2008/12/28

12月28日アムステルダム

12月28日(日曜日)
■ アムステルダム

今日も、かなり冷え込んでいます。朝9時ごろに、沿道の薬局の温度計が0℃となっていました。公園の池は、完全に凍っているところが多く、少し足でけってみたくらいでは、ひび割れることもないくらい厚い氷になっています。

水鳥が、習性として、池の上に居るのですが、単に氷の上に立っているだけなので、地面と変わらないんじゃないですかね。

運河の街アムステルダムと言うことで、やはり「ボートクルーズ」は必須でしょう…ということで、行ってきました。オランダで一番幅の広い北海運河を横断しているフェリーに乗って来ました。一応、「運河」+「クルーズ」の条件は満たしてます。

3系統のトラムで終点まで行き(港湾地区)、そこから埠頭の先まで強風にさらされながら歩いて、ザーンダム方面行きのフェリー(他に交通手段がないため、このフェリーは無料運航されている)に乗って、北海運河を横断してアムステルダムの対岸まで、約5分のクルーズです。ほかに誰も客は居ません。(1時間に3本の運航)

船には、屋根はついていますが、客室になっていないため、寒風が吹きつけて、話にならんほど寒いです。アムステルダムのずっと西の方にある、発電所と思われる煙突からは南向きにもくもくと煙が出ているのが見えますが、それ以外の煙突(があるのかどうか知らないけど)からは煙が出ていないところを見ると、工場もクリスマス休暇なんでしょう。

対岸の船着き場には、ソ連の潜水艦がなぜか係留されていたりします。また、BOTELという台船の上にホテルをつくってしまっているようなのもありますが、壁に48ユーロからと書かれていたりします。こんな遠くまで来て、48ユーロでは、価格競争力あるのでしょうか。



船着き場から、ザーンダム方向に向かいます。物流倉庫などの流通産業の産業地帯になっているはずなのですが、なぜか派手なコンテナハウスのアパートが存在します。コンテナまで住宅にしてしまう、オランダ人のしぶとさには感服します。

その辺に駐車している車は、あまりの寒さに、霜が降りているのではなく、今日面が氷着いて、側面まで真っ白になっています。こりゃ、塗装に悪い影響あるでしょうね。

もう一度フェリーに乗り、アムステルダム側へ。港湾地区のため、昔からの倉庫を家や事務所に改造した建物がたくさんあります。といっても、新しく立てた建物も、それらしい外観にしているだけと言う、デザイン的なものもあるのでしょうけど。倉庫を改造した建物に共通なのは、窓に巨大な観音開きのよろい戸がついていることです。(普通の建物には、雨戸やよろい戸はついていません。窓ガラスだけです)



案外こっちの方に観光に来る観光客は少ないんですが、デザインの世界では結構有名らしいんですよ。

途中、北教会の横を通過し、リンデンフラハト通りの露天市会場が、日曜のため何も存在しないのを見てから、中央駅へ。

地下鉄で、アムステルフェーンへ向かいます。(アムステルフェーン行きは、途中から路面を走るので、高速路面鉄道と言う名前で呼ばれている)

地下鉄の車内は、トラムと違い、ばっちりと暖房が効いていてうれしい限りです。

昼食は、アムステルフェーンのショッピングセンターにあるHEMAの2階のカフェテリアで食べました。観光客がうじゃうじゃ居るアムステルダムと違い、確実に地元の人しか居ない(それも、アムステルフェーンは、高額所得者の街)ショッピングセンターの方が、落ち着いて食事できたりします。

ショッピングセンターには、いまだに「クリスマス大バーゲン」のような宣伝が掲出されていたりしますが、結局、クリスマスでもなんでも、売れればいいんでしょうね。

今日も一日快晴でした。明日も快晴の予報となっています。今回の旅行全体として、天気にはムチャクチャ恵まれました。ありがたいことです。

2008/12/27

12月27日ケルン~アムステルダム

12月27日(土曜日)
■ ケルン

昨日の寒さが、さらにパワーアップして寒くなった朝。天気予報では-4℃となっているが、実際にはもっと下がっているのではないだろうか。8時、ケルン中央駅に歩いて向かう。泊まっているところの目の前にケルン・メッセ駅があるのだが、1駅のんびりと景色を楽しみながら、ライン側に架かる鉄橋をわたって行く。

鉄橋にはドイツ鉄道の幹線路線が通っていて、6車線?くらいの線路が通っている。1分に1列車くらいのわりあいで、たくさんの電車が通り過ぎて行く。

(おそらくフランクフルト始発の)ICEがケルン中央駅に到着する。前半分がブリュッセル行きで、ここで切り離すようだ。8時48分、定刻きっかりに出発。2等車の同じコンパートメントには、ロシアから来た若い夫婦が乗っている。これからアムステルダムに観光に行くのだそうだ。心配事は… アムステルダムは寒くないだろうかと、ローマのように観光地を見つけられずに迷わないだろうかと言うことらしい。

ロシア人(モスクワ在住の人)が、アムステルダムごときの寒さを「寒い」と感じるのだろうか…

ケルンを出発して、2駅目まで、隣の線路をウィーン南駅発、アムステルダム行きの夜行列車が走っている。と、2駅目で抜かれてしまう。(ICEが泊まるはずのない駅に臨時停車して、お先にどうぞって感じ)

やっぱり在来線を走るICEは、単なるインターシティ程度の扱いなんだ wどうせなら、あの夜行列車のの簡易寝台のほうが、昼寝しながら行けるから、人気出るんじゃないかな。(今日は、単に遅延してるだけだろうけど)

ちなみに、ICEの食堂車で、コーヒーを飲んだが、2.7ユーロもしたのには驚いた。今まで食堂車を利用したことあるのは、物価の安そうなポーランドやロシア、中国くらいだけど。あっちの国の「食事」の価格が「コーヒー」と同じになるとは、物価高いね。

11時35分、(10分遅れで)アムステルダム中央駅に到着。アムステルダムも、うすい雲がところどころに出ているが、ほぼ快晴。

今回の旅行は、本当に天候に恵まれている。(実は、いまこの時点でポルトガルは土砂ぶりの雨だと、BBCの天気予報が伝えている)

■ アムステルダム
まず、アムステルダム市の東の外れにある、オランダ国内最大級の露天市場、ダッペル市場へ行く。質素倹約の国オランダであっても、商店の休日は「自由主義」のため、クリスマス機関中でも客が来るなら、すべての店が開店しているはず… と言う予想が見事に当たり、開催されていた。

やたら混み合っている。観光客が来るようなところではないので、ほとんどが地元の人ばかりだけど。(歩き方のアムステルダムの地図では、すでに範囲外)

ダッペル市場で新聞を配っていた共産主義者

露天市場の通りの中ほどで、ニシンの酢漬けを1匹(1.8ユーロ)を食べる。酢っぱいピクルスも添えられて、また何ともいえないおいしさ。(一応オランダ名物らしい)北アフリカや中国あたりから仕入れた服飾製品や雑貨が、相も変わらず劇安価格で売られている。でも、なんで服が3ユーロとか、下着が1ユーロで販売できるんだろうね。これをみてると、デパートとかで売っているのは、ものすごいリベートを払ってるんだなと思ったりする。

そこから、市バスの41系統に乗り、20分ほどでアムステルダム市の飛び地で、最も南東にあるアムステルダム・アリーナのあるところまで行く。サッカーのアヤックスの本拠地の球場があるわけだが、サッカーにさほど興味のない私は、競技場の手前の家電量販店MediaMarktのほうが気になる。で、行ったのはサッカー上の方じゃなくて、駅を挟んで反対側のアムステルダム・ポートという欧州最大級のショッピングセンター。

アムステルダム・ポート

クリスマスがすぎても、クリスマスマーケットの施設をそのまま使って、露天市場みたいになってるし w

通り過ぎる人のかなりの割合で、ドイツ語を話しているので、店が全部しまっているドイツを脱出してきたドイツ人観光客だとわかる。(たしかに、去年、マーストリヒトに行ったときも、クリスマスマーケットに来てる人の半分くらいが、ドイツ人だった)

ドイツ人が来るのなら、ホット・ワイン(グリューワイン)の店くらいあってもよさそうなものだが、そういうのは一切無い。 

立ち食いのファストフード店FEBOで、コロッケを食べる。これもオランダの名産品で、ほとんどすべての鉄道駅にもこの立ち食い店があったりする。

しかし、金融危機で、大損害をこうむったオランダなのに、ショッピングセンターはムチャクチャ沢山の人でにぎわっている。品物を買った袋を持っている人も沢山居るので、経済危機、思ったほど大したこと無いのかも。

アムステルフェーン中心部のアパート

2008/12/26

12月26日ケルン、ウッパーダール、ミュンスター

12月26日(金曜日)
■ ケルン

快晴のため、放射冷却が起こって、今朝はやはり寒かった。予報では最低気温が-2℃とのこと。 ということは、昨日の昼ごろまでは、ずっと曇っていたということだろうか… (そのために気温が10℃くらいだった)

パン、チーズ、ハム、ヨーグルト、シリアルしか存在しないYHの朝食を食べて、8時ごろ外へ。ちょうど日の出の時間のようで、東の空が赤くなってきている。

8時55分の普通電車(RB)に乗って、ウッパーダールへ向かう。車窓の景色を見ていると、少し田舎になれば線路の枕木や、物置などのトタン屋根や、牧草などの上に霜が降りている。ゾーリンゲン(たしか、家にあったナイフとかフォークの生産地だったと思う。駅自体は刃物を想起させるような所は無い)に停車したのち、9時40分にウッパーダールに到着。

■ ウッパーダール

それほど大きな街ではないと思うが、駅構内がバス停の下まで伸びていて、商店が入っている。一種の地下街のようになっている。(ただし、クリスマスのため、ほとんどの店は閉店)地下街を抜けたところが、街のメーンストリート(歩行者天国)の端になっていて、モノレールの駅もそこにある。

世界最古の(といっても100年くらい)モノレールで、羽田や千葉に走っているような、車両がぶらさがって走っている八だ。10分に1本くらい走っているようで、しばらく見ていると、おもちゃのような2両編成の車両が猛スピードでやってきて駅に滑りこんでゆく。

日本のモノレールのように、のんびりやってきて、ゆっくりと停車するというようなことはしないようだ。

モノレール

今日は、ノルトライン・ウエストファーレン州のすべての交通機関が無料乗車できる1日券(23.5ユーロ)を購入しているので、当然このモノレールにも乗車できる。ということで、モノレールにのってみる。

