2011/10/08

10月8日 アムステルダム

10月8日(土曜日)

旅行最後の日、アムステルダムに戻る列車に乗る行程を残すのみ。キエフを出発して約2週間、直線距離で2500kmの旅行がほぼ終わった。



欧州全体が低気圧の渦の中にある 気象衛星の写真


最低気温が5℃以下にまで下がるので、温水暖房器が無いと寒いくらいの気温だ。夜中は時折吹き降りの雨が窓に当たっていたが、朝起きたら曇り空に代わっていた。ホテルの部屋にキッチンが付いているので、そこで軽く朝食を作る。7時20分過ぎチェックアウト。1泊35ユーロだった。ホテルから駅まで歩いて1分。雨はやんで、雲がかなり速さで北から南へ流れている。インターネットで購入したアムステルダムまでの切符は19ユーロ。当日駅で買ったら69ユーロのようだ。最近は、旅行にもパソコン必需品ですね…。

駅に行くとハノーバー行きSバーンの列車が停まっている。この列車かなと思ったら、指定されているのはME(メトロノーム社の列車)となっていた。ツェレはハノーバーの都市圏列車が走る郊外の町だったのか。7時46分、ツェレに到着した列車に乗り、ハノーバーに向かう。土曜だからなのか、半分以上の座席が空いている。9時40分、ハノーバーでベルリンからアムステルダムへ行くインターシティに乗り継ぎ。駅の行き先案内表示は、ユトレヒト中央駅行きになっている。まあ、オランダに行ってくれるなら行き先はあまり気にしない。

ネットで切符を購入するときに、座席予約が入力できないと思っていたが、この列車は座席予約不可能のようだ。着席定員の半分くらいしか乗っていないので、座席が無いかと心配する必要は無さそうだ。車内アナウンスでは、ナイメーヘンとアムステルダムの間の線路の工事で、その間の列車が全て運休しているそうだ。私の乗ったインターシティは行き先をユトレヒト中央駅に変更するので、アムステルダムへ行く人はユトレヒトで乗り換えるようにと。



オランダ=ドイツ国境のドイツ側のBad Bentheim駅


線路の工事は、ここ数年間続いているドイツとオランダを結ぶ高速鉄道の路線を作るためだろう。私の乗っているインターシティも、数年後にはICEに衣替えするに違いない。でも、せいぜい平均時速50km程度速くなる程度だろうけど。

列車は西へ、西へと曇りと雨の区域を交互に通過していく。天気がめまぐるしく変わり、晴れていると思ったら、土砂降りのところを走っていたり。10時40分ドイツとオランダの国境を越えて、オランダ入国。シェンゲン国同士なので、もちろんパスポートチェックなどという野暮なものは無い。12時45分、土砂降りの雨の中ユトレヒト中央駅に到着。



ユトレヒト中央駅に到着


雨と晴れがめまぐるしく入れ替わる
アムステルフェーンのショッピングモール


オランダに到着したので、旅行記はここで終了。

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各国、フードコートの料理写真



ウクライナ キエフ
鶏肉の炒め物、ボルシチ、パン、カップケーキ、ジュース
46フリブナ(440円)


ポーランド ポズナン
肉団子、ほうれん草の餃子、焼き飯、マッシュポテト、コールスロー、ジュース
18ズロチ(430円)


ポーランド ヴロツラフ
魚のフライ、ポテト、コールスロー (ドイツのNordseeのパクリの店)
25ズロチ(600円)


ポーランド ワルシャワ
(中華)豚肉と野菜の炒め物、コールスロー、ご飯 (食べ切れんほどの大盛)
18ズロチ(450円)


ドイツ リューベック
(中華)鶏肉のから揚げ、野菜炒め、ご飯
6.5ユーロ(650円)


各国の物価水準は違っても、フードコートの価格設定はだいたい似ています。

2011/10/07

10月7日 ハノーバー、ツェレ

10月7日(金曜日)

