2010/10/08

10月8日 パリ ~ アムステルダム

2010年10月8日(金曜日)
パリ ~ アムステルダム

■ パリ

今日で旅行は終わり、アムステルダム行きの飛行機に乗る。7時、ユースホステルで朝食を食べ、7時20分に地下鉄ポルテ・バニョレ駅より地下鉄に乗る。朝の通勤ラッシュがぎりぎり始まる時間帯で、北駅でRERのB線に乗り換えるときには、乗客で大混雑状態。

北駅で、乗り換えのための案内表示が、かなり自己満足的に多数付けているだけで、余計に迷うような糞仕様なのはどうにかならないものなのか。RER-B線のシャルル・ド・ゴール空港行きは、空港の1駅手前で殆ど全ての乗客が降りてしまう。EXPO CONVENTION CENTREとか言う名前のところだが、こんな何も無い林の中のようなところにオフィスとかあるんだろうかね。

空港着8時45分。今回は国内線のため、ターミナル2Fへ。(国際線の出発ターミナルよりは)案外すいている。とはいっても、チェックインカウンターも、セキュリティも人員数を極限まで絞っているようで、長蛇の列ができているのには変わらんが。サーチャージとか言って、セキュリティ用の料金取ってるんだから、もう少し人員増やして欲しいものだ。(その代わり、空港は最低限のバラック建物で、イスラエル方式で全員裸になれで結構だ)


飛行機から見たライン川河口の東スヘルデ防潮堤


うす曇(霧?)だったパリを飛び立った飛行機は、ベルギーとオランダ南部だけ少しだけ雲が切れて地上が見えた。ライン川河口に作られている堤防や水門が見える。スキポール空港に到着。やっぱり曇ってる。気温もパリより5℃近く下がる14℃だという。結構肌寒い。


ということで、旅行日記終了。



ユースホステルのベッドでノートパソコン使用中



Kindleであらゆる場所でネット接続

2010/10/07

10月7日 パリ、シャルトル

2010年10月7日(木曜日)
パリ、シャルトル

■ パリ

7時、ユースホステルで朝食。ハムやチーズがあるのに、フォークが無いとは…。スプーンですくって食えってか (笑

7時30分過ぎ、ユースホステル前の自転車基地(ベリブ)で自転車を借りて、モンパルナス駅へ向けて出発。今回も、30分以内で借りて・返してを繰り返して料金が発生しないことを目指す。

ユースホステル前(ポルテ・バニョレ)→ ナシオン広場

広場の真ん中にある像が、朝日を受けている。地平線の所だけ晴れているようで、パリ上空の雲が真っ赤に照らされている。日の出って、8時ごろだったっけ…


ナシオン広場のマリアンヌ像の向こうから日が昇る


ナシオン → バスチーユ

案外近いと思っていたが、結構遠い。幹線道路なのに、道も狭くて、荒い運転の車にはねられそうになるような感じ。ぽつぽつと雨が降ってくるが、すぐにやんだ。

バスチーユ → (セーヌ川をシュリー橋で越える)→ サン・ジャック通り坂の下

モンパルナスの丘といわれるので、やっぱり相当な坂。サン・ジャック通りの坂(工事中でバス専用レーンが無い!)を延々と登る。

サン・ジャック通りの坂の下 → サン・プラシデ駅

ルクセンブルク公園の脇の道を抜けて、モンパルナスタワーが見えてきたので自転車を返して歩く。結局、モンパルナスタワーの下にもベリブの自転車基地があったので、そこまで乗って行ったらよかったと、後で後悔。

9時33分発のシャルトル行きRERに乗る。駅の案内表示には、18番プラットホームから出発するとだけ表示されているが、プラットホームには前後に2本の列車が入っている。ホームに、"プラットホームの先端の列車が出発する = partie train restant en gare"とフランス語だけで書かれているが、まあ、外国人がそんなに乗らない路線だから問題ないんだろうね。

列車は、半分くらいの席が埋まった状態で出発。1駅目の停車駅が、ベルサイユ・シャンティェ駅。ベルサイユ宮殿の近くの駅なんだろう。そこから先は、住宅地と農村が交互に続くような地域を走り、約1時間でシャルトル駅に到着。パリより天気は悪く、どんよりと曇っている。

■ シャルトル

とりあえず、駅のプラットホームから見えるシャルトル大聖堂(ノートルダム大聖堂)を目指す。駅から大聖堂までは、殆ど人を見かけないが、大聖堂の前に来ると、やはり団体観光客が居るね。大聖堂は正面が修復工事中で、バラ窓のところが工事用シートで覆われている。まあ、残念なことだが、こういうことはよくあることだ。

大聖堂の中へ。とりわけ暗く、あんまりよく見えない。外が曇っているため、窓からあまり光が入ってこないからこんな状態なのだろうか。(午後、晴れた状態でもやっぱり暗かった…) 中の雰囲気は、フランスのほかの大きな教会と、そんなに違わない感じだ。


ノートルダム大聖堂(シャルトル大聖堂)
正面が補修工事中のため、この写真は側面の景色


外へ出て、大聖堂の内陣外側の方へ行ってみる。内陣からさらに外に張り出した部分があって、廊下で結ばれている。独特の形状だ。裏側は公園になっていて、そこから町の北側が眺められるようになっている。すぐ下の公園は、不思議な幾何学模様を芝生で描いている。


ウール川沿いの景色


幾何学模様の公園を通り抜けて、町の北側へ降りてみる。普通の住宅街といった雰囲気で、ウール川が流れている。川沿いにドイツ風の木組み骨格の建物があり、川床ならぬ川にテラス席を作っている。この辺りまで観光客が来るのだろうか…、それとも地元の人向けか。大聖堂の丘をぐるっと東向きに迂回していくと、繁華街になっている。"朝市"と書かれたやねのある大きなスペースがあるが、今日は一軒も店が出ていない。そんなに大きな町じゃないので、決まった日にしか市が立たないのだろう。


植木のカエデも紅葉(旧市街中心部にて)


町の中心部をほぼ一周する形で、繁華街を抜けて中央広場へ出てきた。マクドナルドがあったので、昼食。

食事を終わって外に出てみると、雲が薄くなって、弱く太陽の光が差してきている。もしかして、しばらく待てば晴れてくるかも。南のほうに青空の部分が見えている。天気予報では、パリ辺りでは南から北へ雲が流れているというようなことを言っていたので、期待して待ってみる。


マルソー広場


帰りの列車の時刻が12時57分の予定だったが、Kindleでインターネットに接続して時刻表検索したら、13時25分、14時35分と列車があることが分かる。とりあえず、青空にならないと写真の出来がいまいちなので、晴れてくるのを待ってみることにする。

