2011/10/07

10月7日 ハノーバー、ツェレ

10月7日(金曜日)

昨晩、寒冷前線が通った後も、小さい低気圧が後ろにくっついてきているようで、雲がものすごい速さで流れている。時折、青空になって陽がさすが、大抵は曇り。さすが、ドイツのテレビでやっていた天気予報は、よく当たっている。



気象衛星の写真。ツェレはブレーメンとフランクフルトの中間辺りにある


ポーランドで大量購入しておいたインスタントラーメンと、昨日買ったパンで朝食。8時、ホテルをチェックアウト。少し回り道だが、旧市街中心を通って中央駅へ。マリエン教会裏手の広場には朝市の露店が並んでいる。ブレーメン中央駅は、通勤客と観光客で大混雑。9時14分発のハノーバー行きインターシティは、観光客で満員だ。座席予約していなかったが、空いている席にかろうじて座れた。インターネットで切符を買ったので、割引で19ユーロ(1900円)。ハノーバーまできっかり一時間の乗車時間。



ハノーバー中央駅に到着


駅のコインロッカーに荷物を預け(2ユーロ。他の駅の平均3ユーロより安い)、市街地へ。駅前から歩行者天国の繁華街が始まっていて、しばらく歩いていくと旧市街中心のマルクト教会の尖塔が見えてくる。すぐ横に建っている旧市庁舎では結婚式をやっていたらしく、新郎新婦が教会側の扉から出てきて親戚知人に祝福を受けているところだった。新郎は運送会社で働いている人なのか、巨大なトラックに付いているユニック(小型クレーン)でシャンパンを届けるイベントをやっていた。



旧市庁舎から出てきた新郎新婦


さらに歩いていくと、歴史博物館前を通り過ぎ、ライネ川に架かる橋を渡ると旧市街を出ることになる。すぐ横には、ニーダーザクセン州庁舎として使われているライネ城がある。13世紀ごろに建てられた城で、第二次大戦で破壊され、20世紀に再建された「新しい」建物だ。ライネ川に架かる橋からは、上流方向に教会の巨大なドームのようなものが見える。行ってみると、教会ではなく市役所の建物。第二次大戦前に建てられたものだそうだ。州庁舎より、市役所のほうが遥かに立派で巨大なのは、やはり基礎自治体にほとんど全ての権限を委譲してるからなのだろうか。



巨大な新市庁舎の建物 20世紀はじめに建てられた


次の列車に乗る時間が迫ってきたので、駅の方向に向かう。途中、Aegidien教会という完全に焼け落ちて壁だけになった教会がある。第二次大戦のときに爆撃でやられたまま放置されているそうだ。繁華街の中華料理屋で昼食(5.5ユーロ)を食べて、中央駅に戻る。

12時40分発のツェレに行く列車(終着駅はウルゼン)は、昨日ハンブルクからブレーメンまで乗ったメトロノームという会社の列車だ。この辺りの快速列車や普通列車は全てメトロノーム社が買収したのだろう。約25分でツェレ駅に到着。えらく小さい駅。一応、切符売り場はあるようだが、「本日休業」と看板が出ている。入り口の扉に書かれている営業時間内なのに、「休業」看板を出すあたりがすばらしい。自販機で買えということなのだろう。

ネットで予約したホテルは、駅から歩いて1分のところにあった。部屋にはキッチンが付いていて、アパートをレンタルしたときのような感じのところだ。荷物を置いて旧市街へ。旧市街まで約1km、一直線に伸びている駅前通りの横は細長い公園になっていて、第二次大戦の慰霊碑が建てられている。近所の人が放したのか、野生化したウサギが何匹も跳ね回っている。



ツェレ城公園で通りかかる人に餌をねだる白鳥


天敵登場!


散歩させているのは子供。犬を止めるなんて期待できませんね


白鳥、一目散に池に逃げ込みます


旧市街の手前には城があって、今日は無料で中を公開していた。歴代の所有者の肖像画や、その当時の内装を復元した部屋の一部が公開されている。学生の見学が多いのか、絵画と思ったらフルハイビジョンのモニタを額縁にはめ込んだものに解説ビデオを流していたり、展示物の間を回っていると、センサーで人の動きを感知して解説画像が出てきたりと、最先端のマルチメディアをさりげなく古いインテリアに溶け込ませている。ただし、ドイツ語でしか解説は流れないけど…。



ツェレ城


さて、城に隣接しているツェレの旧市街へ。運良く、雲が少しだけ切れて晴れてくる。今日はこの一瞬、30分程度だけ晴れていた。それ以外はずっと曇りで、夜は大雨だった。

旧市街は木組みの建物(ティンバーフレームと英語で言うが、日本語訳は何だろうね…)が密集して建ち並んでいる。ほとんど全ての建物は観光客や地元の人向けの飲食店だったり、ファッション関係の店だったりする。カウフホフとかC&Aというような「デパート」まで昔風の建物を建てて町並みに溶け込んでいる。多分、景観維持条例とかあって、木組みの風建物以外は認められて無いんだろうね。



旧市街で一番高い高さの市教会の尖塔


木組みの建物が並ぶ旧市街


一軒一軒、デザインが違う木組みの建物


旧市街の南側に隣接してフランス庭園、一直線に伸びる並木道があって、かつては幾何学的な構成の庭園の名残なのだろう。Wikipediaには「いまでは英国風庭園のようになってしまっている」というくらい、かつての姿から改変されているのだろう。

夜、夜景を撮影と思っていたら、雨が降りだす。やっぱり、昼間の晴れ間は貴重だった…。



旧市街の北側を流れるアレール川


夜の旧市街