昨晩、寒冷前線が通った後も、小さい低気圧が後ろにくっついてきているようで、雲がものすごい速さで流れている。時折、青空になって陽がさすが、大抵は曇り。さすが、ドイツのテレビでやっていた天気予報は、よく当たっている。



気象衛星の写真。ツェレはブレーメンとフランクフルトの中間辺りにある


ポーランドで大量購入しておいたインスタントラーメンと、昨日買ったパンで朝食。8時、ホテルをチェックアウト。少し回り道だが、旧市街中心を通って中央駅へ。マリエン教会裏手の広場には朝市の露店が並んでいる。ブレーメン中央駅は、通勤客と観光客で大混雑。9時14分発のハノーバー行きインターシティは、観光客で満員だ。座席予約していなかったが、空いている席にかろうじて座れた。インターネットで切符を買ったので、割引で19ユーロ(1900円)。ハノーバーまできっかり一時間の乗車時間。



ハノーバー中央駅に到着


駅のコインロッカーに荷物を預け(2ユーロ。他の駅の平均3ユーロより安い)、市街地へ。駅前から歩行者天国の繁華街が始まっていて、しばらく歩いていくと旧市街中心のマルクト教会の尖塔が見えてくる。すぐ横に建っている旧市庁舎では結婚式をやっていたらしく、新郎新婦が教会側の扉から出てきて親戚知人に祝福を受けているところだった。新郎は運送会社で働いている人なのか、巨大なトラックに付いているユニック(小型クレーン)でシャンパンを届けるイベントをやっていた。



旧市庁舎から出てきた新郎新婦


さらに歩いていくと、歴史博物館前を通り過ぎ、ライネ川に架かる橋を渡ると旧市街を出ることになる。すぐ横には、ニーダーザクセン州庁舎として使われているライネ城がある。13世紀ごろに建てられた城で、第二次大戦で破壊され、20世紀に再建された「新しい」建物だ。ライネ川に架かる橋からは、上流方向に教会の巨大なドームのようなものが見える。行ってみると、教会ではなく市役所の建物。第二次大戦前に建てられたものだそうだ。州庁舎より、市役所のほうが遥かに立派で巨大なのは、やはり基礎自治体にほとんど全ての権限を委譲してるからなのだろうか。



巨大な新市庁舎の建物 20世紀はじめに建てられた


次の列車に乗る時間が迫ってきたので、駅の方向に向かう。途中、Aegidien教会という完全に焼け落ちて壁だけになった教会がある。第二次大戦のときに爆撃でやられたまま放置されているそうだ。繁華街の中華料理屋で昼食(5.5ユーロ)を食べて、中央駅に戻る。

12時40分発のツェレに行く列車(終着駅はウルゼン)は、昨日ハンブルクからブレーメンまで乗ったメトロノームという会社の列車だ。この辺りの快速列車や普通列車は全てメトロノーム社が買収したのだろう。約25分でツェレ駅に到着。えらく小さい駅。一応、切符売り場はあるようだが、「本日休業」と看板が出ている。入り口の扉に書かれている営業時間内なのに、「休業」看板を出すあたりがすばらしい。自販機で買えということなのだろう。

ネットで予約したホテルは、駅から歩いて1分のところにあった。部屋にはキッチンが付いていて、アパートをレンタルしたときのような感じのところだ。荷物を置いて旧市街へ。旧市街まで約1km、一直線に伸びている駅前通りの横は細長い公園になっていて、第二次大戦の慰霊碑が建てられている。近所の人が放したのか、野生化したウサギが何匹も跳ね回っている。



ツェレ城公園で通りかかる人に餌をねだる白鳥


天敵登場!