13時39分ごろ、待望の青空。うす曇ではあるが…

昼を過ぎると、大聖堂の周りには大量の観光客。学生の団体も居てにぎわっている。なるべく人間が写真に写らないように撮影するのは至難の業だ。ついでに、今朝回ってきた所も、一通り写真を撮りなおして駅へ戻る。

13時35分発の列車に乗り、パリに戻る。

■ パリ

モンパルナス駅前で自転車を借りて、坂を下り、ルクセンブルク公園へ。どうも、公園内は自転車で走ったらダメらしく、警官に注意される。さらに坂を下り、ルーブル宮殿へ。結構天気がよいので、写真でも撮ろうと自転車を返すところを探すが、無いんだな…

ベリブ(貸し自転車)は地元の人向けのもののようで、観光地の付近に(取り立てて)自転車基地を設けていない。ルーブル宮殿近くには、本当に返すところが見つからない。

ぐるぐるとその辺りを回って、バンドーム広場の近くに空いている自転車基地を発見。ルーブル宮殿からは結構離れてしまったが…


ルーブル宮殿と紅葉



ルーブル宮殿のガラスのピラミッド


16時ごろ、いつもならガラスのピラミッドのところで行列している観光客の列の長さが短い。遅い時間だからなのかなぁ。今回は、中には入らずに、そのまま宮殿の中庭を抜けてレ・アレの横にあるサン・ユスターシュ聖堂へ。聖堂の横にある公園は、商業施設を拡充するためか、大規模に工事している。円形のボールス・ドゥ・コマルシェという建物の横では、屋外でテレビ番組の撮影をしている。テレビに出るくらい有名なところなのか…


ユスターシュ聖堂


ふたたび自転車を借りて、レピュブリク広場へ。そこから3系統のメトロに乗りユースホステルに戻る。

2010/10/06

10月6日 リヨン ~ パリ

2010年10月6日(水曜日)
リヨン ~ パリ

■ リヨン

出発する日になって、完璧な快晴。昨日がこういう天気だったら…。 昨日、パン屋で買ったフランスパンと、リンゴ、ヨーグルト、紅茶などを部屋で食べてからチェックアウト。

ホテルのすぐ横のサン・アンドレ教会の前にある停留所より、トラム1系統に乗ってリヨン パール・デュ駅へ。通勤時間帯なのに、(メトロほどには)混んでいない。リヨン駅は相変わらずの大混雑だ。駅のコンコースにこれほどの人が溜まってしまうというのは、駅構造のミスなのか、それとも欧州独特なことなのか… 。利用客が世界的に見ても飛びぬけて多いJR新宿駅や大阪の梅田駅でも、駅の中に人がたまることなく流れているので、これほど混んでいるようには見えないんだけどね。

9時ちょうど発のTGVに乗りパリへ。ICEのE-Ticketは、買ったときのクレジットカードの提示を求められるが、TGVのE-Ticketは写真付き身分証明書(EU市民カードとか、パスポートとか)の提示を求められる。インターネット購入での切符はパリまで25ユーロ。昨日のディジョンまでと同じ価格。まあ、半額くらいにディスカウントされてるんだろうね。

リヨンを出ると、晴れの地域を1時間くらい走り、だんだん曇ってきて、霧になって、そして雨が降りそうな曇り空へと移り変わってゆく。雲は北西から南東へ流れているので、ほぼ1日分の天気を早送りしたような感じだろう。

■ パリ

11時、パリ リヨン駅に到着。2階建てのTGVはトイレが水が流れないという、あまり整備状況がよくないものだった。


パリ リヨン駅に到着


今回の旅行も、これで終了。明日、シャルトルへ大聖堂を見に行く小旅行が終われば、オランダ行きの飛行機に乗る予定だ。

リヨン駅の地下にあるメトロ駅へ向かう前に、駅構内の観光案内所へ。お昼休み(まだ11時なのにえらく早いな…)なので、扉の前にパンフレットや地図がスタンドに入れて並べてある。地図を1部失敬。案内要らんから、普段から地図だけ置いてくれていれば私は満足だ。

メトロ駅へ。自販機で1区の券10枚セットを買う(12ユーロ)。リヨンでも、ここでも、クレジットカードが使えるのがありがたい。地下鉄を乗り継ぎ、20区(すでにパリ郊外)のポルト・バニョレ駅へ。今晩泊まるのはユースホステル(パリ ダルタニアン)。何度も泊まった事があるが、今回は駅を出たところの大通りが大規模に工事中なのには驚いた。トラムを建設中だと看板には書かれている。それで、空港行きのバスが、外周道路の向こう側に左遷させられているのか…。

ユースホステルに行きチェックイン。フロントのお姉さんは、なぜか私にドイツ語で話したくなるらしく、"なんでだろう"と言って笑っていた。15時までは部屋には上がれないので、地下のロッカーに荷物を預ける(2ユーロ)。ここのユースホステルの中にはレストランもあって、昼も夜も、営業している。昼食(5.35ユーロ)を食べる。ここで食べれると分かっていたから、リヨン駅のマクドナルドで昼食を食べてこなかった。

外へ。特に行きたいところとか、まだ行っていない所とか、あまり思いつかないので、ユースホステルの前にあるレンタル自転車(ベリブ)を借りて、中心部を目指す。基本料金が1日1ユーロで、30分以内に返すと料金は無料。つまり、30分未満で、次々とレンタル自転車の基地を経由して、返して・借りてを繰り返せば、1日1ユーロで乗り放題となるはず。

パリの人も、大抵は30分以内しか利用していないみたいなので、まあ、抜け道的な使い方ではないのだと思う。


まだ珍しい自転車専用道(セーヌ川沿い)


あんまりパリの隅々まで道を知っているわけじゃないので、たまに道を間違えるが…

ユースホステル前(ポルテ・バニョレ)→ アレクサンドル・デュマ駅

通りには露天の食品市場が開いている。アレクサンドル・デュマといえば、三銃士を書いた作者で、今日泊まっているのはその登場人物のダルタニアン。別にその関連性でここに来たわけじゃないけど。

アレクサンドル・デュマ駅 → ナシオン広場

雨がぽつぽつと降り出す

ナシオン広場 → プロムナード・プランテ (リヨン駅の北辺り)