まるで遊園地のジェットコースターの出来そこないに乗っている感じ (笑だいたい、車両に乗るときに、人間1人の移動でぶらぶらと揺れるし、当然走っているときも遠心力で振り子のように揺れまくるし…遊園地で1000円出してジェットコースター乗るより、こっちの方がずっと面白い。

と、モノレールばかりも乗ってられないので、街の方も見に行ってみる。

街の中心部の商店街は、当然のごとくゴーストタウン状態。クリスマス市の店の箱がところどころにカギをかけられた状態で放置プレイされている。街の中心の広場(DomPlatz?)へ出ると、下層階の半分くらいが商店になってしまっている教会(大聖堂なのかどうかは知らない)がある。多分これが見どころなのかなぁ…

教会前を通り過ぎて、街の一番低いところを通過(谷間にできた街で、教会のすぐわきあたりが谷底)して、市役所前と書いてあるあたりに来る。

Radhaus(Stadhausじゃなくても、市役所だと思う)をもじって、Radhuisplazaなるショッピングセンターがある。市役所なんて、街の真ん中に鎮座してなくても、一等地はショッピングセンターにしろと言われたのかな? まあ、ドイツの中でも、こういうのを見たのは初めてだ。

さらにしばらく行くと、街外れ感の漂う地区になり、小さい教会の前に「Cafe AQUA」とか、日本なら喫茶店の水なら無料なはずだが… と言いたいような看板を出した店もある。

と、ネタ探しをしに来たわけでないので、そろそろ駅に戻る。10時56分のRheine行き快速列車(RE)に乗る予定だが、1本前のInterCiryがまだ電光掲示板に表示されたまま。なんと、その前の列車の表示もあり、「Speter Ca 60min」とか表示している… 私の乗るはずの列車も20分遅れと表示中。

トイレでも行こうかと、駅のトイレに行くと掃除中で閉鎖されているし。踏んだりけったりである w

どうも、ケルンとゾーリンゲンの間で何かあったようだ。ケルン行きの普通電車が、「この列車は今日はゾーリンゲンで運転中止になります」と盛んに放送されていたりするが、電光掲示板にも、電車自体にも、RB Koln hbf. と書かれているまま。

ま、田舎の駅だから、まさかドイツ五がわからない外国人が居るなんて思っても居ないのだろう…いるんだよな。ちゃんとここに w

で、20分遅れの快速に乗って、ミュンスターに向かう。日向側の窓際で、窓に持たれてうとうとしていると、もう少しで寝過ごしそうになる。列車はキッカリ25分遅れて、12時45分にミュンスター到着。

■ ミュンスター

歩き方のコピーと、ロンプラのコピーがあるが、歩き方は1ページに地図と写真と記事が詰め込まれている上に、地図自体がおかしい気がする。ロンプラの地図も、微妙に違うような。とにかく、誰かが歩いていく方向についていってみることにする。

ゴーストタウン状態の駅前通りを通過し、旧市街へ。歩行者天国なのに、バスが走っている歩行者天国があり、まるでイタリアのようなポルティコがある建物がずらっと並んでいる。時計塔と、教会の尖塔が商店街の向うににょっきりと突き出している。

なかなか駅になる風景だ。商店街の店はほとんどすべて閉店状態だけど、Saturnだけが開いている。系列店のMediaMarktは閉店日なのに、こっちだけ開いているのはなぞである。(ドイツ人でも、両店がMETRO AGの持ち株会社の量販店だとは知らないのかもしれない)

閉店中の店のショーウインドウの前で、何人で管弦楽(クラッシック音楽)を演奏している人が居たりする。えらく文化度の高い大同芸だな w

19世紀のウエストファリア条約の締結された会議場が、市役所の隣にあるが、当然今日は公開されていない。

さらに街の外れの方向へ歩くと、大聖堂があり、そこを通り越してしばらく行くと、これまた立派な教会があったりする。

ここは、立派な教会の街ですか www

旧市街中心の聖ランベルト教会

ケルンより、写真撮影するなら、ずいぶん被写体がたくさんありそうな街だけど、歩き方での扱いはたったの1ページだからね…

14時34分の快速(RE)で、ケルンに戻る。ケルン到着は16時35分。すでに日没後。

明日は、ICEで一気にアムステルダムに戻ります。といっても、ICEはネット予約やら、わりびきやら使って、たったの19ユーロしか払ってませんけどね。

2008/12/25

12月25日パリ~ケルン

12月25日
■ パリ

おととい、このユースホステルの地下のコインランドリーで洗濯したが、去年から壊れたままだ。石鹸が自動的に投入されるのも嘘で、水もまともに入らない。さすが、フランスはいい加減な国である w

天気予報通り、朝から晴れている。ユースホステルで私が泊まっていた部屋は、どうも女性用区画のようで、たしかにトイレ兼シャワールームに、「男性用トイレ」が存在していない。(別のフロアには、男性用トイレがたしかに存在する)

で、昨日のシャワーを使っているときもそうだったが、歌う黒人の姉ちゃんがいて、まるでオペラ歌手のように、部屋から出て来るときから、シャワールームに来てシャワーを浴びているときまで、オペラのような歌を歌い続けている。謎名人である。今朝もトイレの中で歌ってた…

パリ北駅からThalysが出発するのが11時55分。結構時間があるため、サンマルタン運河の方を散策しに行くこととする。と言っても、ユースホステルから北駅へ向かう系路上でないと、まずいため、近くのバス停に貼り出してある、パリ全体のバス路線図を見てみると、ちょうどいい具合にユースホステル付近から北駅を通過し、サン・ラザール駅まで行く26系統のバスがある。(祝日は15分に1本くらいしか来ないけど)

ということで、10時にそのバスに乗り、北駅へ行く途中の、地下鉄ピレネー駅前で降りる。ここからなら、北駅まで歩いて数キロメートルだし、中間地点に運河がある。

クリスマス当日・祝日であっても、下町(ピレネー地区、ジョルダン)の朝市が開いている。クリスマスで何でもかんでも休みと言うわけでもないようだ。

公園では、なぜか中国人が太極拳をしていたりする w

20分くらい適当に歩き回って、運河の水門のところに突き当たる。ちょうど地下鉄が鉄橋の上の駅(スターリングラード駅)に走っているあたり。

港の古い倉庫を改造して、商店にするのがどこの国でも流行っているようだが、ここでも運河沿いの倉庫が改造されて店のようになっている。

ところで、こんな街の中の運河を、いまでも使っているのだろうか… (ごみの運搬船を2隻、係留されているのをみかけただけ)

街の外と、パリの市街方向で、2段階に水位が調整されていて、それぞれ304mの水位差があるので、平坦そうに見える市街地も、結構な高低差あるようだ。

運河沿いに、下流(セーヌ川方向)へ歩いていくと、運河がカーブするあたりに「NORD HOTEL」というホテルじゃない、喫茶店が存在する。以前図書館で借りた、パリ在住の作家が書いた「パリの散歩道」という歴史散歩のコースにも、このあたりが入っていて、NORD HOTELは映画か何かの舞台になった場所らしい。

サンマルタン運河

ちょうどいい時間になったので、北駅へ向かう。列車が出る15分くらい前に駅に到着。まだ出発番線が表示されていないので、大量の客がプラットホームの端っこで溜まっている。

列車は定刻通り出発。25号車(と予約票にはかかれている)が、列車の表示は15号車と言うむちゃくちゃな番号のつけ方だったりするが、特に混乱無くだれもが乗りこんでいるところを見ると、フランス式のいい加減さに、だれもがあきらめているのだろう。(でも、列車の運行時刻だけは、ぴったり守っているのが不思議だが)

ブリュッセルまで、高速専用線のため、時速300kmでずっと走り続ける。日本の新幹線が、近隣の騒音苦情があるために、そこらじゅうで減速しているのとは対称的だ。ブリュッセル郊外のBRUXELLES MIDI駅で、列車の後ろ半分を切り離す。なぜかオランダ圏で、街の中心のBRUSSEL CENTRAAL駅は通過。社内放送は、オランダ語でも放送しているのに、オランダ語圏は完全に通過するようだ w

ブリュッセルの次に、リェージュに停車し、それからアーヘン、ケルンと停車する。リェージュより先は、在来線を走るため、時速100kmくらいののろのろ運転。

途中、ベルギー国内を走っているときは曇っていたが、ケルンに着く頃には、再び快晴。なにか、運が付いているようだ。

■ ケルン
駅を出て、大聖堂のよこのクリスマスマーケットを見に行くと、解体中。24日で終了したようだ。1日遅かったか…

で、次に、ケルンの夕方の景色の撮影のポイントに向かう。ケルン市街地と、ライン側を挟んで対岸のメッセ会場へ向かう。鉄道幹線が走っている鉄橋と、大聖堂が夕焼け方向に見えるベストポイントだ。

中央駅から1駅電車に乗って(橋の歩道部分を歩いても、15分くらい)、撮影ポイントに行くと、やはり何人かの写真マニアの人が、すでに三脚を立てて夕焼けがちょうどいい具合になるのを待っている。

なんといっても、珍しく快晴の夕焼けになっているから、今日は撮影にはうってつけの日のようだ。

ライン川に架かるホーエン・ツォレルン橋

ライン川に架かるホーエン・ツォレルン橋

まあ、この景色を見れただけでもよかったことにしよう。

今日は、ケルン メッセ会場横のユースホステルのシングルルームに宿泊。どいつだけあって、1泊40ユーロ(ツイン ルーム)。夕食は、中央駅内のタイ料理店で、焼きそばみたいなのを食べた。というより、クリスマスなので、そのメニューしか存在していなかった

ちなみに、現在の温度は、多分508℃くらいで、全然寒くない。

2008/12/24

12月24日パリ

12月24日(水曜日)
■ パリ

7時30分に起きたときに晴れていた空は、急速に曇ってきて、ユースホステルで朝食を食べて外に出かけるときには、冬のヨーロッパらしいドン寄りとした曇り空に変わっていた。

YHから最も近い駅は3号線のバノレ門駅(Port de Bagnoret)だが、パリの地下鉄の1駅の間隔がむちゃくちゃ近いため、203駅くらいなら歩いても苦にならない。ということで、朝の散歩がてら、ペール・ラ・シェーズ市営墓地を通って、その向うにある地下鉄駅へ向かう。墓地と言っても、ショパンとか、そういう名の通った著名人の墓がある、巨大な公園のようなところで、なぜか観光名所であったりする。

