかなたなので、もう一度サクレ・クール寺院を見学する。19世紀末にフランス第三共和政を記念して造られたものなので、(昨日見たパンテオンと同じく)歴史ある教会というわけではない。


サクレ・クール寺院

サクレ・クール寺院の前の階段を下りる。途中で、何人もの警官が黒人数人を追いかけて捕まえていた。スリの現行犯逮捕だろうか。マウンテンバイクに乗った警官まで動員して、すばしっこく逃げる何人もの犯行グループを一網打尽にするのは大変そうだ。せっかく、苦労して逮捕しても、スリ程度なら大した罪にならずすぐに再犯を繰り返しているのだろう。軽犯罪でも重犯であれば、重罰にするくらいじゃないとダメでしょうね。

■ アンヴェル 10:57発 → スターリングラド → オフェルカンプフ → ヴォルテール 11:20着 (メトロ M2,M5,M9)


スターリングラド駅のメトロM2号線

アンヴェル駅から地下鉄に乗り、いったんホテルのあるヴォルテールに戻る。中華料理屋で6ユーロ メニューを購入しホテルに持ち帰って食べる。

午後、雨も止んだようなので、ルーヴル美術館を見に出かける。

■ ヴォルテール → ナシオン → パレ・ロイヤル (メトロ M9,M1)

パレ・ロイヤル駅とルーヴル美術館は地下通路でつながっていて、通路にはたくさんの店が入っている。観光客でいっぱいだが、美術館は休館のようだ。なぜ、休館日にこんなにたくさんの観光客が来ているのか不思議だ。

これといって予定がないので、1時間以内に行ける観光地を考えてみる。そういえば、シャンティイの城を一度も見たことがなかったので、行ってみることにする。スマートフォンで時刻表検索すると、13:49にパリ北駅から列車が出るようだ。再び地下鉄に乗り、北駅へ。

■ パレ・ロイヤル 13:07発 → ポアショネア 13:17着 (メトロ M7)

メトロ M7線は北駅にはいかないので、近くにあるポアショネア駅で降りる。20年ほど前にパリに来たときは、この駅の近くのホテルに泊まったことがある。

■ パリ北駅 13:49発 → シャンティイ 14:15着 (急行列車 ter,2等運賃 8.7ユーロ)


パリ 北駅

北駅発の急行列車は、超大編成のわりにお客さんが少ない。北駅の正面入り口から遠い先頭車両付近は、1両に数人しか客が乗っていない。列車はRERの線路と並行して走っている。おそらく、RERは各駅停車なので時間がかかるのだと思う。雲の切れ間から太陽が時折出てくる。このまま天気が良くなってくれればいいのだが。

シャンティイ駅に到着後、GoogleMapのナビで城を目指す。地図上では、およそ2㎞ほどあるようだ。駅と城の間には、競馬場と厩舎がある。こちらは後で見ることにして、まずお城へ。


シャンティイ城


シャンティイ城 絵画展示室

池に浮かぶような城の景色を撮影しようとするが、あいにく曇ってきた。まず、城に入場して中を見学する。入場料は、厩舎の見学も併せて16ユーロ。15世紀から16世紀に建てられた城で、内部は膨大な絵画が飾られている。昔の領主はよほど絵画が好きだったのか、絵画を飾る場所が足りなくなるくらい購入してしまい、壁一面に絵画を並べて展示している。つまり美術館としては、建物の大きさのわりに、見るべき絵画が多いということだ。パリから電車で30分(1~2時間に1本)、駅から歩いて30分とちょっとだけ不便なので、それほど客数も多くはなく、のんびりと中を見学できる。

城を出ようかと思ったとき、外を見ると豪雨。しばらく雨宿りに城内にとどまる。吹き降りの雨の中を、広大な城の庭を見学している人もいる。そこまでして見物しなくても…。
30分ほどしたら雨が止んだ。城の少し高くなったところから、幾何学的に池を配置した庭をチラッと見る。のんびり庭を散歩していたら、帰りの電車の時間を逃してしまう。次に、競馬場横の厩舎に向かう。厩舎の中は小さい区画に分かれたところに沢山の馬が飼われていて、ちょうど乾草の餌を与えられているところだった。お客の数が少ないので、実際に飼育している本物の厩舎を見物できる珍しいところだ。まだ子供の馬もいて、調教師の人が1匹ずつ連れ出して「散歩」させていたりする。

厩舎のすぐ横にある競馬場は作業用の入り口が解放されていて、なぜか馬が走る芝生と土のコースの中を歩いて、競馬場の真ん中あたりまで行くことができる。テレビで日本の競馬を見たことがあるが、競馬場がこれほど広いものだとは思わなかった。この競馬場は1834年に初レースが行われたフランス最古の競馬場らしい。(Wikipediaによる)


競馬場の芝コース(手前)と調教場・厩舎(奥の建物)


厩舎の馬の食事の時間

■ シャンティイ 16:58発 → パリ北駅 17:25着 (急行列車 ter,2等運賃 8.7ユーロ)

シャンティイを出た急行列車は、大雨の地域を通り抜け、雨が止んだばかりのパリに戻ってきた。地下鉄に乗り、ヴォルテール広場のホテルに戻る。

■ 北駅 → オーフェルカンプフ → ヴォルテール 17:46 (メトロ M5,M9)

夕食も、ホテルの近くにある中華料理屋で6ユーロのメニューと、個別にブロッコリーの炒め物を購入。9.12ユーロ。ヴォルテール駅の出口の前に、毎日特価品だけを売る雑貨店があり、ちょうどオーストリア製のウエハースが1パッケージ0.4ユーロと安かったので、1ダースの箱ごと購入。たぶん、賞味期限があと2か月だから現金問屋に放出されたものだろう。(この国でも、消費期限の3分の1ルールがあるのかな…)

■ ホテル・ロイヤル・オ・マッド 14号室 (1泊 47ユーロ)