よく映画やドラマの舞台になるだけあって、お洒落な遊歩道。


国鉄の廃線高架を利用したプロムナード・プランテ


プロムナード・プランテ → オーステリッツ橋

ここの自転車基地で、ロシア人のお姉さん2人に、ベリブの使い方を聞かれた。やっぱり、旅行者には分からないかなぁ…

オーステリッツ橋 → (セーヌ川沿い自転車専用道)→ ノートルダム大聖堂

台湾のテレビドラマか映画の撮影を、広場でやっていた。怖いくらい、濃い化粧。まるでパンダだわ (笑


台湾のテレビドラマ収録風景(ノートルダム大聖堂前で)



ノートルダム大聖堂の聖母子像


ノートルダム大聖堂 → グランパレ

本当はルーブル宮殿辺りで返したかった(ちょうど30分ぎりぎり)だったのだが、チュイリー駅の自転車基地のスタンドが全部埋まっていたので、返せなかった。ということで、ここで30分を数分間オーバーしてしまう。

シャンゼリゼ通りの紅葉はかなりきれいになってきている。あと数日で散ってしまうかも。雨も降ってきたことだし、コンコルド広場駅からメトロに乗り、ユースホステルに戻る。


シャンゼリゼ通りの紅葉(コンコルド広場近く)


夕食も、もちろんユースホステルの食堂で。5.35ユーロのメニューで十分満足できる。外のレストランでは、10ユーロ出してもこれだけのものは食べれないからね。

2010/10/05

10月5日 リヨン、ディジョン

2010年10月5日(火曜日)
リヨン、ディジョン

■ リヨン

昨日、パン屋で買っておいたフランスパン(1本0.8ユーロ)と、ハンガリーで買った紅茶で朝食。外は曇り。7時30分過ぎにホテルを出て、近くにあるメトロの駅へ。切符は1枚1.6ユーロと、まあ平均的な価格。通勤時間帯のため、電車は混雑している。パール・デュ駅で降りて国鉄の駅へ。


リヨンのメトロ(地下鉄)


駅構内の自販機で、ディジョンまでの往復切符を買う。およそ200kmをTERしか利用しないのに55.2ユーロと結構値段が高い。メトロの駅構内も、国鉄駅も、やたら警察官が目立つ。テロ予告があったため、警戒しているのだろうか。それとも普段からこの街はこんな感じなんだろうか。

8時23分のディジョン行きTERに乗車。そんなに乗客が居ないのに、グルノーブル発の列車は、8両編成くらいでやって来た。ディジョンまで2時間ちょっとの乗車。Kindleでネットに接続して、日本のニュース掲示板などを読む。 多くの人から「怪しい」と思われている闇の支配者が強制起訴されたニュースとか、いまだに日本の沿岸警備隊の船に突撃攻撃してきた中国工作船の事件ビデオが公表されていないとか、円高阻止とか言って全く各国政府との協調行動ができていないとか、まあ、日本も"一度やらせてみよう党"に代わってからますますあれですよね(元から期待してないけど…)。ちなみに、こちらフランスのパリでもデモが起こって、どうも国鉄がストップしているというニュースをやっています。例のロマ強制帰国とか、アラブ系の取り締まり強化とか、人権団体が騒いでるのかな。(フランスの2割くらいがイスラム教になってしまったとか、街を歩く人の何割かが、いわゆる"フランス人"じゃないとか、外国人の私の目から見てもおかしいもんね。結婚式で"祖国"の国旗を振り回して車で街の中を走っている姿とか、外国人は、国籍を与えようとも、その思考回路や所属意識は所詮外国人ですよ。第二次大戦前のドイツのように、血統で国籍を決めるとかが妥当だとつくづく思う。)

ちなみにKindleネット接続機能は、列車の時刻表をリアルタイムで調べられるというのもあって、昨日話した台湾系米国人の女性も帰国したら"必ず買う"と言っていた。どうも、現在はNookのユーザらしい…。

列車はほぼ北向きに走っていくが、だんだんと空模様が怪しくなり、ディジョンに着く手前でとうとう雨が降り出してきた。北へ行くほど雨のようだ。天気予報では、南の地中海沿岸では晴れているということなので、南のオランジュとかに行った方がよかったかな…。

■ ディジョン

10時25分、ディジョン駅に到着。駅にはTGVも停車している。パリからストラスブールへ行く路線の途中駅なのだろうか。

小雨の中、駅を出て、とりあえず正面の道をまっすぐ行くと小ぶりな凱旋門に突き当たる。ギヨーム門というらしい。その凱旋門から少し南へ行くと13世紀に建てられたというディジョン大聖堂がある。しかし、この街は細い道まで車が猛スピードで走ってきて怖いね…。ちょっと道を横断するにも、はねられる可能性がある。

大聖堂は、2ユーロ払うと地下のクリプトに入場できる。二重の円柱で囲まれた円形のクリプトは、聖人の棺や墓がたくさんあるわけでもなく、礼拝堂というところだろうか。国によっては、床一面に墓石が埋め込まれていたりする場合もあり、ちょっと気持ち悪いところではある。

リベルト通りを街の中心方向へ。沿道の建物に、まるでドイツのような木組みの骨格を表面に浮き出している建物がある。19世紀にプロセイン領に一時なっていたことから、こういう建物が造られたのだろうか…。ドイツとの国境線がまだ遠いのに、ちょっと意外だった。


リベルト通り沿いの(ドイツ風)木組みの建物


商店などが密集した街の中心部を過ぎてさらに行くと、宮殿(ブルゴーニュ公爵宮殿:市役所と美術館が半分ずつ入っている)やオペラ座があり、突き当りにはサン・ミッシェル教会がある。
宮殿の北側には、ノートルダム教会もあり、中心部は巨大な教会だらけという感じだ。あまりに教会が多すぎるのか、たまたま通りかかったところだけでも、2箇所の教会が劇場(正面にTEATROと看板が出ていた)に改修されていた。

ノートルダム教会は正面にガーゴイルが無数に出ていて、雨樋というより、表面の装飾としてガーゴイルを貼り付けているとしか見えない。こんなそこらじゅうから水が噴出したら、教会に入ってくる人もどこを通ったら濡れずに済むか考えるだけでも大変そうだ。


ノートルダム教会:正面ファサードに大量に取り付けられているガーゴイル


駅へ戻る途中、中央市場があったので入ってみる。もちろん、野菜屋や肉屋が主体なんだけれども、ディジョン名物といわれるマスタードの専門店もあった。ためしに、オーソドックスなマスタードの小さい瓶を二つほど買ってみた。(1個2.5ユーロ)


さまざまな色のマスタードが売られている


リベルト通りのマクドナルドで昼食を食べ、駅に着くとちょうどリヨン行き(グルノーブル行き)の列車が出る寸前のよいタイミングだった。列車は13時25分出発。2時間ちょっとでリヨン パール・デュ駅に到着。