散歩させているのは子供。犬を止めるなんて期待できませんね


白鳥、一目散に池に逃げ込みます


旧市街の手前には城があって、今日は無料で中を公開していた。歴代の所有者の肖像画や、その当時の内装を復元した部屋の一部が公開されている。学生の見学が多いのか、絵画と思ったらフルハイビジョンのモニタを額縁にはめ込んだものに解説ビデオを流していたり、展示物の間を回っていると、センサーで人の動きを感知して解説画像が出てきたりと、最先端のマルチメディアをさりげなく古いインテリアに溶け込ませている。ただし、ドイツ語でしか解説は流れないけど…。



ツェレ城


さて、城に隣接しているツェレの旧市街へ。運良く、雲が少しだけ切れて晴れてくる。今日はこの一瞬、30分程度だけ晴れていた。それ以外はずっと曇りで、夜は大雨だった。

旧市街は木組みの建物(ティンバーフレームと英語で言うが、日本語訳は何だろうね…)が密集して建ち並んでいる。ほとんど全ての建物は観光客や地元の人向けの飲食店だったり、ファッション関係の店だったりする。カウフホフとかC&Aというような「デパート」まで昔風の建物を建てて町並みに溶け込んでいる。多分、景観維持条例とかあって、木組みの風建物以外は認められて無いんだろうね。



旧市街で一番高い高さの市教会の尖塔


木組みの建物が並ぶ旧市街


一軒一軒、デザインが違う木組みの建物


旧市街の南側に隣接してフランス庭園、一直線に伸びる並木道があって、かつては幾何学的な構成の庭園の名残なのだろう。Wikipediaには「いまでは英国風庭園のようになってしまっている」というくらい、かつての姿から改変されているのだろう。

夜、夜景を撮影と思っていたら、雨が降りだす。やっぱり、昼間の晴れ間は貴重だった…。



旧市街の北側を流れるアレール川


夜の旧市街

2011/10/06

10月6日 ハンブルク、ブレーメン

10月6日(木曜日)

早朝より窓にたたきつけるような吹き降りの雨が降っていた。9時、ホテルをチェックアウトして駅へ向かう。途中まで霧雨のような気にならない程度の雨だったが、駅まであと5分くらいという所で、吹き降りの雨になる。しばらくバスターミナル(Lubeck ZOB)で雨宿り。



駅へ向かう道から振り返り、リューベック最後の1枚
左から ホルステン門、マリエン教会、ペトリ教会



9時42分発の快速列車(RE)で、まずハンブルクに向かう。今日の運賃は当日購入のため、29ユーロ(2900円)とちょっと高め。ローカル列車だけの場合、格安のインターネット価格が無いので損した気分になる。GoogleMapで自動車の場合の距離を測ったら180kmほど、日本のJRの場合は180km×16.2円/km=2916円になるはずなので、似たような価格になっている。乗車したDB Regioの車両は室内照明がすべてLEDに取り替えられている。さすが、環境技術のアピールに余念の無いドイツだと思った。蛍光灯からLEDに切り替えても、それほど消費電力が下がるわけでも無いのは電子技術をかじった人間なら誰でも知っている。蛍光灯が切れたときに取り替えにくい場所、たとえば、高い天井の上とかなら寿命の長いLEDという選択肢もあるんだろうけどね。



LED照明化したドイツ鉄道の近郊列車の車内


農地や林といった、北ドイツの一般的な景色も見飽きるので、Amazon Kindleで日本のニュースでも読みながら時間をすごす。アップルのスティーブ・ジョブス死去のニュースがトップで報じられていたのは驚いた。リューベックで降っていた雨は、ハンブルクに近づくとやんでいる。地面もぬれていないので、雨雲は局所的にやってくるのだろう。10時25分、ハンブルク中央駅到着。



ハンブルク中央駅 旧市街側コンコース


駅のコインロッカーに荷物を入れて(3ユーロ)、街を見に出かける。ハンブルクは、ドイツでベルリンと並ぶ「特別市」で、州政府をすっ飛ばして市が全権限を持っている。日本では地方分権と称して、政令市をぶっ潰して県に吸収するという”まるで中央集権化”のような馬鹿みたいな議論をしているが、世界的には巨大都市は州や県から独立するのが一般的だ。まあ、ハンブルクの場合はハンザ同盟時代の「都市権」を今に至るまで保持しているという解釈もあるようだが、その市役所を見に行ってみる。



