2010/09/30

9月30日 ブダペスト、ヴァーツ

2010年9月30日(木曜日)
ブダペスト、ヴァーツ

■ ブダペスト


天気予報。気温が日本の冬のようだ…


朝起きて外を見ると、快晴。昨日のように、曇ってこなければよいのだが…。大学の宿泊所での朝食7時30分より。8時、大学のキャンパスを横切ったところより、トラム6系統に乗って西駅(ニュガティ駅)へ。通勤通学の時間帯なので、トラムの車内も道路の自動車もさすがに混雑しているが、トラムの敷地に自動車が入ってこないので、トラムは時間通りに走っているようだ。

西駅、以前来た事あるような…。ブラチスラバからの列車が、確かこの駅に着いたときに来た事があったような気がする。切符売り場へ。ヴァーツまでの往復切符(1280フォリント)を買って、少し時間があったので国会議事堂のほうへ。

以前、この辺りの貸し部屋に泊まった事があるので、地理感は大体つかめている。国会議事堂の前にはたくさんの観光客が行列を作っている。見学ツアーの行列だろうか。

西駅に戻る。名前が"西駅"なのに、ブダペストの北の方の地区にあるし、列車の行き先もスロバキアのブラチスラバ方面なので北方向じゃないのかなぁ。西へ行く列車は、南駅(いまは迂回線を通って全て東駅に集約されているが)に到着しているので、どういう基準で、"西"駅としたのか不思議だ。 9時7分の、快速列車に乗る。 ヴァーツ方面へは1時間に3本程度の列車があるが、そのうち1本が快速で所要時間が20分。他の列車は40分。

スロバキアとの国境までの半分の距離のところがバーツの町になっていて、快速列車はノンストップでそこまで走る。途中、大きな鉄道車両の工場があり、中古の"イタリア鉄道の客車"が大量に置かれていた。最新の近郊列車はドイツのシーメンスから購入し、長距離列車用の車両はイタリア鉄道の中古を化粧直しして使うのだろうか。まあ、ヨーロッパの客車は頑丈にできているから、化粧直しすれば古くても使えるのだろう。そういえば、ギリシアとか、ルーマニアとか、モロッコとか、辺境地に行くにしたがって中古の度合いがひどくなっているのは、中古でも新しそうなのは値段が高いのだろうかね。

■ ヴァーツ

ブダペスト西駅から30分弱でヴァーツ駅に到着(ブダペストから34km北にあるらしい)。まだ晴れている(快晴)。駅を出てドナウ川の方向へ10分ほど歩くと、露天市場がある。野菜屋が多くて、肉屋が少ない。ハンガリー人の料理は、野菜の割合が多いのだろう。(肉屋が半分以上という国もあった) チーズやヨーグルトを売る店が目立たないということは、乳製品はそんなに採らないのかな。


三位一体のモニュメントとピアリスト教会


三位一体のモニュメントの横を通り過ぎて18世紀に建てられた大聖堂へ。大聖堂を取り囲んでいる公園の周回道路を、女子高校生が体育の授業か何かで走らされている。大聖堂の中は町の規模に比べてやけに広く、豪華なフレスコ画や油絵で飾られている。Wikipedia英語版によれば、大聖堂はローマのサンピエトロ大聖堂(カトリック総本山)に模してデザインされているそうだが、ぜんぜん似てないよ…。




再び旧市街の中心へ。境界をはさんで、露天市場と中央広場がある。中央広場の周囲はバロックの1棟ごとに色を変えているカラフルな建物に囲まれている。ざっと見たところ、観光客は皆無。中央広場の真ん中には、かつての境界の跡が遺跡として保存されている。


中央広場に面したカラフルな色の建物


さらに北へ向かうと、(本物の)刑務所があって、その横にマリア・テレジアのために建てられた小さな凱旋門がある。ハンガリーで凱旋門を見かけたことはないので、珍しい部類に入るんじゃないだろうか。(そもそも、この国が、外国との戦争に勝って凱旋したということがないと思われる)

刑務所の横の道をドナウ川のほうへ。(刑務所の)監視塔があり、その横に旅客線乗り場がある。事務所の窓はシャッターが下りたままで、本当に運行されているかどうか分からないが、看板には1日1便ずつがブダペストとブラチスラバ方向へ行くらしい。何のためにそんな遠くへ船で? 電車の方が速いでしょう…。


ヴァーツの西側を流れるドナウ川


ちょっと下流に対岸へわたる客船が停まっている。こちらは、30分に1本あると看板に時刻表が掲示されている。対岸は、森があるだけで何もないようだけど、渡し舟に需要あるのかなぁ。ちょうど出発する渡し舟には、白い自動車が1台載っていただけだった。11時30分の列車でブダペストに戻る。

■ ブダペスト

工業大学の食堂へ。学生用の"安さが売り"の食堂ではなく、教員が来るちょっと高級タイプの食堂。確かに、日本の大学でもこの手の"ちょっと高級な"生協食堂があったと記憶している。電光掲示板にはメニューが690フォリントと790フォリントの2種類あるらしい。カウンターに並んでいるおかず類を適当に注文して、1皿に収まればよしということらしい。教員や学生が食べてるのを見ると、スープというか、シチューの需要が高いようだ。飲み物は、テーブルの上に置かれた水瓶から"水道水"を飲むらしい。私も飲んでみたが、まあ、ドナウ川の水なのにそれほどまずくはない。

さて、観光と思ったが、ブダペストに来るのは3回目(くらいだったかな)なので、一通り観光地は巡ってしまっている。ということで、超B級観光地の、共産主義時代の石像を集めた博物館へ行くこととする。観光局で無料で配っているブダペスト地図に行き方が書いてある。トラムの19、49系統のコスツトラニ・デッセで降りて150系統バスに乗り換える。バスは20分に1本あるようだ。ブダペストの市境界ぎりぎりのところ、バスで30分ほどのところに博物館はあった。正式名称は、メメント・ミュージアム。入場料1500フォリント。


メメント公園のレーニン像





共産主義が崩壊して、撤去されてきた銅像が展示されている。ナチス時代のもの、共産主義時代のもの、こういうのを展示して客がくるんだから、全体主義や共産主義には観光目的としての魅力があるのだろう。

(日本にあるハウステンボスのようなありふれたものではなく)ナチス村とか共産主義国家村とか作れば、観光客を集めれるのは間違いなしでしょう。



夕日を受けてオレンジに染まる国会議事堂



鎖橋の夜景(日没直後)