■ リヨン

ディジョンよりはましな天気だが、それでも曇っている。ほんのわずかに青空の部分も見えてはいるのだが…

市内交通の2時間券を買って、旧市街へ行く。ガリア・ローマ博物館へ。紀元前より、ここにはローマ帝国の都市があって、その発掘品が展示されている。現在も存在しているローマ劇場だけでなく、フルヴィエール大聖堂のある位置には、大規模なローマ神殿があったようだ。東欧などでオスマン・トルコに占領された国では、教会がモスクに改装されたとか結構聞く話しだが、キリスト教も古代ギリシア・ローマ神殿を完璧にぶっ潰して、その上に全く違った形の教会を建ててるんだから、どっちもどっちじゃないかなぁ。

ローマ劇場は、現在でも屋外ステージとして使えるように、客席がコンクリートで完璧に改修されてしまっていて、往時のローマ劇場を偲ばせるようなものはあまり無いと思う。


ローマ劇場

2010/10/04

10月4日 カルカソンヌ ~ リヨン

2010年10月4日(月曜日)
カルカソンヌ ~ リヨン

■ カルカソンヌ

ユースホステルの朝食は7時30分から。(英語を話しているのでおそらく英国からの)女子高校生の団体客用に席があらかじめ割り付けられていて、その他の宿泊者は空いているところでという感じだった。同じテーブルで食べたカナダ人男性は、(熱心なキリスト教信者じゃないけど)コンポステーラを目指して1日に20kmずつ歩いている途中らしい。台湾系米国人の女性は、欧州をぐるっとひと回りする勢いで旅行しているようだ。


城砦の二重の城壁(右側が内側の壁、左側の塔が外側の壁)


朝食後、列車に乗る時間(12時)までの間、城砦の写真を撮りに出かける。ユースの入り口で、ちょうど同室だったスウェーデン人のサイクリストが出発するところだったので、どれくらい走っているのか聞いてみたら、びっくりした。アテネからアテネへのツアー(200日間)の途中らしく、アテネを出てバルカン半島、東欧、スカンジナビアを回って、(なぜか)米国も縦横段して、再び飛行機で欧州に戻ってきてアテネまで戻る途中ということだ。順風ならば1日に150~200kmくらい、逆風なら100km未満走るそうで、途中でアテネマラソン、ロンドンマラソン、ニューヨークマラソンにも出場したとのこと。参加者は数千人レベルらしい。すごいねぇ。

今日の天気予報は、明らかに「雨」なのだが、なぜか晴れ渡っている。低気圧がフランスのど真ん中にあるが、そこから伸びる雲の腕の隙間の快晴の領域に入っているらしい。運がいいというか…。 でも、すごい強風。


フランスのど真ん中に低気圧が…(テレビの天気予報番組)


昨日は夕日での撮影だったので、城砦の外周壁の西側(旧市街側)が照らされていたが、今日は外周壁の東側(郊外側)が照らされている。運良く両方とも撮影できた。

しかし、二重~三重の外周壁は高くがっしりと作られていて、さすがにローマ帝国以来名高い城塞都市だけはあると思う。

入場料8.5ユーロ払って城に入ってみる。欧州によくある、いわゆる宮殿的な城じゃなく、城壁の中にある部屋に入れるという程度だが、城壁の上を歩くことができて、そこが8.5ユーロの価値があるのだろう。とはいっても、旧市街(鉄道駅のある方向)方向の眺めは、城壁の上でも、下でも、(城砦の丘の高度がそれなりにあるので)それほど変わらないと感じるのは私だけじゃないはずだ。


城の入り口の橋。この中に入るのに8.5ユーロ必要


11時少し前、ユースホステルに預けていた荷物を持って、門の外にあるバス停へ。ツアー客の観光バスが止まって、大量の"欧米のジジババ"が吐き出されてくるが、バスを待つ人は皆無。1時間に1本でも、観光客のために温情で走らせているという程度なのだろう。1.2ユーロ運転手に払って、ジャン・ジャレス(旧市街のところ)まで乗る。最後まで乗ると、どうも駅の前まで行くらしい。旧市街を少しだけ歩いてから、駅へ。旧市街は観光客も少なくて、すっきりしている。

駅の手前のミディ運河を渡る辺りで、空を見上げると、巨大な積乱雲が見える。たぶん、列車はあの雲の方向へ行くはずだ。

12時9分、ニーム行きTER(急行列車)に乗る。朝食のとき同じテーブルで食べた台湾系米国人の人と会ったので、列車の中でお互いの写真を見せあいながら、私はモンペリエで下車、彼女は多分ニームまで(ニームでアヴィニヨン行きに乗り換え)乗るはずだ。

列車は晴れの地域と土砂降りの雨の地域を次々と通過していく。今朝、カルカソンヌが晴れていたのも、偶然で、運が悪ければ大雨だった可能性もあったわけだ。

13時45分、モンペリエでジュネーブ行きTGVに乗り換える。切符はTERとあわせて40ユーロ。TGVがピーク時間帯で(ネットで買っても)高かった。アヴィニヨン(には停車しないが)のあたりから、専用軌道に入って、時速300kmで走るようになる。名実ともにTGVの価値があるというものだ。専用軌道に入った辺りからは、まっすぐパリに向かって北上していくので、ちょうど雨雲の南北の列のど真ん中を走る感じになる。つまり、ずっと土砂降りの雨の中を走っている。


モンペリエでTGVに乗り換え


列車内のアナウンスで、"今日は特別に税関の検査がある"と、フランス語があまり分からない私にもそういう風に聞こえた。しばらくして、モンペリエでプラットホームの先頭車両付近に居たラブラドール犬を連れた税関職員が、車両を巡回始めた。犬が、通路を行ったりきたりして、何かを探している。テレビニュースでやっているように、ある会だのテロ予告があったようで、TGVが吹っ飛ばされないかチェック強化しているのだろう。

スペインのAVEのように、乗る前に、駅で荷物検査しろよ…

■ リヨン

15時50分、リヨン・パール・デュ駅に到着。乗客の半分以上がここで降りるようだ。外は大雨。ネットで予約した(イスラム街の)ホテルへは、トラム1系統が行くので、駅前のトラム停留所へ。雨が降っているからか、トラムは大混雑。サン・アンドレ停留所で降りる。目の前には教会(たぶん、サン・アンドレ教会?)がある。土砂降りの雨をやり過ごすため、停留所のすぐ前の野菜屋の軒先で少しだけ雨宿り。