そういえば、オーストリアのウィーンには、モーツアルトが共同埋葬された墓場が観光地だとか…。 あまり日本で、墓場観光は聞かないですけどね。

墓場の横の駅から、(昨日購入した1日券で)地下鉄に乗り、先ほどYHの自販機で購入したルーブル美術館のチケットを持って、ルーブル美術館へゆく。(去年、ルーブル美術館に行こうとしたら、切符売り場の長蛇の列であきらめた経験より、あらかじめ切符を買っておくのが得策)

10年以上前にパリに始めて来たときには、それほど感じなかったが、地下鉄があまりにもお粗末な感じというか、ボロいというか…  車両が古いのか…(新しそうな車両には、製造年が1995年とか書いてある)、駅が古くさいのか…

まだ共産主義だったソ連や東ヨーロッパの国の地下鉄よりも、汚らしく見えるのはなぜだろう。

昨日まで滞在していたポルトの地下鉄が、あまりにも綺麗だったからだろうか。(あちらの地下鉄は、駅も車両も新品同様で、切符も完全にICカードのみに変わっていた。)

で、9時30分ごろにルーブル美術館に到着。今回は… 切符売り場にはあまり列ができていなかった。まあ、そういうこともあるだろう。

10年以上前に、モナリザを見たときには、長い建物にほかの絵と同じようにモナリザが展示されていたが、今はちょっと広めの別室のようなところに、厳重なガラスケースに収められて鎮座している。

このモナリザを含むイタリア絵画の部屋と、ドラクロワを含むフランス絵画の部屋、ミロのビーナスの部屋が最も混雑していたのは、以前と同じ。(4回くらいしか来たことがないけど)

今回は、団体客は日本人だけが非常に目立った。というか、団体できてるのは、日本人だけ…以前見かけた韓国人団体は、お国がぶっつぶれそうなだけに、自粛しているのだろうか

しかし、日本人団体客が、どこかの短大か大学の研究旅行(と言う名前だけの観光旅行)なのだろうか、完全に周囲からういている存在なんだけどねぇ。

ミロのビーナスを見つけて 「生ミロ」 とか言っているのを聞いて、アホかこいつらはと思った w

と、人間観察も、こういった著名な観光地では娯楽の一つなわけだが、

今回、ルーブル美術館で初めて訪れた部屋で、室内装飾品を集めた部屋と言うのがあったのを始めて知った。ナポレオンの王座の部屋とか、そういう部屋におかれていた調度品とかが飾られている。 観光客もほとんど来ない一角のため、のんびりと見てまわれるのもよいところだ。

昼ごろになったため、ルーブル美術館の横の地下鉄駅から、YHの近くのマレー地区まで電車に乗り、昼食を食べにゆく。下手に観光地でレストランに入ったら、少なくてまずい、ついでに高額な支払いをする必要性があるので、できれば下町の食堂を目指したいところだ。

と、結局、中華料理屋に入って、8ユーロで点心セットのようなものを食べた。(そういえば、大阪の梅田のヨドバシカメラの上にある点心食べ放題の店で、1時間1500円くらいだったかな…。それに比べれば、食べ放題じゃないのに8ユーロって、どうなのかなぁ。 アムステルダムで、中華食べ放題の店は、最近値上がりして9ユーロになっていた)

12時過ぎ、外が少しずつ晴れてきた。BBCの天気予報では、一応今日の天気は晴れのようだから、晴れてもらわなくては困る。せっかく晴れたんだから、晴れた景色で一番よさそうな、エッフェル塔に行くことにする。

ちょうど太陽が南から当たっているので、アンヴァリッドあたりから見れば、ちょうどよい角度になると思い、陸軍士官学校駅で地下鉄を下車。予想より、少し太陽の位置関係が違ったが、まあだいたい成功。雲がかなり早い速さで西に流れている。(普通は西から東に流れそうなものだけど…)

晴れてきたが、湿度が高く、遠くがかすんで見えている。こんな日でも、党の上に登ろうという人が長い列をつくっているのには驚く。

エッフェル塔の真下を通り過ぎて、セーヌ川横の遊歩道を、下流に向かって歩く。昔の水道橋で、現在はなぜか水道じゃなくて地下鉄が道路の上を走っている鉄橋を超えると、川の中州に遊歩道ができているところがある。ジョギングしている人が居たりするが、遊歩道に犬の糞が… 踏んでしまった。

パリはそこらじゅうに犬の糞があるので、なんでこんなに汚い街なんだろうと思う。というか、フランスのどこの街も、犬の糞だらけという印象がある。



中州の最下流まで行くと、自由の女神像がある。ちょうどそれを見に来ていたアメリカ人から、自由の女神が手に持っている本のページに、「アメリカの独立年と、フランスの革命年」が書かれていると教えてもらう。この女神は、アメリカのとうり二つのコピーなので、違うのは手に持っている本の文言だけなのだろうか。

陸にわたり、70系統のバスが来たので、行き先が「市役所」と書かれているため、とりあえず乗ってみる。市役所だから、リヨン駅近くの市役所まで行くはずである。と、しばらくうとうとと寝ていると、たくさんの人が乗降する地域に入り、適当に降りてみる。

通りに掲示されている地図では、おる背ー美術館の裏手あたり。アンヴァリッドまで行く。だんだん曇ってくる。ルーブル美術館のチケットが今日じゅうは有効なので、とりあえず閉館間際のルーブル美術館へ。(とりあえず、無料でトイレが利用できるという利点もある)

17時に閉館。そのまま凱旋門方向へ歩くと、コンコルド広場に巨大な観覧車がイルミネーションをつけて回っている。そこから凱旋門までのびるシャンゼリゼ通りも、観覧車と同じく、白いダイオードでイルミネーションされているが、

コンコルド広場の観覧車

「宣伝の割に、パリのイルミネーションが大したこと無い」という事実に気づくのに、そんなに時間はかからない。

とにかく、車が多すぎる。写真撮影しても、車のライトしか写らない wもう少しきれいだと、期待してたんだけどね…

神戸市の「ルミナリエ」の方が、多分きれいだ w

18時過ぎ、地下鉄に乗り、ユースホステル方面に戻る。途中のNation駅で乗り換えようと、地下鉄を待っていたら、やってくる地下鉄のすべてが車庫行き(回送)ばかり。周りの人に聞いてみると、クリスマスだから仕方ないとのこと。

イタリアでは24日は電車は動いていたが、フランスでまさか24日から列車が運休モードに入るとは思っていなかった。

2008/12/23

12月23日ポルト~パリ

12月23日
■ ポルト
ポルトは今日も快晴です。ただし、今日は移動日なので、まったく観光などはできませんけど…

8時にホテルをチェックアウトし、少し坂を登ったところにある地下鉄Marker駅から地下鉄に乗る。昨日買った1日券が、24時間有効なので、空港まで十分行くことができる。街の中心部の乗り換え駅で、空港行きのE銭の時刻表を見ると、1時間に3本しか運行していない。4つの線が同じ路線を走っていて、終点近くで分岐しているだけだから、食う子にしょっちゅう電車が行かなくてもいいのだろう。

たまたま、運よくすぐに列車が来て、30分ほどで空港に到着。何日か前にコインブラからサンチアゴ・デ・コンポステラまでバスに乗ったときに、この空港のバス停に停車していたのを思い出した。

Ryanair(格安航空)のチェックインカウンターは、珍しくターミナルの中にあった。普通は、格安専用の倉庫みたいなところが多いんだけど…クリスマス休暇で、家族連れ(ラテン系の国によくある、お年寄りから孫までの3世代家族連れ)がたくさん居る。まとめてチェックインしようとしているから、カウンターのお姉さんも、乗客の身分証明書と予約票を見比べるのに手間取って、やたら時間がかかっている。

子供も年寄りも、1人ずつ、強制的にチェックインさせた方がはるかに早いのに。

11時5分、飛行機はほぼ定刻通りに出発して、快晴のイベリア半島上空を通過してフランスへ。フランスに近づくと、やはり曇り。ドン寄りとした曇り空のボーべ(ブベという発音が近いのかも)空港に着陸。乗ってた時間は2時間だけど、時差があるので、到着時刻は午後2時。

■ パリ

格安航空しか利用していない、むちゃくちゃ小さい空港。ターミナルビルと言うのが存在せず、ターミナル小屋のようなプレハブの平屋建ての建物が1個あるだけ。滑走路も、誘導路とかなくて、飛行機が着陸したら180°ターンして、駐機場まで滑走路上を逆走してたりするし。

まあ、こんなくうこうだから、街までの交通機関は空港バスしかないわけで、13ユーロしても乗るしかない。パリまで、田園地帯を走る高速道路(A14)を爆走して、約1時間15分で、ラ・デファンスと凱旋門の間あたりに到着。

地下鉄の駅があったので、5.8ユーロで1日乗車券と、1.6ユーロの1回券を買う。1日券は、明日用。

シャンゼリゼ通りの延長線上にあるはずなので、とりあえず凱旋門方向と思われる方向に歩いてみると、10分ほどで階専門に到着。観光客がやはりたくさん来ている。

天気予報では曇りのはずだが、パリの上だけ雲が消えて晴れ間が出ている。明日も晴れてほしいけど、そうは行かないだろうな…気温も、10度くらいあるんじゃないかと言うくらいの暖かさ。

昼ご飯を食べていないことに気づき、たしかシャンゼリゼ通りにマクドナルドがあったことを思い出して、行ってみると、これまたすごい人ごみ。何で、あんな食べ物にたくさんの人が群がるのかねぇ。少し行ったところに、Quickという地元のハンバーガーチェーン店があったので、そっちに入る。バーガーのセットが6.8ユーロと、餌の割に高すぎる…やっぱり、まだ為替レート変だね。自動車会社や輸出産業に貢ぐために、ハンバーガー価格で比較しても円の価値は2倍くらいおかしい。1$=60円くらいでちょうどいいくらいじゃないかな。

もうすぐ夜景が見れる時間だけど、洗濯もしないといけないため、パリ市郊外のユースホステルを目指す。凱旋門の下の駅から、地下鉄2号線にひたすら乗って、終点近くで乗り換えて、切符でいける限界の1駅手前で降りる。1度来たことがあるので、暗くてもユースホステルへの道を間違えることは無い。