ハンブルク市庁舎 中央の時計塔は高さ110mだそうだ


駅を出て、歩行者天国になっているシュピタル通りを10分ほど歩く。Europe Passageというショッピングモールがあるので、その中を通り抜けて向こう側に出ると市役所の巨大な時計塔が見えてくる。1897年に建てられた市庁舎は、中庭をはさんで裏側には商業取引所の建物がくっついている。市役所1階は誰でも入れるようで、観光客がぎっしり詰まっていた。

市役所を越えてさらに北へ。道路、運河、道路… と何本かの運河が掘られている。エルベ川とアルスター湖の水位が違うので、ちょうど道路の下辺りに閘門が造られている。そういえば、夏にトライアスロンの大会がハンブルクで開かれていたが、アルスター湖が水泳の会場だった。橋の上から眺めた限りでは、大都市特有の「濁った汚い川」にしか見えない。WikitravelのHumburgの項目では、市内中心部の旧市街広場周辺で見るべきものは市庁舎くらい(私はショッピングには興味は無い)なので、駅に引き返すことにする。アルスター湖沿いの道を駅の方へ戻っていくと、コンテナを並べて未来の都市鉄道と環境技術についての展示場がある。環境都市といいながら、市街地の中心に自家用車が大量に行き来しているのを何とかしろと言いたい。総論賛成、各論反対の自動車に乗る金持ちを強制的に市電・バスに乗せてからえらそうな口をたたいて欲しい。



市庁舎北側の運河。いわゆる、ウォーターフロント開発ですか


ハンブルク中央駅に戻り、構内のレストラン街の中華屋で昼食(4.5ユーロ)。しばらくヨーロッパに滞在すると、飲み物を注文せずに食事するのに慣れてしまう。日本なら、水は無料で出るものだが、ヨーロッパは水すら有料。だから食べ物だけ注文する客が、この手のフードコートでは大半だ。12時15分発のブレーメン行きの列車に乗る。ドイツ鉄道ではなく、メトロノームという運行会社の列車だ。EU指令で各国の国鉄が上下分離、民営化されて、ドイツでも線路と駅はDB Netz、長距離列車はDB、近郊路線の快速や普通列車はDB Regioにばら売りされたが、近郊路線の一部は民間企業に買い取られて、メトロノームのような違う会社が運営しているものもある。切符は通しで買えるので旅行客的には問題ないけど、線路と電車を別会社にするとそのうち事故るよ… イギリスのように。線路(インフラ)のようなコストカットしまくれる部門は、保線の手を抜きすぎる傾向がある。どこまで手を抜くべきか、本当は経営工学の難しい問題だが、インフラ部門はどの国でもやる気無い人間の巣窟になるのでだめだろうね。



ハンブルク中央駅。中央の黄色と白の列車がブレーメン行き


ハンブルクからブレーメンまで、1時間10分。途中で車窓が真っ白になるくらいの滝のような雨の区域を通過する。さすがに列車は徐行運転になった。ブレーメンに13時25分到着。3年位前に1度来たことがあるが、そのときは飛行機の乗り継ぎで深夜の6時間程度滞在しただけだ。だから、街の中は全く知らない。

駅を出て、ネットで予約したホステルへ。パーカーを着ているので傘をさす必要は無いが、それでも気になるくらいの吹き降りの小雨が降っている。天気予報によれば、ちょうど寒冷前線が通過しているところで、猛烈な風が吹き付けてくる。駅から歩いて1kmほど、ドイツテレコムの巨大なビルの横のホステルに到着。荷物だけ置いて旧市街の観光へ。