サン・アンドレ教会の裏手にあるホテルは1泊40ユーロ。これだけの大都市で、40ユーロでシャワー、トイレ、衛星テレビ付きの改装されたばかりの部屋に泊まれるのは安いだろうと思う。(ちなみに、ユースホステルは1泊25ユーロほどで、旧市街の丘の上にある。)

トラムの通りは、中近東料理・ケバブ屋、インド料理店、中国料理店などフランス以外系の人たちのための店が密集している雰囲気だ。まず、観光客が来るような場所じゃないのだろう。ホテルから歩いて数分以内に、これだけの飯屋の選択肢と、コインランドリーから各種スーパーまであるとは至れり尽くせりだ (笑


トラム1号線 サン・アンドレ停留所近く (雨がやんだ直後)

2010/10/03

10月3日 トゥールーズ~カルカソンヌ

2010年10月3日(日曜日)
トゥールーズ ~ カルカソンヌ

■ トゥールーズ

昨日と同じく、駅のQuickで朝食。今日は1.95ユーロのクロワッサンとコーヒーのセットにする。外は快晴。珍しく天気がよいが、ものすごい強風。昨日ガラクタ市をやっていたサン・セルナン聖堂へ行ってみると、今日はさらにスケールアップしてガラクタ市と日用品の露天が、聖堂を二重、三重に取り巻いている。売るほうも、買う方もフランス"人種"ではない、中近東や北アフリカ系統の人が目立っている。古着が1ユーロとか、箱にも入らず、タグも付いていない靴が山積み状態で売っているのとか、どうみてもアフリカの民族衣装とか、もう北アフリカのバザールに来たような感じだ。

それとは全く対照的なのが、市庁舎広場で、こちらは昨日存在していたイベントのテントが全て撤去されて、朝市も出ていないすっきりした状態になっている。


市庁舎広場のパンの移動販売店


10時すぎにホテルをチェックアウト。(朝食無し)2泊で91ユーロほど。1泊で45ユーロというのは、まあ、この国では妥当な範囲だろう。

駅へ。10時40分にTGVが、10時44分にTEOZがモンペリエ方面へ出発するが、カルカソンヌまでの所要時間はどちらも40分ほど。今回はTEOZのほうに乗る。切符は昨日自販機でかったのだが、10ユーロとTGVよりは安かった。

トゥールーズを出ると、しばらくミディ運河と併走し、そのうち平原の中を走るようになる。だんだん雲が多くなり、それも低いところを早く流れる雲が多くなる。相当風がきついのと、スペインとの国境のピレネー山脈も近いことだし、高度も高いのだろう。

完全に曇ってきた。11時30分、カルカソンヌ到着。マルセイユ行きだが、かなりの乗客が降りる模様。

■ カルカソンヌ

駅を出て、ミディ運河に架かる橋を渡ると、旧市街の端に出る。バス停があったので、時刻表を見てみると、11時57分、13時57分にシテ・メディイーバル(城砦のことで、今日泊まるユースホステルがある)行きのバスがあるようだ。ただし、時刻表には、月~金・土&休暇というのしかなく、日曜に走っているのかどうか不明。

バス停の前のマクドナルドで昼食を買い、食べながら待つが、バスは一向に来ない。日曜は、バスも休みなのか… 観光地なのに、そりゃ無いでしょう。

仕方なく、旧市街の横の丘の上にあるシテ(城砦)を目指す。旧市街の中心をまっすぐ横切って歩く。沿道の店は、全て休み。さすが日曜日というか、旧市街は観光地じゃないんでしょうね。ガンベッタ広場に出ると、目の前にオード川に架かる橋が見える。広場は自動車の展示販売会場になっているようで、値札をつけた新車がずらっと並んでいる。フランスでは、あまり日本車は見かけないが、ここではトヨタの車も何台か売っていた。

オード側の橋を渡る。遥か向こうにシテの城砦が見える。川の上は吹き飛ばされそうなくらいの強風が北から吹いている。空はものすごい速さで雲が流れているが、とにかく曇り。

橋を渡って、少し南にいくとシテのふもとの村のようなところがあって、小さな教会(サン・ジュール教会)がある。ここから急な坂道となって、5分ほど登ると城砦の門に到着。城砦の中は観光客でいっぱいで、店も結構開いているようだ。といっても、観光客向けのみやげ物ややら、レストランの類ばかりだが…。


城砦のナルボンヌ門(旧市街と反対側にある)


ネットで予約しておいたユースホステルへ。チェックインは15時からということで、荷物だけとりあえず預ける。

城砦の中と外を一通り歩き回ってみる。時折、雲の間から晴れ間が顔を覗かせて、そのときを狙って写真を撮影。城砦の外壁は二重、所によっては三重になっていて、鉄壁の守りを誇ったのも分かる気がする。これほどの城壁を見たのは、ギリシアのロードス島以来だ。城壁の間は砂地や草地になっていて、折からの強風で、砂嵐状態となっている。壁の中は店があってたくさんの人が居る、もちろん砂嵐も吹いていないし、それほどの強風を感じることも無いけど、壁の外は(今日は特に天気が悪いこともあるが)ひどい状態だ。


城砦は川の畔の小高い丘の上にある


明日、駅へ帰るときのバス停を見に行く。登ってきたときの城門とは反対側の城門を出たところに、バス停がある。だいたい1時間に1本のバスがあるようだ。明日は12時過ぎの列車の切符をネットで買っているので、ゆっくりといくことができるだろう。

チェックインできる時間まで、城砦の中にあるサン・ナゼール聖堂の席に座って休憩する。と、内陣のところで5人の男性が美しいゴスペルの歌声を披露し始めた。この教会をベースに活動しているミュージシャンだろうか、一番前の席のところに特設のCD販売コーナーを作っている。

15時、ユースホステルにチェックイン。宿泊費20ユーロだが、ユースホステル会員証が無いので7ユーロ別途払う。日本で払うと2000円位するので、こっちで買った方が得だ。(どうせ、日本は天下り役人や議員の懐に消える金だしね… 日本のユースホステル協会はお役所の外郭団体)

日本語や中国語も流暢に話すフロントのおっちゃんに、13号室を割り当てられた。部屋にはすでにスウェーデンから来たと思われる自転車乗りが泊まっている。サイクリング用ユニフォームなどが部屋に干してある。

外へ出ると、なにやら仮装大会のような、祭りのようなものをやっている。なんだかよく分からないが、とにかく観光客向けのイベントのようだ。


城砦内で行われていた仮装パレード


夕食は、同じ部屋に泊まっている日本人の"サイクリスト"と、ユースホステルのキッチンでパスタを作って食べる。食料品店で購入した4.5ユーロのワインは、あっさりとして絶品だった。日本で飲んだら高いんだろうね…。