YHにチェックインする。1泊22ユーロ。ポルトガルやスペインでは、ホテルの部屋に泊まれる価格。

夕食(昼食から1時間しか経っていないが、1日3回の餌やりは義務である)を物色しに、1kmくらい南のマレー地区へ。ケバブ屋とか、バーガー屋とか、個人商店がいっぱいあって、バーガーのセットメニューでも4ユーロ程度と妥当な価格設定。観光客が来ない地区だと、こんなものなんだろう。目当ての中華料理屋発見。山盛りのご飯と、チンジャオロースーのような食べ物を巨大なタッパウエアに詰めてもらい、持ち帰る。

やっぱり日本人は米である… といっても、ポルトガルでもつけあわせに山盛りの蒸した米が出てくるんだけど。



明日は、夜景を撮影しに気合を入れて出かけることにする。 時間つぶしに、ルーブル美術館にでもいりびたっているという予定もありそうだし…

この日記を送るメールは、WIFIではなく、携帯電話網のGPRS接続を使って、フランスのインターネット網に乗り入れて送っています。1kb=2円くらいだったと思う。

2008/12/22

12月22日ポルト

12月22日(月曜日)
■ ポルト

ポルト滞在3日目。今日も快晴。最高気温は、天気予報では16℃と言っている。

2ちゃんねる「ニュース速報+」掲示板での日本のニュースでは、トヨタが1500億円の赤字になるといっている。℃この国も車が飽和して、必要以上に車に乗りまくっているから、売れなくなるのは当たり前なんじゃないかと思う。何年も前は、車が一種の文化的な満足感の商品だったけど、最近では市内交通が便利になり、マウンテンバイクなどで近隣を移動するのが一種の流行になっているので、そこに税金を投入して自動車会社を救うなんてどうかしてる。

ポルトガルもマウンテンバイクが流行しているようで、ポルトでも車道をえらく高速でマウンテンバイクで飛ばしている人が居る。昨日行ったブラガでも、自転車の人が多かったし。

今日は一日、ポルトの観光をする予定。まず、朝の光を受けているドン・ルイス橋の撮影へ。同じような考え方の人も居るようで、崖沿いの住宅の裏道などを、カメラを抱えて歩き回っている人が何人もいた。

ドウロ川に係留されているワイン輸送船(レプリカ)

そのまま川沿いのレストランやカフェが並んだ「観光河岸」を通り抜ける。観光の季節でないため、半分以上の店が開いていない。椅子やテーブルが積み上げられている状態になっている。その観光河岸から急な坂道が市街地中心方向に続いているわけだが、飼い犬じゃない、野良犬でもない犬が、わがもの顔に歩き回っている。大きな通りの信号のない横断歩道を堂々とわたるときは、車がちゃんと止まってくれたりもする。

ドウロ川沿いの街並み

旧市街(UNESCOの世界遺産で指定されている旧市街地区)の西のはずれの、サン・フランシスコ教会へ。まるでイタリアの教会を訪仏とさせる、ごてごてに装飾された内装。カトリック教会は、いかにきんきらきんにするかが、信者を集める手法なのだろうか。

教会のカタコンベも見学できる(3ユーロとっているのだから当たり前か)。1850年01870年の間の年号の入った墓ばかりだが、この間になにか大きな災害でもあったのだろうか。

教会の横がエンリケ航海王子広場で、彼の銅像が立っている。こちらの人には、バスコ・ダ・ガマより有名なのだろうか…教会と一体型になった建物が、名前がボルサ宮殿という巨大な建物になっている。宮殿と言うからには、王家の建物と思いきや、以前にあった証券取引所が災害で焼け落ちて、その後1800年代に建設された「商工会議所」の建物だそうだ。この商工会議所の建物を見学するのに、5ユーロも払う必要がある。(日本の商工会議所のように、殺風景なオフィスビルじゃなく、まるで宮殿のような内装)

王の肖像画の代わりに、商工会議所の歴代会長の肖像画が掲げられていたりする。

昼ご飯は、サン・ベント駅そばの地元の人向けの食堂で、今日のメニューを注文する。パスタに巨だな肉の物議理が入ったものが出てくる。

再び川をわたり、市街地の南側へ。川沿いにあるワイナリーが見学できるようになっているのだが、何社化あるうちどれにしようかと、河岸に立って眺めてみる。

CALEMというのが地元資本で、商工会議所の会長を何代も排出した名家。SANDEMANといのがイギリス系の会社で、ポルト最古と言うのが売り。ま、どっちにしようかと、バットマンみたいなロゴを使っているSANDEMANの方に入ってみる。(SANDEMANNだと思っていたが、さすがにイギリス系でその綴りはあり得ないし…)

商工会議所と同じく、ガイドツアー方式になっている。なんでも、バットマンみたいなロゴは、1820年ごろに考案されたもので、ポルトガルの大学生のローブをまとって、スペインのソンブレロ帽をかぶったシルエットになっているらしい。(この会社は、スペインでシェリー酒もつくっている) バットマンより100年以上古い歴史のようだ。でも、工場はそれほど広くなさそうなのだが、どれくらいの出荷量なのだろうか。製造量とか、醸造の技術的な話は一切なく、素人向けの商品案内みたいな感じの話だった。

夕食はホテルの近くの食堂で、チキンローストを食べる。明日、パリに移動するが、あちらで同様なものを食べると20ユーロとかするはずなので、ポルトガルの物価の安さに感謝である。

黄昏のドン・ルイス橋

明日は11時05分にポルト発のライアンエアー(格安航空)で、パリとリールの間のボーべという空港まで乗ることになる。パリの最高気温は4℃。最低気温は2℃らしい。ムチャクチャ寒そう…

2008/12/21

12月21日ポルト、ブラガ

12月21日(日曜日)
■ ポルト
市街地中心部から(地下鉄で)2、3駅離れたところの住宅街の中にあるペンションに泊まっているが、夜空に星座がくっきり見えるほど、空が暗い。街の方向を見ると、ぼやっと明るくなっているのがわかる。夜中は、窓をあけていてもものすごく静かだ。(実際には、最低気温が10℃くらいになるため、窓はあけて寝ないけど)

朝食を食べて(ポルトガルのホテルは、朝食が付く)、8時過ぎに外へ。ホテルの近くの地下鉄駅から地下鉄に乗る。昨日購入した1日券は、最初にバリでー諸んしてからキッカリ24時間使えるようで、今朝も改札機ではじかれることは無かった。

今日はポルトから50kmくらい離れた所にあるブラガに行こうと思い、ガイドブックに書かれたバス乗り場へ。ネットで調べた限りでは、9時発のバスがあるはずだが、日曜日は運休で、11時しかないという。 鉄道駅へ。昨日、駅の時刻表を見て、毎時45分にブラガ行きの近郊列車があることはわかっている。

駅へ向かう途中、大きな時計塔のあるグレゴリス教会の横に、小鳥を売っている露天が集中しているところがある。カナリヤとか、そういう小さい鳥がかごに入れられて売られているが、この国では鳥を飼うのが流行っているのだろうか。

その横には、CASA ORIENTE という昔ながらの看板を掲げた果物屋があるが、東洋の国の果物でもないようだが…昔、大航海時代には、東洋から輸入した香辛料類を売っていた名残なのだろう。ポルトガルが衰退してからは、オランダやイギリスの東インド会社が、コショウで儲けて、その後は麻織物で儲けたらしい。

で、駅へ。ブラガまでの切符は、2.15ユーロ。1時間ちょっと乗車して、たったの2ユーロ。オランダなら、アムステルダムからアイントホーフェンくらいの乗車時間だが、あちらは10ユーロ以上取るから、明らかにポルトガルの鉄道料金は安い。(スペインも同じように安い)ロンドンの地下鉄発乗り運賃が2ポンド(400円)に比べたら、安すぎる。(ロンドンがぼったくりすぎるわけだが…)

■ ブラガ

1時間15分かかってブラガに到着。11時ちょうど。ブラガからさらに5kmくらい離れた山にある、ボン・ジーザス・デ・モンテへ行くために、バスの時間をガイドブックで調べると、毎時10,40分の模様(ただし日曜は1時間に1本)。さて、本日は日曜日のため、10か40のどちらの時間なのか…  さすが、歩き方は雑な書き方だ。 (ロンプラは、バスの時間は書いていない)

直感で10分と断定。駅から1.5kmくらい離れた、バスの乗車場所まで、与えられた時間は10分。不動産広告で10分の歩行距離は800mなので、だいたい倍速で歩けば、バスの時間に間に合うはずだ。

ということで、駅から旧市街の中心へだらだらと登る坂道を、持続可能な速度で走ることとなった w

おまけに、気温が15℃以上で、マラソン日よりでもある。市バスの乗り場にバスが今にも出発しようとしている。出発間際に、バスに駆け込む。

バス料金、1.4ユーロ。高っ…。たった15分しか乗らないのに。

■ ボン・ジーザス・デ・モンテ
ポルトガルでのカトリックの聖地の、山のふもとに到着。ここまで乗車してくる客はほかには居ない。(帰りも同様)巡礼聖地といっても、いまや徒歩はもとより公共交通すら使わず、マイカーで教会の横に乗りつけて、お手軽に観光だけしていく客しか居ないのだろうか…

聖地の入り口から登っているのは、トレーニングウエアを着た陸上選手(階段の上り下りでトレーニングか)と、マウンテンバイクで悪路のトレーニングをしている、サイクリニストくらい。

日本なら、お遍路さんとかいって、歩いて巡礼している人も居るんだけどね。

ケーブルカーがあるが、観光客が居ない季節のため、運休(閉鎖)している。仕方なく、昔の巡礼者と同じく、林の中を延々と続く階段を登る。つづらおりの角ごとに、巨大な祠が建てられていて、小さな教会のようになっている。10分弱のぼると、今度は強烈な折り返しの会談の連続になる wwww

昔の巡礼者は、長距離を歩いてきて、この階段を見てどう思ったのだろうか。ほとんどいじめではないのだろうか。

結局、バス停のある入り口から、15分以上登り続けて、教会前に到着。(途中に写真撮影などした時間は除いて)

教会内では日曜礼拝中。10分ほど待って中を見学する。伝統ある巡礼教会の割に、案外さっぱりとした装飾だ。まあ、巡礼者にとっては、ここまで登った達成感だけで、教会なんてどうでもよかったのかもしれない…。 教会前から見るブラガ市街地方面の眺めは、かなりよい。