トラムが中央を走る歩行者天国に平行して、ショッピングモールのガラス天井のアーケード街が続いている。アーケードの中を歩くと、雨に濡れずに旧市街中心の中央広場に出る。結構小さい旧市庁舎は15世紀からあるものらしい。1階はがらんどう、2階はツアーでしか入れないようだが、外から見た感じでは大きなホールのようになっているようだ。単なる観光施設化しちゃってますね…。市庁舎の北にフラウエン教会、東にペトリ大聖堂がある。どちらも赤茶色のレンガ造りで、似たような形の高い尖塔を持っている。Wikitravelではペトリ大聖堂の方の記述があるので、そちらに入ってみる。やっぱりドイツの教会は地味ですね…。天井の漆喰の白いところに少しだけ絵を描いているのは、美観的には努力の跡が見えるけど、イタリアの教会のように全面にフレスコ画を描いたりしていない。



旧市庁舎と、左背後のフラウエン教会の尖塔


間抜け顔のブレーメンの音楽隊のロバ


ベットヒャー通り


市庁舎の横に「ブレーメンの音楽隊」の銅像。記念写真を撮る観光客が取り囲んでいます。一番下のロバの顔がいかにも間抜けっぽくみえるのは、私だけだろうか。市庁舎正面に鎮座しているローラント像の顔もちょっと間抜けっぽい。昔の美術のトレンドは、こういう顔なのだろうか。ヴェーザー川を越えて新市街に行ってみる。川には帆船のレストランが係留されていて、ちょうどその帆船と旧市街の教会が写真の素材にぴったりだ。だけど、今日は雨…。

夜、夜景を撮影していると急に雲が流れ去り快晴に。あと数時間早く晴れてくれたら、まともな写真を撮れたのに…。まあ、天候だけは運なので仕方ないですね。前線が通過して急に寒くなり、外の気温は8℃らしいです。



旧市庁舎とペトリ大聖堂の夜景


19時30分の気象衛星写真。寒冷前線が通過して一旦晴れの領域に入った

2011/10/05

10月5日 リューベック、キール

10月5日(水曜日)

リューベック2日目。今日も曇り。今にも雨が降りそうで降らない。8時、ホテルの朝食。1泊39ユーロはドイツでは多分安い方だが、ポーランドと比べてしまうとどうしても割高感がある。リューベック旧市街にはそれほどたくさんの見るべきものは無さそうだし、曇りでは写真撮影もほとんど不可能なので、どこか他のところに出かけることにする。なるべく、曇りでも問題ないコンテンツのところに…。



早朝のリューベック旧市街


リューベックはドイツ最北端の大都市といっていいほど、デンマークのすぐそばにある。中央駅にはデンマークのコペンハーゲン行きのインターシティが行き来しているくらいだ。GoolgeMapで見てみると、少し北にバルト海に面した港町キールがある。南の方ではリューネブルクが観光地だろうか。雨降りで景色撮影のリューネブルクは辛いので、郊外に海軍博物館があるキールにする。

9時6分の快速列車(RE)でキールまで1時間(運賃10.65ユーロ=1080円)。なだらかな丘陵地が続き、所々に大きな湖がある。ホルスタイン=スイス自然国立公園というのが、この辺りの丘陵地や湖の正式名称のようで、Wikipediaの解説によればスイスのような景色からその名前が付いたそうだ。ホルスタインは、あの乳牛の品種だろうか…。天気がよければ、とんでもなく綺麗な車窓なんだろうね。



キール中央駅に到着


キールでバスに乗り換え。Wikipediaによれば、海軍博物館はキールの郊外のラボーという町にあるという。駅前の市バス乗り場でラボー行きを探すと、100系統と102系統の2つが走っている。102は高速道路経由なので速そうだが、今日はどうも走っていない模様。30分おきにやって来る100系統に乗る。運賃2.9ユーロ。GoogleMapの経路検索では18kmほどだが、周辺の小さな町に寄りながら走るので、40分ほど掛かる。