夜。昼間よりは雲の量が減ったように思える。夜景を撮りにオード川に架かる新橋(ポン・ヌフ)まで出かけるが、石でできた旧橋がライトアップされていないので、絵葉書にあるような写真にはならない。それに、城砦が遠すぎて、まともに写らない。21時過ぎには、ジジババ主体の欧米人ツーリストがシテ(城砦地区)から引き上げて、シテの中がすっきりとする。誰も居ない城砦の景色もまたよいものだ。


城砦の夜景(旧市街側)

2010/10/02

10月2日 トゥールーズ

2010年10月2日(土曜日)
トゥールーズ

■ トゥールーズ

朝起きると、曇っている。というか、うろこ雲のような、雨を降らせる可能性のなさそうな雲で覆われている。7時過ぎ、ホテルの周辺のカフェはまだ開いていないので、駅へ。ハンバーガーチェーンのQuickが駅構内に開いているので、そこで朝食。クロワッサンとコーヒーなら1.95ユーロ、クロワッサンをベーコン・エッグ・パニーニに変更すると3.8ユーロ。その2ユーロの差は…。と思ったが、高い方にした。

旧市街へ向かう。今日は土曜日だから、通勤のひとがあまり居ないのか、8時過ぎても殆ど人が歩いていない。雲のところどころが切れて青空が見えるが、なかなかうまく太陽が出てはくれない。

旧市街中心の市庁舎広場へ。イベントか何かあるらしく、白いテントが所狭しと建ち並んでいる。広場の半分から向こう側には、野菜などを売る朝市が出ている。


市庁舎広場の朝市


サン・セルナン聖堂へ向かう。聖堂の周囲では、粗大ゴミからかき集めてきたような"ガラクタ"を売る露天がひしめいている。骨董品ならその筋の趣味の人も居るだろうけど、日用品はゴミはゴミにしか見えないけど…。需要あるのだろうか。


サン・セルナン聖堂


大学構内を通り抜けて、ジェコパン修道院へ。天井の高い、えらく質素な建物。回廊は11時から無料開放ということで、また後で来ることにする。ガロンヌ川に架かるレンガでできた橋を見て、県庁横にあるサンティ・ティエンヌ大聖堂へ。広い場所に建てたにしては、身廊の途中で変形している変わった建物。聖堂の北側には、凱旋門もある。

太陽が雲の間から覗いたり、曇ったりと、なかなか写真撮影には適さない安定しない天気。ジャンヌ・ダルク広場近くの中華料理屋で昼食を食べてから、空港バス(運賃5ユーロ)に乗って、空港へ。

エアバスの工場見学の場所が、空港北端にあるジャン・リュック・ラギャルデール工場。近くにバス路線とかそういうのは無い。自動車文化の国フランスらしい…。ということで、GoogleマップとGPSを使って歩いてゆくこととする。空港のターミナルビルから、ぴったり4kmの道のり。後で気づいたが、1.5kmのところにある空港駐車場P5/P6の無料シャトルバス乗り場までシャトルバスで行けば、歩く距離は2.5kmで済むことになる。

空港駐車場の区域を過ぎると、郊外型の格安店がある大きなロータリー。そこを過ぎると土曜日なので、閑散としたエールフランスやエアバス社の工場群が草原の中にゆったりと建ち並んでいる。エアバス工場には、SUEZ社の巨大な水処理プラントがあるが、トゥールーズはVEOLIA社が水道事業をしているはずなので、こういう巨大工場はそれぞれ入札で水道会社を誘致しているのだろうか。社会主義国の日本では、水道は官業独占なので、井戸水汲んだら自社で処理しないといけないので、こういう専門は専門に任せるということはできないんでしょうねぇ。


エアバス社 ジャン・リュック・ラギャルデール工場 耐久試験棟



エアバス社 ジャン・リュック・ラギャルデール工場 屋外試験調整施設に大韓航空の機体


工場の見学は、カメラ持込が一切禁止なので、入り口ゲートの手前までしか写真は撮影できない。外から見える限りでは、ルフトハンザ、大韓航空、ガルーダ航空の3機のA380が屋外施設でチェック中なのが分かる。屋内のは一切見えない(あたりまえか)。食品工場、製鉄工場、発電所などさまざまな工場に仕事でいったとこはあるが、世界最先端の航空機工場は初めてだったりする。


エアバス社 ジャン・リュック・ラギャルデール工場 入り口ゲート(ここから中は撮影禁止)


屋内施設も、土曜日のためか、ほとんど労働者は見かけない。二交代で組み立て・検査をやっていると聞いているのだが、休日はタイムライン上必要な最低限の人員だけになっているのだろうか。

工場からの帰り、今度は途中で駐車場のシャトルバスに乗り、最後の1.5kmを歩かずに済んだ。空港からはトゥールーズ駅行きの空港バスに乗り、地下鉄ジャンヌ・ダルク駅で降りる。


ミディ運河(中央運河)


せっかくだから、ミディ運河を見に行ってみる。地下鉄駅に、その名もミディ運河という駅がある。1.5ユーロで地下鉄に乗り、そこに行ってみる。駅を出ると、確かに運河がある。運河といわれているから、そう思うだけで、川といわれればたぶんそう思ってしまうのだろう。殆ど流れがあるようには見えないので、運河なのだろうけど…。運河の両岸には木が植えられていて、ジョギングしたり散歩したりするにはちょうど日差しがさえぎられてよい雰囲気になっている。実際にこの運河が使われていたときには、運河を行船をロープで引っ張るときに使われていたというから、当時は実用性はあったのだろう。

2010/10/01

10月1日 ジュネーブ~リヨン~トゥールーズ

2010年10月1日(金曜日)
ブダペスト ~ ジュネーブ ~ リヨン ~ トゥールーズ

■ ブダペスト

朝、曇っている。天気予報では晴れのはずだが…。空港まで傘を差さずに済むことを願うのみ。7時30分、朝食。今日は巨大なソーセージのボイルしたのが出ていた。8時、オフィスの横の部屋で朝食の用意をしていた女性スタッフに、鍵を返してチェックアウト。昨日、オフィスに人が居るときにクレジットカードで支払っておいてよかった…。

大学構内を抜けて、4,6系統のトラム駅へ。どちらの系統に乗っても、ブダペスト南駅まで同じ路線を走るので、どっちの系統かあまり気にせずに乗る。3駅行ったところで降りて(地下鉄との乗換駅だけ、英語でアナウンスが入る)、地下鉄3号線に乗り換え。地下鉄は終点のケベンヤ・キスペスト駅まで。駅を出ると、以前と大きく様変わりしている。駅の南側に大きな建物が建設中で、バス停が移動していた。200系統のバスに乗り換えて、空港へ。市内交通の72時間チケットで乗れるかどうか分からないが、とりあえず検札がこなかったから、うまく切り抜けられたというべきか…。