滞在時間1時間で、帰りのバスに乗る。

バスは、ブラガ市街地中心部の、レプブリカ広場に到着。(乗ったところとは全然違う場所)

■ ブラガ

広場の真ん中に、なぜかマクドナルドがある。ちょうど13時で昼ご飯を食べにマクドナルドに入る。ビッグマックセットが4.2ユーロと、欧州では安い部類に入る。ポテトではなくサラダを選択できるというのもこの国ならでは。でも、大衆食堂で昼食を食べるより、高いので、あまり魅力は無いけど…

帰りの電車の時間まで1時間30分程度時間があるので、市内の見どころを見て回る。

昔存在した城の塔があり、その横のポルティコで、捨て犬を救おう という趣旨でハンドメイド製品を売っている露天が集まっている。

どうみても、捨て犬(迷い犬)のラブラドール犬(首輪付き)がうろついていてかわいそうなんですけど… お題目はいいから、その犬助けてやれよ。

環境保護家で、自家用車に乗っているにもかかわらず、ごみの分別しましょうと説いて回っている馬鹿と同じレベルである w

大聖堂へ。こちらも日曜礼拝が終わった直後。内部は撮影禁止(と建て札がある)。歩き方の写真は、表示を無視して撮影したモラルのない写真なわけね。(昔は撮影OKだったのかも)

ボン・ジーザス・デ・モンテの巡礼教会より、はるかに手の込んだ内装の大聖堂だ。大聖堂と呼ばれるには、これくらいの装飾をしておかないと、失礼なのかもしれないけど。

市役所前の公園には、日本では11月中旬にすでに紅葉が終わって散ってしまっているカエデの木が、まだ真っ赤に紅葉している。日本より季節が1カ月以上遅いのか、それとも冬はそんなに寒くないのかのどちらかなのだろう。

14時30分の電車で、ポルトに戻る。

■ ポルト
15時45分、ポルト着。パティッセリアに入り、カウンターの上に積み上げられているなぞの食べ物を注文してみる。肉かと思いきや、天ぷらのようなパンを、ワインにつけこんでフライパンで焼いたものだ。ポルト名物なのだろうか。フライドチキンのサンドイッチらしきものを頼むと、ポークだという。豚肉の天ぷら… 。こちらの国は、豚肉が相当好きなのだろうか。

日暮れ時、ドウロ川に架かるドン・ルイス橋を写真撮影。太陽の方向が、実は日の出のときの方がよさそうだが、まあ、仕方ないだろう。

三脚を立てて撮影している人はだれも見かけないが、コンパクトカメラで、ふらふらと撮影している人がたくさん居る。それでは、きれいに撮影できないだろ…

最近のカメラは、夜景モードにすると、多分それなりに「味付けした」写真が撮影できるために、撮影できたと勘違いしている人が多いのかも。



19時、ホテルに戻る。ホテルの近くのMARKESという地下鉄駅で降りる。周りを観察すると、ショーウインドウで肉を焼いている大衆食堂発見。チキンローストの店のようで、1, 1/2, 1/4 という単位でメニューが書かれている。1/2を注文。3ユーロ。さらに山盛りのご飯(またはフライドポテト付き)。こういう大衆食堂は、住宅街ならではのものなのだろうか。あまり市街地中心部では見かけない。でっかい紙パックのワインを、コップ1杯あたり0.5ユーロ程度で飲めるという安さ…

2008/12/20

12月20日ビーゴ~ビアナ・ド・カステロ~ポルト

12月20日(土曜日)
■ ビーゴ
スペインで泊まったホテルで朝食が出た記憶がないが、今日泊まっているホテルでもやはり朝食は付いていない。 付いていたとしても、今日は7時過ぎにはチェックアウトするので、朝食がついていない方が好都合だ。昨日、ホテルの近くのパン屋(PANADELIA というらしい)で買ったフランスパンと、スーパーで買ったインスタントスープ(コイルヒーターを持ち歩いているので、湯は作れる)を部屋で食べてからチェックアウト。

ホテルから駅まで歩いて5分くらい。7時30分に駅に着き、切符売り場で切符を買う。国境の駅までしか発券出来ないということで、バレンサ(ポルトガル側の駅)までの切符3.9ユーロを買う。

ポルトガル行きの国際列車は、駅のプラットホームの先にある、つけた市のプラットホームから出発する。スペイン国内方面への列車が新型のきれいな車両が並んでいるのとは対象的に、ポルトガル行きは年期が入った2両編成の汽動車。

7時40分、発車ベルも何も無く、ディーゼルエンジンの轟音を立てて列車が出発する。乗客は10名も居ない。車内は暖房も入っておらず、底冷えがする。30分で国境の駅に到着し、そこからポルトガルへ。東の空が、うっすらと紫色になり、赤く染まって太陽が出てきた。ポルトガルに入ると時差で1時間戻るため、日の出は8時ごろだろうか。(スペインでは9時ということになる)。

国境を超えたあたりで、車内に回ってきた車掌からポルトガル側の切符を買う。3.2ユーロ。

ハムのように太った家族(おばあさんも、父母も、子供も、メタボを通り越した太り方)が途中の駅から乗車してきて、にぎやかに話している。8時10分過ぎに、ビアナ・ド・カステロに到着。下車する。

■ ビアナ・ド・カステロ
駅にはコインロッカーも、荷物預所も無い。ポルトガルやスペインの駅では、荷物預けの需要が無いのだろうか…

10kgを超えていると思われる荷物を背負って、町の観光に出かける。駅からまっすぐに南に5分くらい、誰一人歩いていない駅前大通りを歩くと、リマ川の岸辺に出る。右の方を見ると、大西洋との間を隔てる堤防が見える。列車の車窓から見た大西洋は、大きな波が打ち寄せていたが、堤防の内側はまったく波が無い状態。(そのための堤防なんだろうけど)

夏はリゾート地なんだろうけど、真冬にはほとんど観光客が居ないので、たくさんある商店は採算あっているのだろうか。地元の人らしき人が、少しだけ歩いているくらいだ。

小ぢんまりとまとまった旧市街は、ほかの都市の旧市街のように「汚いところ」がまったく無い、リゾート地のイメージそのままの感じのところだ。もう少し、店の種類がエスニックな感じになれば、ギリシアのどこかの島のリゾート地と間違えそうな感じだ。

2時間ほど町の中を歩き回り、駅に戻る。駅のトイレはカギがかかっていて、駅の事務初でカギを借りるようになっている。そんなにトイレでの犯罪が多いのだろうか… 監視カメラでもつけておいたらいいのに。

10時37分の快速列車に乗る。これも年期の入った車両。ポルトガル鉄道も、この路線に限っていえば、全然力を入れている気配が無い。

■ ポルト

12時10分、ポルトに到着。町の中心の駅ではなく、郊外のカンパンハ駅と言うところに到着。ネットで予約したホテルへ地下鉄で向かう。メトロと言う名前とは裏腹に、アントワープやデン・ハーグで走っているプリメトロ(地下を走っている路面電車)が走っている。電車の警笛も、オランダのトラムのように「鐘が鳴る」音だし…

住宅街の中にあるホテル(一応、三ツ星)は、飛び込みの客が来るような場所でないため、シーズンオフのこの時期に泊まっている人は少ない。(ビーゴで泊まったホテルも、シーズンオフでもあるため、ほとんど泊り客が居なかった)

道に面した3階の部屋になったが、どうも建物自体(別棟)にほかの泊り客が居ないようだ。前の道路も住宅街なのでほとんど車が通らず、静かな夜を過ごせそうだ。

荷物をホテルにおいて外へ。とりあえず、歩いて旧市街まで下ってみる。多分、数キロメートルの距離だと思われる。坂道をどんどん下って行くと、地下鉄の乗り換え駅やバスターミナルのあるトリンダーデ地区を通り過ぎ、市役所や町の中心の広場がある地区に出る。大通りにはクリスマスシーズン専用のスケートリンクなどがつくられている。特設ステージでは子供のコーラスとか、催し物をやっている。

大通りに面してマクドナルドがあり、ポルトガルの他の都市のこの手の店と同じく、殺人的に混雑している…坐るところすら見つけるのがむつかしいマクドナルドに入るよりは、定食屋(昼だけやっているレストラン)に入る。マクドナルドのビッグマックセットと同じ価格で、ローストチキンのセット目にゅイーが食べられたりする。

どうしてマクドナルドがあんなに人気なのか… ポルトガル人の価値観がよくわからない。

目抜き通りを越えると、旧市街へ。大聖堂は正面部分が工事中で、シートがかけられている。こちらの教会は、モザイクタイルとか、フレスコ画ではなく、タイルに青い色で絵を書いて焼き付けたものが、壁一面に張られている。そういえば、昼食を食べたレストランの真向かいの、鉄道駅のコンコースもタイル画で埋め尽くされていた。タイル画を「アズレージョ」というらしい。

ドウロ川に架かるドン・ルイス橋

旧市街からさらに南へ。峡谷に架かる鉄橋(ドン・ルイス1世橋)を写真撮影するために、橋をわたって対岸まで行く。橋は2段式で、上の段は地下鉄(トラム?)と歩道のみ。川すれすれの下の段は自動車と歩道。この上下段の高さの差が、並みたいていではない。雑誌とかで掲載されている観光局の宣伝写真は、殿あたりから撮影しているのだろうか…

個人所有の建物内でないと、撮影できない角度なんだけど…

2008/12/19

12月19日サンチャゴ~ア・コルーニャ~ビーゴ

12月19日(金曜日)
■ サンチアゴ・デ・コンポステーラ

天気予報は、毎日晴れのはずだが、昨日は曇っていて、今日は快晴。せっかく巡礼地のサンチアゴ・デ・コンポステーラに来た日くらい晴れてくれたらいいのに…と思ってみても、限られた旅行日程をずらしてまで、ここで写真撮影するために粘るわけにも行かないし。

7時50分にホテルをチェックアウトして、駅に向かう。新市街中心部のホテルなので、駅まで歩いて5分と、荷物を持って移動するには好都合な位置にある。

昨日、予約ができなかった列車は、座席指定ができない種類のローカル列車のようで、切符はCIV企画の巨大なものではなく、スーパーのレシートのようなぺらぺらの紙のもの渡される。コンコースからプラットホームへ出る扉のところで、RENFE(鉄道会社)のカレンダーを配布している。日本なら「鉄っちゃん」が行列して一般人にはわたらないから、こういう販売促進活動はしないけど、こちらでは(購入したら500円以上するような)カレンダーを無料配布している。