バスを降りるときに、Uボート博物館はどっち方向かバスの運転手に聞いて、砂浜沿いにそっちの方向(バス停から北向き)に歩く。キール湾に面した砂浜には、海水浴の時の「ドイツ風の風除け」がたくさん置かれている。もう、海水浴季節じゃないので、どれも人が入れないように木のフェンスが取り付けられている。今は、海水浴じゃなくて、カイトサーフィンの季節のようだ。ドイツでも風の強いこの地域、もちろん今はやりの風力発電の風車もたくさん建っているが、ウインドサーフィンやカイトサーフィンも強い風で快適に遊べるのだろう。海岸沿いを歩いて博物館に向かう私には、たんなる向かい風に過ぎないが…



砂浜の沖を貨物船がひっきりなしに通過する


キール湾でカイトサーフィンをする人


バス停のあるマリーナのところから1.2km、海軍メモリアルの巨大なレンガ造りのタワーの袂の砂浜に、小型のUボートVII型が展示されている。まあ、小型の潜水艦なので砂浜に無造作に置いておくことが出来るのだろうね。海軍メモリアルとUボートの入場料7.5ユーロ(750円)。小さい子供を連れた家族が見に来ている。子供にも軍事技術をちゃんと説明して見せるのは、まっとうな常識を持つにはいい教育だと思う。第二次大戦で戦闘任務に着いたUボートのうち、現存(展示されている)するのは4隻。うちドイツ国内には2隻あり、そのうちの1隻がラボーに展示されているVII型のU-995号だ。自国での展示ということで、艦内も念入りに修復展示されていて、主要な機器には説明パネルまで付いている念の入れようだ。



キール湾の砂浜に展示されているU-995


U-995 艦橋の潜望鏡コントローラ


U-995 左舷ディーゼルエンジン


U-995 艦橋の左舷・右舷 推進装置モード設定


計器から読み取った限りでは、速力メーターは最大25ノット、最大深度は250メートル、ラダー角度は±30度。バッテリーの最大出力は800アンペア(7.6ノットで航行出来るそうだ)。艦内は、小型Uボートということで、かなり狭い。乗組員のベッドの所に魚雷を置くようになっていて、これではまともに寝れんでしょう…。通信室は独立した部屋になっているけど、ソナー員の独立部屋は無かったので、どこで聞いていたんでしょうかね。

海軍メモリアルにも行ってみる。まず、高い塔の中に入ると、第一次大戦と第二次大戦で犠牲になったドイツ海軍艦や商船の数が壁一面に描かれている。2回とも敗戦国だったので、膨大な数の船が沈められて犠牲者もたくさん出たのだろう。歴代の海軍旗の展示もされていて、ドイツ国内では使用が禁止されている鍵十字のものや、かつての東ドイツ海軍の旗も展示されている。エレベーターで高さ60mほどの屋上に登ると、周辺の村々が一望できる。曇りなので、それほど感激するような景色じゃないけど。

13時2分のバスでキールに戻る。途中から小学生から高校生まで、学校が終わって帰宅する生徒が大量に乗り込んでくる。この辺りの学校は、13時に終わるんですか…。バスは、キールからリューベック行きの列車の出発時刻に少し遅れてキール中央駅前に到着。乗り継ぎを全く考えていない…。列車は1時間に1本なので、キール市街地を散策する。

第二次大戦の空爆でほとんどは解された後、近代的な都市に完璧に造りかえられている。ポーランドのように、かつての資料に忠実に旧市街を復元しようという意識は、多分無いのだろう。駅前は港になっていて、ステナラインの巨大なフェリーが停泊している。ノルウェーのヨーテボリとの間を結ぶ55,000トンの巨大客船だ。

駅のすぐ西側にあるショッピングモールに沿って北へ。しばらく行くと「新市庁舎」と書かれたビルがある。「新」があるなら「旧」もあるだろうと、もう少し北に行ってみると、巨大な時計塔を持つ「旧市庁舎」がある。旧といっても、戦後に建てられたものなのだろうけど…。