フェリヘジ空港(の格安専用)第一ターミナルは、リッチな大手航空会社が使う第二ターミナルと全く違うところにある。すぐ横に国鉄の線路があるが、最近駅ができたようだ。これから乗るEasyjetのチェックインカウンターは長い列ができているが、インターネットでチェックインして搭乗券をプリントアウトしてきたので、直接セキュリティを通って搭乗ホールへ。小銭の残りでミネラル水を買う。500mlで350フォリントと、巷のスーパーの10倍するかという高価な水だ。免税も何もあったものじゃない。生まれてこの方、空港内でショッピングというものをしたことは殆ど無いが、酒とか化粧品とか、普通にスーパーで買った方が安くないのかね。

10時45分、Easyjetでブダペストを後にして、ジュネーブに向かう。

■ ジュネーブ

定刻どおり、12時40分にジュネーブ空港着。格安の例に漏れず、駐機場に停車してタラップで下車。輸送バスに積載されてターミナルビルへ。安くするためにはしょうがないとは思うが、一部の空港ではターミナルビルまで客に歩かせてくれるところもあるので、その方がさっさと空港を後にできるのでありがたい。


ジュネーブ空港に到着したEastjetの飛行機


荷物は全て機内持込したので、国鉄駅へまっすぐ向かう。バゲージクレームから到着ホールへ出る手前に、国鉄の中央駅までの「無料券」発行機がある。通貨高&物価高のスイス旅行を嫌煙する人が多い(かもしれない)ために、空港連絡鉄道をタダにするというすばらしい心遣い。まあ、私のように、スイスで「ほぼ金を落とさない」客はお断りなんだろうけど(笑

13時1分発のルツェルン行きに乗り、5分でジュネーブ中央駅(コルナヴァン駅)に到着。プラットホームの下の連絡通路にコインロッカー発見。小が5フランと、ちょうど手持ちの小銭でうまい具合に預けられる。前回スイスに来たときの小銭で用が足りてしまい、今回は本当に何もスイスで消費しなかった…

13時58分発のリヨン行きTER(急行列車)まで、約50分間ある。駅を出て、まっすぐレマン湖の方を目指す。モンブラン通りを下って行くと、レマン湖に架かるモンブラン橋まで一気に行くことができる。

今回は、レマン湖に高く上がる噴水(jet d'eau)を見ることができた。前回は早朝だったので、水が出ていなかった…。


レマン湖に吹き上がる大噴水 Jet d'Eau


旧市街へ。トラムの走る通りを越えると、一気に急な坂道になる。遥か上に、大聖堂の尖塔が見えている。残り30分。前回は列車の時刻に間に合わなくて見損なった大聖堂、今回は一目見ることには成功。ルソーの生家の前を通り過ぎて、コルナヴァン駅まで一気に帰る。


ジュネーブ旧市街。観光客の集まるカフェに流しのバンド



大聖堂


フランスの列車は、一番奥のプラットホームから出ていて、そこに行くまでの通路が長い、長い…。昔はここに国境検査とかあったらしい"跡"が、現在でも面影をとどめている。

13時58分発のTERは3両編成でやって来た。それに対して、プラットホームには大量の客が待っている。ほぼ着席定員満員で出発。

ジュネーブを出てしばらくすると、ローヌ・アルプスの険しい崖の間や、ブドウ畑の急斜面に囲まれた谷間といった絶景を走り抜ける。1時間50分でリヨン駅(リヨン・パール・デュ駅)に到着。この絶景が見れて20ユーロの電車賃は、値打ちだと思う。

■ リヨン

数日後に再びリヨンには来る予定だが、快晴なので写真を撮りに出かけることにする。コインロッカーに荷物を預け(4ユーロ)、市内交通の2時間乗り放題券(2.4ユーロ)を買う。

地下鉄で旧市街駅へ。駅を出ると、すぐ横に12世紀~15世紀に建てられたサン・ジャン大聖堂がある。中は今度でいいから、写真だけとりあえず撮影。旧市街の細い路地をうろちょろとするが、これが世界遺産指定の名物? と思うような普通のどこにでもあるような旧市街ですが。目に見える景色から、全ての店と観光客の姿を自動消去したイメージを頭の中で想像するが、細い路地を挟んで建ち並ぶ5階建てくらいの古いアパート群でしかない。


サン・ジャン大聖堂


ケーブルカー(これも2時間券で乗れた)に乗って丘の上にある、真っ白な教会へ。ノートルダム大聖堂というのがその名前で、19世紀の建物だそうだ。どうりで、真っ白できれいな建物だと思った。尖塔のてっぺんにはキリストの金色の像が街の方向を見下ろしている。


ノートルダム大聖堂


2時間券の期限も迫ってきたので、パール・デュ駅に戻る。駅前に巨大なショッピングモールがあるが、食堂が集まった区画というのが無いようで(見つけられなかった)、結局、マクドナルドで食物摂取。ハンガリーで1170フォリント(470円)だったビッグマックセットが、ここでは5.50ユーロ(630円)と結構値上がりしている。日本では、マクドナルドには入ったことが殆ど無いので幾らくらいが適正価格かは知らないけどね…。(フランスのマクドナルドは、どこも劇混みで、サービスレベルも低くて、毎回いやな思いするだけ)

19時11分、TGVのトゥールーズ行きに乗車。ほぼ満員の乗車で、夜でも結構はやってるんだ。私の座っている8号車22番席の切符を持った女性が来て、オーバーブッキングかと思ったが、その女性の持っている切符をよく見ると"11月8日"となっている。一体どういう買い方したらそうなるんだ…。

真っ暗な中、線路が悪いのか、車体がボロいのか知らないが、小刻みに揺れまくる。すぐ横が電気機関車なので、モーターの加速音がもろに伝わってくるなど、乗り心地は悪い。インターネットで20ユーロでゲットした格安券なので文句言えないけど…。

ニーム、モンペリエ、ナルボンヌ、…と何駅か停車して、23時10分ほぼ定刻どおりリヨン駅に到着。ほんの昨日まで、列車の時刻が(微妙に)いい加減なハンガリーに居たため、フランス国鉄の定時運行には驚かされる。まあ、日本では、定時どころか"秒"単位で正確なんだけどね…。