8時30分に、ア・コルーニャ行きの列車に乗車。通勤列車の時間帯なわけだが、ローカル列車でも一駅向うが45分先と言う設定では、だれも通勤には使えそうにない。よって、電車内はガラガラ状態。コルーニャ付近では、新しい路線をつくる工事をしているようで、徐行して走って結局15分くらい遅れてコルーニャに到着。9時30分、やっと太陽が登って、あたりが明るくなる。

■ ア・コルーニャ

さて、大分街外れに着いたようだが、GoogleMapで現在地を表示させようとしても、前日に取り込んだ地図のキャッシュ範囲にも含まれていない。(あと数百メートルの位置まで、地図を取り込んでいたのだが)「歩き方」のイメージスキャンファイルで、コルーニャのページを見てみると、市街地中心部の地図だけが掲載されていて、地図の端っこに矢印をつけて「駅へ」と書かれているだけ。

ツアー客専用になり下がったガイドブックは役立たないね…

駅前にバスが走っていたが、どれに載ればよいかさっぱりわからない。駅にコインロッカーなどがないため、10kgの荷物を背負って、坂道のアップダウンの激しい道を3kmほど、街の中心へ向けて歩く。

途中に郵便局(中央郵便局らしい建物)があったので、絵はがき(年賀状)を出す。1枚0.75ユーロ。切手と言うものが無いようで、窓口にはがきを出したら、あとは向うで処理しておいてくれるようだ。確か、ポルトガルも切手が廃止されて、シールのようなものを張り付けるシステムになっていた。

街の中心部にやってきた。海沿いの道にそって、バルコニーが全面ガラス張りの建物が並んでいる。ガイドブックによれば、この景色が有名らしい。そんなに珍しい景色かなぁ… どこかの国で見たことあるような雰囲気なんだけど。

伝統的な建物の市役所には、遠足の幼稚園児の団体が見学に来ている。冬休み(クリスマス休み)直前の日に、遠足ってあるものなのかねぇ。

中央市場の中を横切って、スペイン広場(単なる交差点)からバスに載って、駅へ戻る。バスで、「ESTACION RENFE」と言ったところ、「ESTACION」だけでよいような雰囲気だった。駅に着いて、入り口の門の上に掲示されている駅名をよく見ると。「A CORUNA ALIS」と書かれている。RENFEではなく、ALIS?駅に停車している車両には、すべてRENFEの社名が入っているんだけど…(最近各国の市バスを買収しているARRIVAならわからなくはないけど)

11時50分の列車で、ビーゴへ向かう。サンチアゴ・デ・コンポステーラまで戻るコースをたどり、そこからポルトガル方面へ向かい、国境の手前の大都市がビーゴ。サンチアゴ・デ・コンポステーラからは列車が満員になる。珍しいことだと思ったが、今日は帰省ラッシュの初日と言うことを、夕方のニュースで見て知った。

■ ビーゴ

13時、ビーゴ着。駅を出ると、駅前の建物に「HOTEL」とか「HOSTAL」とかの看板が出ている建物が大量にある。車が大渋滞していて、夜まで騒音がうるさそうなので、新市街へ少し歩いてホテルを探すこととする。駅から5分くらい、新市街の坂道を登って(百貨店のEL CORTE INGRESの手前)にホテルを見つけて入ってみる。1泊29ユーロで、WIFIインターネット無料と言うことで、そこに決めることとする。以前なら、もっと歩いて探し回る気力があったが、最近は寄る年波を…

駅へ戻り、あすの切符を買おうと窓口は。またしても、予約できないから、あす出直して来いということとなる。列車の発射時刻は7時40分。ネットで調べた結果と同じだ。

旧市街へ観光へ。この街も、絵落差化の多い街で、ホテルを出て旧市街まで、ひたすら下り坂。どんどん下って行って、グランビアを直角に横切って、さらに行くと歩行者天国になり、その先に旧市街の中心の広場がある。

旧市街中心の広場の北側に、港にできた新しいショッピングセンターとの間に、小ぢんまりと「いわゆる旧市街」がある。ガイドブック曰く、「ビーゴには観光地は無い」というのがわかるような気がする。

LonelyPlanetでは、旧市街の教会が12世紀のものと言うことで見る価値があると書いてあり、歩き方とLonelyPlanerの双方が市街地の最も高くなったところにある城の跡地が見どころだと書かれている。

旧市街の教会は扉がしまっていたので、丘の上の城の跡地に行くことにする。バスとかなさそうなので、またしても徒歩で、むちゃくちゃ急な坂道を登る。とはいっても、マルセイユの街の丘の上にあるマリア教会へ登る坂道に比べれば、はっきり言って大したこと無い坂道だ。

丘の上は公園になっていて、城の壁だけが残骸として残っている。よって、入場料もとられずに見てまわれる。丘の上からは海(湾)が一望できるが、大西洋は大分遠いようで、大西洋を直接見ることはできない。

丘を降りて、スペイン広場を通り(どこの街にもスペイン広場となの着く広場がある)、エクアドル通りとか、メキシコ通りとか安易につけられた新市街の通りを横切って、旧市街へ。

2008/12/18

12月18日サンチャゴ

12月18日(木曜日)
■ サンチアゴ・デ・コンポステーラ

朝起きて外を見ると、快晴。今日も天気がよさそうだ。ホテルでは朝食が出ない(近所のバーへ行けということらしい)ので、昨日パティセリで買ったドーナツと、スーパーで仕入れたヨーグルトとコンソメスープを部屋で食べる。

明日の切符を買うために、RENFE駅へ向かう。9ごろなのだが、まだあたりがうっすらと明るくなったくらい。イギリスより西にあって、ドイツなどと同じ等時帯を使っていることが、日の出の時間が極端に遅い理由なのだろう。地元の人は慣れているから、特に問題にはならないのだろうけど。

駅の時刻表を眺めて、あすの予定を立てる。(インターネットの www.bahn.de では、なぜかスペインの時刻表が検索できない。何かコツでもあるのだろうか…)サンチアゴからいったん北上して、コルーナへ行き、2時間くらい観光してから、明後日のポルトガル行きの列車が出るビーゴまで、明日中に行くこととする。窓口で切符を注文すると、コルーナからビーゴへの切符は発行できるが、サンチアゴからコルーナへの切符は2時間前まで発行できないそうだ。(つまりは、予約できないということか)まるで、ルーマニアの長距離列車みたいなシステムだな…。

コルーナ→ビーゴの切符(19ユーロ)のみ購入してから、旧市街へ向かう。北の空から雲が近づいてくる。晴れと曇りの間は、一直線となっている。おそらく、寒冷前線か何かなのだろう。

旧市街に足を踏み入れるころには、すでに空一面が雲で覆われ、北から冷たい風が吹いてくる。天気予報では、今日は晴れのはずだったが…雨が晴れになるくらいだから、まあ、逆向きの天気の変化もありうるということなのだろう。所詮、天気予報なんて、星占いと同じく、あてものの域を出ないんだし

複雑に入り組んで、狭い路地が妙な角度で交差する旧市街は、観光客向けの店などが建ち並んでいる。入り組んだ路地と言えば、アラブ世界のメディナ(旧市街)も同じく有名だが、あちらは日用品を売っているので、同じ観光するならアラブのメディナの方が見どころが多い。(レストランとか、ファッションが好きな人は、西欧の旧市街の方がいいかもね)

9時過ぎなので、ほとんどすべての店が、まだ開いていない。商品を運び込む車が、本当なら歩行者天国になる道をひっきりなしに走っている。

狭い路地を通り抜けると、いきなり大きな広場にぶつかり、目の前に大聖堂の塔が見える。エルサレム、バチカンと並ぶキリスト教世界の3大聖地のうちの一つが、この街の大聖堂だが、案外小ぢんまりとしている。

大聖堂

大聖堂の中に入ってみる。入場料はとられない。(珍しいことだ)ロマネスク様式で、ほとんど窓がなく、内部は本当は薄暗いはずだ。まもなくミサが始まるということで、照明が灯されている。

せっかく巡礼地に来たので、10時開始のミサの最初の部分に参加する。スペイン語はわからないので、もちろん、司教がどういう内容の説教をしているのか、さっぱりわからない。

大聖堂の回廊が美術館になっていて、祖の部分のみ入場料が必要。5ユーロ払って、博物館を見る。この手の大聖堂の博物館と言えば、金・銀細工のきらびやかな装飾品や食器が大量に展示されているわけだが、どうしたわけか、この大聖堂ではタペストリーが主な展示物。(ゴヤが制作したタペストリーも展示されていた)聖遺物の展示も無いが、「聖人の骨」は、おそらく無料で入ることのできたクリプトの銀の棺の中に入っているのだろう。

本当に12使徒のうちの一人の、サンチアゴの骨が、あの銀の棺の中に入っているのだろうか。盗まれるといけないから、銀行の金庫に預けているんじゃなかろうな。

12時ごろ、一瞬だけ晴れてくる。たった30分の晴天だけど、その間に写真撮影を行う。

結局、今日はこの30分だけ、写真撮影ができた。

昼食は、旧市街と新市街の間にある、バーガーキングへ。なぜかコーヒーや紅茶と言う「温かい飲み物」が一切売っていない。既存のカフェの顧客を奪わないため、何らかの談合でもあるのだろうか。

昼ごろを中心に風が強く、結構冷え込んできたが、夕方になると、雲も薄くなり(それでも晴れてはいない)、気温も少し上がってきたようだ。テレビの天気予報では、あすの天気は晴れらしい。

大聖堂の夜景

2008/12/17

12月17日コインブラ~サンチャゴ

12月17日(水曜日)
■ コインブラ

今朝は霧ではなく、空の半分くらいにうっすらと雲がかかっている。先週の週間予報では、イベリア半島はずっと雨か曇りばかりだったのが、最近の天気予報では、ずっと晴れに変わっている。ただし、きょうだけは小雨が降るという予想だったはずだが、それも外れて晴れてきそうな雰囲気だ。

