2008/12/15

12月15日リスボン~コインブラ

12月15日(月曜日)
■ リスボン

早朝に雨が降って、起きたときにはすでに快晴になっていた。日の出と日没の感覚は、日本とほぼ同じ。オランダやドイツなどのように、冬の日の出が極端に遅いということはないので、感覚的には結構楽だ。

(昼ご飯が食べれるかどうか不明なため)ホテルで朝食を少し多めに詰め込んで、9時少し前にチェックアウト。国立病院とか陸軍駐屯地などがある地区の坂を下ってゆき、地下鉄Anjos駅へ。 昨日購入した1日券(ICカード)に新しい切符を書き込めるか試してみたが、だめなようだ。(券売機が対応していない)回数券なら書き込めるようなので、もったいないことだ。

10年くらい前の万博会場跡につくられた、オリエンテ駅へ。何年か前に、この駅の近くの芸術大学構内にあるユースホステルに宿泊しので、ある程度周辺の土地感はある。列車の出発時間まで30分程度余裕があるので、川沿いに出ることにする。昨日、食事を買いに行った巨大なショッピングモール(バスコ・ダ・ガマ センター)を抜けて、外に出ると見事な快晴。もう少し時間があれば、川に架かっている斜長橋を見に行くところだが、海沿いのテラスの芸術的オブジェを鑑賞するだけにする。

駅に戻ると、私が乗るはずの特急列車(アルファ)が到着するはずのプラットホームには、1本前のローカル列車の案内表示が出たまま。ローカル列車が10分ほど遅れて出発してゆき、特急は出発予定自国の1分くらい前にやってきた。

イタリアの少し古いタイプの高速列車と同じもので、お隣のスペインがTGVタイプの列車を走らせていることに対する競争心でもあるのだろうか…

私の乗った車両は定員の半分くらいの客しか乗っておらず、当日券を購入しても十分だと思った。リスボンを出て少ししてから時速230kmくらいで走ったかと思うと、その後はひたすら時速140km程度ののんびり運転。在来線を無理やり走っているから、駅で減速するわ、カーブで減速するわの繰り返し。

■ コインブラ

コインブラまで1時間45分のところ、15分くらい遅れて到着…ポルトガルの看板列車がこれだから、まだまだスペインに追いつけそうにないね(笑

コインブラで下車しようと、座席からデッキへ向かうと、デッキ横の荷物棚に巨大なスーツケースを格納している中年夫婦がスーツケースを取り出すのに死闘している。列車が駅に到着してからもひたすらスーツケースのハンドリングに必死… 他の乗客が降りれないんですけど(笑

仕方なく、車両反対側の出口へ。すでに乗客が乗り込んできており、人をかき分けてやっとのことで下車。直後に発車ベルがなり、ドアがロックされる。

例のスーツケース夫婦はとうとう降りてこず、列車とともに去っていった。旅行とは、いつ銃弾が飛んできても、すべての荷物を抱えて50m10秒以内で走りぬけるだけの… は私の心構えだが、少なくとも、列車を降りるときに歩みを止めてスーツケースを引きずり出さなければならないくらいの荷物を持ってくるなんて、アホの極みである。 アホ夫婦の後ろで降りるのを待っていた何人かはどうなったんだろうか…

プラットホームでGPS受信機を作動させて、GoogleMapで現在地を表示すると、コインブラAという郊外の駅のようだ。駅員に聞くと、街の中心までシャトル列車があるようである。特急が遅れたので、シャトル列車も律義に待ってくれていた。

街の中心のコインブラB駅(終点)で降りて、Google Mapのルート検索でホテルまで順調にたどり着く。最近は、ガイドブックも見なくなったなぁ…便利な時代になったのか、情緒が無くなったのかはわからないけどね。

今日は珍しく、Comfort Innというチェーン店に泊まる。ネットで旅行出発2日前に予約したが、ディスカウントされて、ツインの部屋が1泊40ユーロ。この街のホテルでネット予約できるところが、星無しのところでも35ユーロが下限値なので、安いといえるのではないだろうか。(今回のポルトガルとスペインで泊まるホテルがすべて25ユーロかそれ以下なので、破格に高いといえばそれまでなのだが…)

荷物を置いて、まず、明後日乗るバスのチケットを買うためにバスターミナルへ。1kmくらい歩いてバスターミナルへゆき、チケット売り場へ行くと、(シェスタの時間だから?)14時に出直して来いといわれる。最近、共産主義の中国でもこんな対応ないぞ (w

モンデゴ川から望む旧市街の丘

ホテル付近を通り過ぎて旧市街へ向かう。この街の最大の観光地である、旧市街の丘の上の大学へ。なんでも、ポルトガルで最も古い大学だそうで、13世紀の創立だそうだ。

どうりで、東京大学本郷キャンパスより新しい、20年以内に建設された新しいビルばかり建ち並んでいると…(笑20万冊の「国王が買い集めた古い本」が格納されている図書館が有名だそうで、入場料をちゃんと払って見学するようになっている。アイルランドのダブリンにある大学図書館と同じような感じだ。

見学場所じゃない、大学の中も勝手に入っていける場所もあり、見学するにはうってつけの場所なのかもしれないが、セキュリティ上どうなんだろう…最近の大学は、磁気カードやICカードでロックされたドアが建物の入り口や扉についていたりするところが多いので、こういう昔ながらのオープンなところは親しみやすいとはいえる。(私が大学生のときは、もちろん、磁気カードなんて導入されていなかった)

大学から旧市街の目抜き通りに降りてくると、古い門の前で大学生のオーケストラのコンサートをやっている。クリスマスの時期に、クリスマスソングじゃない曲を…

17時ごろにバスターミナルへ行き、切符を買う。サンチアゴ・デ・コンポステラまで38ユーロ。所要時間は多分10時間?

再び旧市街に戻り、市役所と一体型になった修道院にくっついているレストランへ。修道院がやっているのではないようだけども…魚のグリルを頼む。1匹丸ごと出てきて、6ユーロとは格安だ。レストランの名前が、MANGAとなっていたので、日本の漫画と関係があるのかと思えば、レストランに併設されている古い噴水(由緒正しい噴水)の名前がMANGAらしい。メニューとともに、解説パンフレットをもらった。



18時、日が沈んで暗くなったので、旧市街の夜景を見に行く。リスボンより小ぢんまりとまとまっていて、こちらの方がのんびりと見てまわれる。昔は電球の飾りつけが多かったけども、最近はどこでも流行で白や青のLEDが多くなっている。青ばかりになると雰囲気悪いから、何とかしてほしいけど…この街の電飾は、ちょうどよい具合に白と青の割合を減らしているように感じた。