真夜中。トゥールーズ駅に到着したTGV


駅を出て、正面の通りにホテルが密集している。ネットで予約を入れた駅前のホテルへ。1泊45ユーロと高いが、駅から遠くに行く手段すらない(可能性がある)ので、仕方ないだろう。

2010/09/30

9月30日 ブダペスト、ヴァーツ

2010年9月30日(木曜日)
ブダペスト、ヴァーツ

■ ブダペスト


天気予報。気温が日本の冬のようだ…


朝起きて外を見ると、快晴。昨日のように、曇ってこなければよいのだが…。大学の宿泊所での朝食7時30分より。8時、大学のキャンパスを横切ったところより、トラム6系統に乗って西駅(ニュガティ駅)へ。通勤通学の時間帯なので、トラムの車内も道路の自動車もさすがに混雑しているが、トラムの敷地に自動車が入ってこないので、トラムは時間通りに走っているようだ。

西駅、以前来た事あるような…。ブラチスラバからの列車が、確かこの駅に着いたときに来た事があったような気がする。切符売り場へ。ヴァーツまでの往復切符(1280フォリント)を買って、少し時間があったので国会議事堂のほうへ。

以前、この辺りの貸し部屋に泊まった事があるので、地理感は大体つかめている。国会議事堂の前にはたくさんの観光客が行列を作っている。見学ツアーの行列だろうか。

西駅に戻る。名前が"西駅"なのに、ブダペストの北の方の地区にあるし、列車の行き先もスロバキアのブラチスラバ方面なので北方向じゃないのかなぁ。西へ行く列車は、南駅(いまは迂回線を通って全て東駅に集約されているが)に到着しているので、どういう基準で、"西"駅としたのか不思議だ。 9時7分の、快速列車に乗る。 ヴァーツ方面へは1時間に3本程度の列車があるが、そのうち1本が快速で所要時間が20分。他の列車は40分。

スロバキアとの国境までの半分の距離のところがバーツの町になっていて、快速列車はノンストップでそこまで走る。途中、大きな鉄道車両の工場があり、中古の"イタリア鉄道の客車"が大量に置かれていた。最新の近郊列車はドイツのシーメンスから購入し、長距離列車用の車両はイタリア鉄道の中古を化粧直しして使うのだろうか。まあ、ヨーロッパの客車は頑丈にできているから、化粧直しすれば古くても使えるのだろう。そういえば、ギリシアとか、ルーマニアとか、モロッコとか、辺境地に行くにしたがって中古の度合いがひどくなっているのは、中古でも新しそうなのは値段が高いのだろうかね。

■ ヴァーツ

ブダペスト西駅から30分弱でヴァーツ駅に到着(ブダペストから34km北にあるらしい)。まだ晴れている(快晴)。駅を出てドナウ川の方向へ10分ほど歩くと、露天市場がある。野菜屋が多くて、肉屋が少ない。ハンガリー人の料理は、野菜の割合が多いのだろう。(肉屋が半分以上という国もあった) チーズやヨーグルトを売る店が目立たないということは、乳製品はそんなに採らないのかな。


三位一体のモニュメントとピアリスト教会


三位一体のモニュメントの横を通り過ぎて18世紀に建てられた大聖堂へ。大聖堂を取り囲んでいる公園の周回道路を、女子高校生が体育の授業か何かで走らされている。大聖堂の中は町の規模に比べてやけに広く、豪華なフレスコ画や油絵で飾られている。Wikipedia英語版によれば、大聖堂はローマのサンピエトロ大聖堂(カトリック総本山)に模してデザインされているそうだが、ぜんぜん似てないよ…。




再び旧市街の中心へ。境界をはさんで、露天市場と中央広場がある。中央広場の周囲はバロックの1棟ごとに色を変えているカラフルな建物に囲まれている。ざっと見たところ、観光客は皆無。中央広場の真ん中には、かつての境界の跡が遺跡として保存されている。


中央広場に面したカラフルな色の建物


さらに北へ向かうと、(本物の)刑務所があって、その横にマリア・テレジアのために建てられた小さな凱旋門がある。ハンガリーで凱旋門を見かけたことはないので、珍しい部類に入るんじゃないだろうか。(そもそも、この国が、外国との戦争に勝って凱旋したということがないと思われる)

刑務所の横の道をドナウ川のほうへ。(刑務所の)監視塔があり、その横に旅客線乗り場がある。事務所の窓はシャッターが下りたままで、本当に運行されているかどうか分からないが、看板には1日1便ずつがブダペストとブラチスラバ方向へ行くらしい。何のためにそんな遠くへ船で? 電車の方が速いでしょう…。


ヴァーツの西側を流れるドナウ川


ちょっと下流に対岸へわたる客船が停まっている。こちらは、30分に1本あると看板に時刻表が掲示されている。対岸は、森があるだけで何もないようだけど、渡し舟に需要あるのかなぁ。ちょうど出発する渡し舟には、白い自動車が1台載っていただけだった。11時30分の列車でブダペストに戻る。

■ ブダペスト

工業大学の食堂へ。学生用の"安さが売り"の食堂ではなく、教員が来るちょっと高級タイプの食堂。確かに、日本の大学でもこの手の"ちょっと高級な"生協食堂があったと記憶している。電光掲示板にはメニューが690フォリントと790フォリントの2種類あるらしい。カウンターに並んでいるおかず類を適当に注文して、1皿に収まればよしということらしい。教員や学生が食べてるのを見ると、スープというか、シチューの需要が高いようだ。飲み物は、テーブルの上に置かれた水瓶から"水道水"を飲むらしい。私も飲んでみたが、まあ、ドナウ川の水なのにそれほどまずくはない。

さて、観光と思ったが、ブダペストに来るのは3回目(くらいだったかな)なので、一通り観光地は巡ってしまっている。ということで、超B級観光地の、共産主義時代の石像を集めた博物館へ行くこととする。観光局で無料で配っているブダペスト地図に行き方が書いてある。トラムの19、49系統のコスツトラニ・デッセで降りて150系統バスに乗り換える。バスは20分に1本あるようだ。ブダペストの市境界ぎりぎりのところ、バスで30分ほどのところに博物館はあった。正式名称は、メメント・ミュージアム。入場料1500フォリント。


メメント公園のレーニン像





共産主義が崩壊して、撤去されてきた銅像が展示されている。ナチス時代のもの、共産主義時代のもの、こういうのを展示して客がくるんだから、全体主義や共産主義には観光目的としての魅力があるのだろう。

(日本にあるハウステンボスのようなありふれたものではなく)ナチス村とか共産主義国家村とか作れば、観光客を集めれるのは間違いなしでしょう。



夕日を受けてオレンジに染まる国会議事堂



鎖橋の夜景(日没直後)