9時にホテルをチックアウトして、荷物を預かってもらう。支払いにクレジットカードを使っているが、もう少しで支払い端末に差し込んだまま忘れてきそうになった…

スペインへ向かうバスの出発時間が12時15分なので、それまで旧市街を部らついて時間をつぶすことにする。丘の上に大学があるので、学生が急な坂道(階段)を登って通学している。私も、大学が山の傾斜地にあったので、電車の駅から相当急な坂道を登ったが、毎日登っているとそのうちなれてくるから不思議なものだ。観光客で行くと、相当坂道がきつく感じるけど…  これが真夏だったら、悪夢ですね。

一昨日から、旧市街周辺を何度も歩いているが、本当に宿泊するところが少ない街だ。高級ホテルは見える範囲では存在せず(多分、郊外にある)、鉄道駅付近に何軒かホテルがあるだけ。私が宿泊しているComfort Innが最も近代的で高級そうなんだが…(でも、1泊40ユーロだし)

11時50分ごろに、バスターミナルへ行く。バスの発車は12時15分だが、切符を買うときに15分前に来ておいた方がよいという、ありがたい忠告をもらった。そのわけは、バスが定刻の5分前に出発したからだと、跡から分かった。日本の場合、バスは遅く来るものだが、この国では早く来て、はやめに出発してもOKのようだ。

何年か前に、リスボンからスペインのマラガまで乗った時と同じバス会社(Intercentro)のバスがやってきた。車体の横には、「国際定期バス」とポルトガル語でペイントされているが、バスの正面の電光掲示には「不定期運航」と出ている。どっちなんだ…

リスボン発のバスには、10人くらいの乗客がすでに乗車していたが、コインブラから2名乗車し、ポルトから3名くらい乗車し、スペインとの国境近くのブラガから1名乗車してきただけで、結局満員になることはなかった。

コインブラを出て、15分くらいのところにあるドライブインで昼食休憩30分。14:30ごろポルトのバス会社のオフィス前(バスターミナルじゃない!)、16:30ごろに国境を超えて、だんだん空が曇ってくる。17:00ごろビーゴ、18:15ごろにサンチアゴ・コンポステーラ到着。スペインは1時間の時差があるので19:15。(ばすは、さらにコルーニャまで行くようだ)定刻の30分前に到着している。

■ サンチアゴ・デ・コンポステーラ

すでにあたりが真っ暗になり、少し寂れたバスターミナルから外に出ると、市ガスが1台待っている。行き先表示には、なぞの地名が書かれているため、インターネットで予約したホテルまで、3kmほど歩いていくこととする。

昨日、ホテルの無線LANでネット接続しているときに、この街の地図をGoogleMapのキャッシュに入れておいたものを表示する。GPSといGoogleMapがないと、とてもじゃないけど、街外れのバスターミナルから、旧市街付近の、ぐにゃぐにゃ曲がった道を通り抜け、新市街中心部のホテルまでたどり着けそうにない。

夜の20時でも、たくさんの人でにぎわっているのは、スペインやポルトガルならではの風景だ。これが、オランダやドイツなら、市街地中心部でさえ閑散としてしまう時間帯なので、旅行者にとってはにぎわっているのはありがたい。さらに今の季節は、クリスマスイルミネーションが旧市街の主な通りに取り付けられているので、より華やかになっている。

ホテルにチェックインして、観光をする気にもなれず、ホテルのすぐ前にあるスーパー(便利な場所にある!)や、角を一つ曲がったところにあるパティセリでサンドイッチを購入して、部屋でのんびりと夕食。

2008/12/16

12月16日コインブラ

12月16日(火曜日)
■ コインブラ

朝7時に外を見ると、すごい霧が出ている。1kmも離れていない旧市街の丘にある大学の建物が完全に雲の中に隠れている。コインブラの横を流れるモンデゴ川を霧が流れてきているのだろう。

朝食を食べて、8時45分に外へ。Lonely Planetに書かれている「コニンブリカ行きバス停」がホテルの近くなので、そこに向かう。(歩き方には駅前から出ると書かれているが、どっちか選択しろと言われれば、日本人の書いたのは信用ができないので…)

コニンブリカへのバスは、9時、9時30分と夕方の3本しかない。遺跡の2km手前のコンデイシャ村までなら、30分に1本の割合でバスが走っているが、初めて行く場所なら直行バスが楽だろう。

外は意外に寒く、5℃以下になっている感じがする。10分くらい遅れてやってきたバスは、途中の小さな村で客を乗降させながら、さらに遅れが増していくようだ (笑

案の定、すべての乗客はコンデイシャ村で降りてしまい、そこから5分間掛かる終点の遺跡前まで乗っているのは私だけ。そりゃ、1日に3本しか直通していないのも分かる気がする。

■ コニンブリカ

乗車時間40分、遺跡が開く10時ぎりぎりに到着。他に客がだれも居ないので、余裕の一番乗りである。朝方出ていた霧は、ほとんどどこかに吹き飛ばされてしまい、遺跡の横の谷間にうっすらと雲か霧が漂っているくらいだ。

遺跡の入り口に、小さな掲示板が地面に刺してあり、「このような新しい説明板を取り付けるため、古いのを取り外しています。ご迷惑かけます」と言うふうに書かれている。ご迷惑どころか、遺跡のどこにも説明板が存在せず、何を見ているのかさっぱりわからない。アゴラ、円形劇場、公共浴場、トイレ跡程度なら見た感じで分かるが、祖の他のものはなんのこっちゃら…



イタリアやギリシアなら、新しい掲示板と、以前からある石板に書かれた建物名称の二つがあるから、どちらかが失われていてもOKな場合が多いが、ここはどちらも存在せず、ご迷惑どころの話じゃないだろ(笑

イベリア半島最大のローマ遺跡といううたい文句だが、さすがにローマ帝国も西の端っこには、それほど力を入れて街をつくらなかったのか、それとも破壊しつくされて、めぼしい建物が残らなかったのか。

ドイツのケルンとか、イギリスのカーライルにローマ遺跡を見にいったときは、もっと破壊されつくした、単なる石の残骸を丁寧に保管されている博物館に行くよりは、このコニンブリカのほうがキッチリと建物の基礎が残っていて見る価値はあるんだけど、どうして地中海沿岸国に期待するものが大きすぎて、がっかり度が高くなるんでしょうね

遺跡に1時間ほど滞在してから、歩いてコンデイシャ村へ向かう。(コニンブリカにバスが来るのは13時のため

先ほど来るときに、コンデイシャの村の中心のバス停で、GoogleMapの地点を「お気に入り登録」しておいたため、少しも道に迷うことなく村の中心まで到着。小さい村ながら、5階建てくらいの新しいマンション群が建ち並んでいる。コインブラのベッドタウン化しているのだろうか。

12:05発のバスに乗り、コインブラに戻る。

■ コインブラ

昼食は、ホテルから市役所に向かう途中あたりにある、ムチャクチャはやっているバーに行く。ステーキとか卵焼きなどをパンに挟んで売っていて、ビールやワインなどとともに立ち食いするカウンターがある店だ。

ステーキサンドイッチが1.2ユーロと破格に安い。

昼からは旧市街の丘をぶらぶら歩く(登り降りする…)。新大聖堂、旧大聖堂の両方ともが無料で入場できる。(旧大聖堂の回廊だけが1.5ユーロ徴収)観光向けに整備されていないので、両方とも巨大なロマネスク様式の大聖堂という感じだ。

日本を出発するときに確認した天気予報では、今週はずっと雨の予定だった。それが、だんだんと天気のよい方に変わって来て、明日 水曜日だけが小雨の可能性となっている。このまま晴れてくれれば…

コインブラ大学

明日は正午出発の国際バスに乗り、スペインのサンチアゴ・デ・コンポステラに向かう予定。

2008/12/15

12月15日リスボン~コインブラ

12月15日(月曜日)
■ リスボン

早朝に雨が降って、起きたときにはすでに快晴になっていた。日の出と日没の感覚は、日本とほぼ同じ。オランダやドイツなどのように、冬の日の出が極端に遅いということはないので、感覚的には結構楽だ。

(昼ご飯が食べれるかどうか不明なため)ホテルで朝食を少し多めに詰め込んで、9時少し前にチェックアウト。国立病院とか陸軍駐屯地などがある地区の坂を下ってゆき、地下鉄Anjos駅へ。 昨日購入した1日券(ICカード)に新しい切符を書き込めるか試してみたが、だめなようだ。(券売機が対応していない)回数券なら書き込めるようなので、もったいないことだ。

10年くらい前の万博会場跡につくられた、オリエンテ駅へ。何年か前に、この駅の近くの芸術大学構内にあるユースホステルに宿泊しので、ある程度周辺の土地感はある。列車の出発時間まで30分程度余裕があるので、川沿いに出ることにする。昨日、食事を買いに行った巨大なショッピングモール(バスコ・ダ・ガマ センター)を抜けて、外に出ると見事な快晴。もう少し時間があれば、川に架かっている斜長橋を見に行くところだが、海沿いのテラスの芸術的オブジェを鑑賞するだけにする。

駅に戻ると、私が乗るはずの特急列車(アルファ)が到着するはずのプラットホームには、1本前のローカル列車の案内表示が出たまま。ローカル列車が10分ほど遅れて出発してゆき、特急は出発予定自国の1分くらい前にやってきた。

イタリアの少し古いタイプの高速列車と同じもので、お隣のスペインがTGVタイプの列車を走らせていることに対する競争心でもあるのだろうか…

私の乗った車両は定員の半分くらいの客しか乗っておらず、当日券を購入しても十分だと思った。リスボンを出て少ししてから時速230kmくらいで走ったかと思うと、その後はひたすら時速140km程度ののんびり運転。在来線を無理やり走っているから、駅で減速するわ、カーブで減速するわの繰り返し。

■ コインブラ

コインブラまで1時間45分のところ、15分くらい遅れて到着…ポルトガルの看板列車がこれだから、まだまだスペインに追いつけそうにないね(笑

コインブラで下車しようと、座席からデッキへ向かうと、デッキ横の荷物棚に巨大なスーツケースを格納している中年夫婦がスーツケースを取り出すのに死闘している。列車が駅に到着してからもひたすらスーツケースのハンドリングに必死… 他の乗客が降りれないんですけど(笑

仕方なく、車両反対側の出口へ。すでに乗客が乗り込んできており、人をかき分けてやっとのことで下車。直後に発車ベルがなり、ドアがロックされる。

例のスーツケース夫婦はとうとう降りてこず、列車とともに去っていった。旅行とは、いつ銃弾が飛んできても、すべての荷物を抱えて50m10秒以内で走りぬけるだけの… は私の心構えだが、少なくとも、列車を降りるときに歩みを止めてスーツケースを引きずり出さなければならないくらいの荷物を持ってくるなんて、アホの極みである。 アホ夫婦の後ろで降りるのを待っていた何人かはどうなったんだろうか…

