2015/09/17

9月17日 トリエステ、プーラ

9月17日(木曜日)


今日は午前中トリエステで時間をつぶして、14時のバスでクロアチアのプーラに向かう予定。天気予報は「一応」晴れとなっているが、気象衛星写真には怪しげな雲がたくさんある。


気象衛星の写真


アドリア海北部付近の気象レーダー

7時30分、B&Bで提供される朝食を部屋でのんびり食べ、8時20分にチェックアウト。まず、トリエステ駅に行き荷物預け室に荷物を預ける(12時間まで3ユーロ)。クロアチアのプーラに行くバスに乗る14時まで、およそ5時間ある。トリエステは、急こう配を登るトラム兼ケーブルカーがあることでも有名なので、乗りに行ってみる。

トリエステ中央駅から歩いて5分ほど、泊まったB&Bの近くの坂道を走っているトラムの起点のオベルタン広場へ。停留所に併設されたタバッキで切符2枚購入し、トラムが来るのを待つ。20分に1本なので、間もなく1両編成の木造風のレトロなトラムがやってきた。
■ トリエステ オベルタン広場 08:50発 → オピチナ 09:20着 (トラム,運賃 1.35EUR)

1902年に造られたトリエステ=オピチナ路面電車は、全長5kmのうち約700mの急こう配の部分のみ、ケーブルカーの牽引車に押されて上り下りする。それ以外の区間は、普通の電車として走っている。スイスの登山鉄道にあるような、急こう配区間のみラック式鉄道方式ではないところが、珍しいといわれる所以だろう。

実際に乗車してみると、1駅目のところで引き込み線に停車しているケーブルカーに連結される。ケーブル区間では、トラムは単にブレーキを切ってケーブルカーに押されるがままになっている。トラム自体がケーブルカーと電車の2つの機能を持つのではなく、ケーブルカーのカートにドッキングして進めばよいという、うまい具合に考えたものだ。


ケーブルカーのカートを前方に併結した状態


通常区間をモーター駆動で自走するトラム

オピチナの終点の駅で下車。駅のすぐ横には、トラムの車庫がある。オピチナは特に名所があるようなところではなく、トリエステに隣接するベッドタウンといった感じのところだ。

帰りは、2駅くらい歩いてトリエステ方向に戻ると、トリエステ市街を見下ろす高台の端に出る。何かを記念するオベリスクが建っていて、そのオベリスクがある周辺の林は、自然公園になっているようだ。

■ オピチナ オベリスコ 10:05発 → トリエステ オベルタン広場 10:30着 (トラム,運賃 1.35EUR)

これでトリエステで予定していた見るべきところは見てしまったので、もう一度、古代ローマ劇場を見に行く。その近くのバーに入り、昨日の昼ご飯を食べたところだが、今回はチキンのグリル煮込みのセットメニューを食べる(11ユーロ)。昨日、たくさんの人が注文していた料理だ。


ローマ劇場近くのバーで食べた昼食(11EUR)


セルビア正教の教会内部

■ トリエステ 14:00発 → プーラ 15:45着 (FILSバス,ネット購入運賃 105クーナ)


1時ごろ、駅に戻り荷物を受け取って、鉄道駅の横に隣接するバスターミナルへ。ヴェネツィア発プーラ行きのバスは、定刻より15分ほど早くやってきた。トリエステから乗車した客で、完全に満員となったバスは、スロベニアを通りクロアチアへ。スロベニアからクロアチアに入る国境では、パスポート検査が行われる。そういえば、クロアチアはシェンゲン条約に加盟していないEUの国なのだ。

クロアチアのプーラに到着後、こんなニュースが出ているのに気づいた…。 難民は鉄道沿いに北上しているので、まさか鉄道路線から外れているイストリア半島に押し寄せることはないはず。交通機関がマヒしてしまうので、こっちには来ないでほしい。


クロアチアに難民流入 閉鎖のハンガリー避け移動

朝日新聞デジタル 9月18日(金)0時12分配信

欧州連合(EU)加盟国クロアチアの内務省は17日、ドイツなどを目指し、セルビアとの国境を越えて国内に入った難民や移民が同日午前までに6200人に達したと明らかにした。直前にハンガリーに流入していた水準に匹敵する規模だ。検問所閉鎖など実力で流入を阻止するハンガリーの強硬姿勢が人々の流れを大きく変え始め、周辺国が対応に追われている。

セルビアからクロアチアに人々が流入し始めたのは16日朝。セルビアからの報道によると、当初はハンガリーとの国境検問所前に集まっていた人々の一部が移動。その後、首都ベオグラードからバスで直接クロアチア国境に向かうグループも出てきた。

セルビア・ハンガリー国境では同日夕、ハンガリー警察が検問所前で閉鎖に抗議する人々に放水。混乱が人々の移動をさらに加速させた可能性がある。



難民の新たな経路


EUの国境管理の区分(シェンゲン条約締結国は水色)


バスは定刻より15分ほど早くプーラに到着。途中、かなり雲行きが怪しかったが、プーラの天気は何とかうす曇り程度で済んでてくれてよかった。

バスターミナル横の銀行ATMで現金をゲットし、すぐ近くにネット予約したペンションへ。あらかじめバスの到着時刻をメールで知らせてあるため、家の主が出かけていてちえっくいん不能ということはないはずだ。無事、チェックインを済ませ、荷物を置いて外へ。


古代ローマの円形闘技場

もう夕方だが、せっかく太陽が出ているので主な観光地だけ足早に見ておくことにする。かなり完全な形で残っている円形闘技場、アウグストゥス神殿と古代ローマ時代の町の門を見て回る。ギリシャの植民都市のように小高い丘を中心とした都市で、軍団が建設した植民市などの人工的な街ではないような印象を受ける。あとは明日じっくりと見ることにして、夕食を食べる場所を探す。


旧市街の丘の周囲をめぐるメインストリート

旧市街の観光客向けレストランは、メインディッシュの1皿が50クーナ(1000円程度)というのがちっぱん的な価格設定だ。旧市街の東に隣接する、地元の人向けの繁華街に「社会主義国時代をほうふつとさせる、セルフサービス式の食堂」を見つけた。実際の料理がショーケースに入れておいてあるので、当たりはずれが無くて旅行客にとっても理想的なレストランだと思う。

■ Guest House ZoNa ダブルルーム 1泊340クーナ(45ユーロ相当)