プラットホームでGPS受信機を作動させて、GoogleMapで現在地を表示すると、コインブラAという郊外の駅のようだ。駅員に聞くと、街の中心までシャトル列車があるようである。特急が遅れたので、シャトル列車も律義に待ってくれていた。

街の中心のコインブラB駅(終点)で降りて、Google Mapのルート検索でホテルまで順調にたどり着く。最近は、ガイドブックも見なくなったなぁ…便利な時代になったのか、情緒が無くなったのかはわからないけどね。

今日は珍しく、Comfort Innというチェーン店に泊まる。ネットで旅行出発2日前に予約したが、ディスカウントされて、ツインの部屋が1泊40ユーロ。この街のホテルでネット予約できるところが、星無しのところでも35ユーロが下限値なので、安いといえるのではないだろうか。(今回のポルトガルとスペインで泊まるホテルがすべて25ユーロかそれ以下なので、破格に高いといえばそれまでなのだが…)

荷物を置いて、まず、明後日乗るバスのチケットを買うためにバスターミナルへ。1kmくらい歩いてバスターミナルへゆき、チケット売り場へ行くと、(シェスタの時間だから?)14時に出直して来いといわれる。最近、共産主義の中国でもこんな対応ないぞ (w

モンデゴ川から望む旧市街の丘

ホテル付近を通り過ぎて旧市街へ向かう。この街の最大の観光地である、旧市街の丘の上の大学へ。なんでも、ポルトガルで最も古い大学だそうで、13世紀の創立だそうだ。

どうりで、東京大学本郷キャンパスより新しい、20年以内に建設された新しいビルばかり建ち並んでいると…(笑20万冊の「国王が買い集めた古い本」が格納されている図書館が有名だそうで、入場料をちゃんと払って見学するようになっている。アイルランドのダブリンにある大学図書館と同じような感じだ。

見学場所じゃない、大学の中も勝手に入っていける場所もあり、見学するにはうってつけの場所なのかもしれないが、セキュリティ上どうなんだろう…最近の大学は、磁気カードやICカードでロックされたドアが建物の入り口や扉についていたりするところが多いので、こういう昔ながらのオープンなところは親しみやすいとはいえる。(私が大学生のときは、もちろん、磁気カードなんて導入されていなかった)

大学から旧市街の目抜き通りに降りてくると、古い門の前で大学生のオーケストラのコンサートをやっている。クリスマスの時期に、クリスマスソングじゃない曲を…

17時ごろにバスターミナルへ行き、切符を買う。サンチアゴ・デ・コンポステラまで38ユーロ。所要時間は多分10時間?

再び旧市街に戻り、市役所と一体型になった修道院にくっついているレストランへ。修道院がやっているのではないようだけども…魚のグリルを頼む。1匹丸ごと出てきて、6ユーロとは格安だ。レストランの名前が、MANGAとなっていたので、日本の漫画と関係があるのかと思えば、レストランに併設されている古い噴水(由緒正しい噴水)の名前がMANGAらしい。メニューとともに、解説パンフレットをもらった。



18時、日が沈んで暗くなったので、旧市街の夜景を見に行く。リスボンより小ぢんまりとまとまっていて、こちらの方がのんびりと見てまわれる。昔は電球の飾りつけが多かったけども、最近はどこでも流行で白や青のLEDが多くなっている。青ばかりになると雰囲気悪いから、何とかしてほしいけど…この街の電飾は、ちょうどよい具合に白と青の割合を減らしているように感じた。

2008/12/14

12月14日アムステルダム~リスボン、シントラ

12月13日(土曜日)
■ アムステルダム

オランダの冬としてはそれほど寒い気温ではないのだろうけど、久しぶりに日本から行くと寒く感じる。16時過ぎの気温が2℃。BBCの予報では最高気温は、おそらく2℃くらい、最低気温は0℃くらい。 空港から出て、アムステルダム郊外の乗り換え駅(Amsterdam Sloteldijk station) で駅の外に出てみると、水たまりがスケートリンクのように凍りついている。1年ぶりに旧市街中心のダム広場(王宮前広場)のクリスマスツリーを見にゆく。 かなり大きなクリスマスツリーが、今年は例年とは違い、白のダイオードが加わっていて、雪が積もった雰囲気を出している。 大阪の梅田のスカイビルでやっているドイツ・クリスマスマーケットのツリーの謳い文句が「世界最大のツリー」だが、どうみても、アムステルダムのツリーの方がでかいのですけど…

王宮前の巨大クリスマスツリー

手袋をせずに写真撮影していたら、だんだん手の感覚が無くなってきて、シャッターが押せない…。 もしかして、凍傷になりかけ?

欧州全体はもとより、オランダも思いっきりバブルが崩壊して、ユーロは暴落し、大不況のはずが、目抜き通りにはたくさんの人が歩いている。クリスマスショッピングする人居るんだよな… そういえば、アメリカもクリスマス商戦の始まりは昨年度より売上が上がったとか。 人間の心理ってわからないですよね。

アムステルダムで4時間ほど過ごしてから、20時50分の飛行機でポルトガルのリスボンへ。23時着。BBCの予報でも、欧州気象台の予報でも、大雨の雰囲気だったのだが、着陸する飛行機からははっきりとリスボンの街並み(夜景)が見える。機長のアナウンスも「曇り」。飛行機を降りて、外を見てみると、地面が濡れているのを除けば、満月が出て晴れている。予報は外れたか…

■ リスボン

空港から、ネットで予約した新市街中心部付近のホテルへ。タクシーに乗って、プリントアウトした予約伝票を見せると、そのホテルを知っているらしく、「Centroは25ユーロ」という答えが帰ってくる。 メーター使わないのかよ…

タクシーは、GoogleMapの最短距離検索で調べた経路通りに走り、20分弱でホテルの前に到着。20分で3000円とは、日本並みに高いな。給与水準が日本より若干低いポルトガルでは、これをぼったくりと言うのではなかろうか。 ホテルの付近で、他のタクシーと客がもめている。 もめているおっちゃんも、同じホテルに泊まるらしく、私の後についてやってきた。 彼も、25ユーロ程度請求されて、ぼったくりではないかと食って掛かっていたようだ。 ドイツ人(彼はドイツ人)にとっても高いと感じる料金って…

12月14日(日曜日)
■ リスボン

夜中は、たまに雨が降って、まどのそとでピチャピチャ音がしていた。朝7時、外を見ると快晴。 夜のうちに雨が通り過ぎてくれたか… と期待したのだが、今日は嵐のような雨が定期的に通過するのを経験することになる。

9時、外へ。しばらく晴れていたが、15分ほどしてどこからともなく雲がやってきて、滝のような雨。空を見ると、雲がものすごい速さで流れている。

近くの地下鉄駅(ポンパル侯爵広場)へ。定期的にやってくる雲が通り過ぎる間に、駅で市内交通の1日乗車券を購入。4.2ユーロ。券面に何も印刷せず、裏側にも磁性体が塗られていない変な券。光にすかしてみると、ICカードの特徴のアンテナコイルが見える。 日本の切符より少し厚めの紙で、ICを封入しているとは、なかなか技術が進化しているものだ。なにより、付加料金無でICカードを導入できているのも奇跡に近い。 フィリップスのMIFARE非接触ICタグって、10円とか、5円とか、そういうレベルで作れるような物なのだろうか…

新市街の目抜き通りのリベルターデ通りを旧市街へ向けて下ってゆく。大通りなのに車が全然走っていない。通り沿いには警官がちらほら立っている。マラソン選手のようなトレーニングウエアを着た人が道をジョギングしていたり…  もしあして、マラソン大会かな。 旧市街にぶつかり、大通りが途切れるところにある広場までくると、マラソンゲート(風船で出来た門)がある。やはりマラソンをやるようである。ちょうど、午前中の学生の競歩選手権が始まろうとしているところだった。

リスボンは数年前に来たことがあるので、今日は郊外の歴史都市のシントラへ向かうこととする。ガイドブック(Lonely Planet)では工事中で閉鎖されていると書かれている、ロッシオ駅は、改装が終わって営業を開始している。切符を買う。シントラまで2.2ユーロ。 地下鉄と同じデザインのICカードが出て来る。

■ シントラ

電車は40分でシントラ駅に到着。うん悪く雲がたくさん出てきて、日差しがほとんどなくなる。旧市街の王宮に入る。今日は、なぜか入場券が無料のようである。0ユーロと書かれた切符を受け取り、館内へ。シェーンブルン宮殿や、ベルサイユ宮殿を小ぢんまりさせたような雰囲気の宮殿。ふと外に目をやると、滝のような雨が降っている。お目の日は王宮観光(室内)に限りますね…

王宮を出て、旧市街のすぐ横の山の頂上にある城塞へ向かう。天気は再び快晴だが、道路を登ってゆくとだんだん強風になってくる。途中からは人間1人がやっと通れるレベルの山道になり、途中でゆき方を聞いた地元のおっちゃんの予言である45分程度の所要時間を要した。

城塞入り口を入ると、切符を見せろといわれるが、ツアー客じゃないからそういうものは事前に持っているわけではない。城塞の中には2組のカップルが居るだけで、他にはだれも居なかった。それもそのはず、城壁の上や塔の上では、人間が吹き飛ばされかねない強風が吹いている。

城壁の上のでこぼこ(弓矢を射る人が覗くところ?)から、カメラを構えては見るが、すごい風圧で、手元が揺れる℃ころではない。

城砦から見たシントラ

雨が再びやってくる前にシントラ駅へ急ぐ。明日、ポルトガル中部のコインブラへ向かう切符を仕入れるため、シントラからリスボン・オリエンテ駅まで直接行くこととする。途中で乗り換え駅を間違え、20分ロス。

■ リスボン

夕方、旧市街へ。夜景は以前撮影しているので、今回は雰囲気を見に来た。旧市街メインストリートの電飾のデザインが少し変わっているが、それほど変化したようには見えない。旧市街の南端が海と接するところに、コメルシオ広場がある。おっちゃん約1名が、三脚を立ててタイミングを見計らっている。私に「5秒か?」と聞いてくるので、1/13秒と答えると、ISO200ではないなといぶかられる。 三脚持ってないんだから、1/5なんて無理。