キール旧市庁舎


14時44分発の列車でリューベックに戻る。聖ペトリ教会の尖塔に登る。入場料3ユーロ。頂上までエレベーターが付いている。旧市街はそれほど大きくないけど、塔の上から見下ろしてみると、たくさんの教会があるのが分かる。もう夕方なので、博物館などは全て閉館している時間だが、教会なら… 多分は入れるだろうということで、一つずつ回ってみる。一番大きいマリエン教会は閉館3分前に行くと、無料で見学させてくれた。ただし、3分だけと…。それほど凝った内装というわけでも無い。次に、ヤコビ教会。やたらフラッシュを使って写真を撮影しているロシア語らしき言葉を話す観光客が居た。町の北の端の門は、旧市街を囲んでいた城壁の一部が残っている。



旧市街北側の塔門


ヤコビ教会


泊まっているホテルの近くの大聖堂にたどり着くころには、暗くなってしまう。もちろん、中に入ることは出来ない。

2011/10/04

10月4日 ポズナン、ベルリン、リューベック

10月4日(火曜日)

ポズナンを出発する日の朝、快晴だ。9時54分の列車に乗るので、朝起きてから少し余裕がある。旧市街の中央広場を見に行ってみる。昨日に比べても、さらにカフェやレストランのテラス席が撤去されている。ちょうど撤去した資材を運び出すトラックが荷物を積み込んでいるところだ。観光の季節も、9月末で終わったということだろう。



ポズナンの繁華街にある自転車と人の銅像


アパートの部屋の鍵をポストに入れてチェックアウト。管理事務所が開いていなかったら、そうすればよいと言うことだった。ショッピングモールStary Browerの横の停留所から、トラム16系統に乗り中央駅へ(運賃2ズロチ=50円)。停留所たった3駅だが、この街の停留所の間隔は長いので、かなり楽できる。もう少し時間がかかるかと思ったら、たった5分で駅に着いてしまった…。駅のパン屋で昼食用のサンドイッチを買い、スーパーでミネラル水を購入。



ポズナン中央駅のベルリン=ワルシャワ・エキスプレス


9時54分発のベルリン行きEuroCity(別名 Berlin Warsaw Express)は1分の遅れも無くワルシャワより到着した。それほど路線状況がよさそうでないこの国にしては、すごいことかもしれない。列車は満員。私はドイツ鉄道のインターネットサイトで割引チケットを買ったので19ユーロ(1900円)だが、寸前に買うと36.8ユーロらしい。最近の旅行は、旅行中もインターネットは欠かせないということかも知れんね。

列車は時速100kmを越えるスピードで、どんどん西へ向かっていく。まるで、ドイツ国内の線路を走っているかのような乗り心地。昨日まで乗っていたポーランド国内路線は灘だったんだというくらいの、滑らかな乗り心地。やれば出来るじゃん、ポーランド国鉄。

11時30分、国境通過。かつて国境検査のあった信号場のようなところに一旦停車するが、すぐに出発する。シェンゲン条約国の中の移動なので、国内路線と同じはずだが、まだまだ旧東と西の国の間には見えない壁があるのかもしれない。国境を越えるとすぐにフランクフルト・オーデル駅に停車。ドイツ最大の国際空港がある例のフランクフルトとはまったく別の、ちっさい町。歴史好きの人なら知っている名前だけどね。



ベルリン中央駅(地下ホーム)に到着


ベルリン近郊から30分ほどノロノロ運転して、中央駅に到着。コインロッカーに荷物を預け(3ユーロ)、外へ。地図もガイドブックも無いので、とりあえず記憶を頼りに…。中央駅前からインバリデーン通りを東へ。昔、このあたりにベルリンの壁を行き来できるインバリデーン検問所があった場所だ。壁が取り壊されて20年たった今でも、壁のあった周辺は砂埃を上げて工事中。何してんだろうね…。



ベルリン 自然史博物館(フンボルト博物館)


美術館と思って工業技術省に入ってしまい退散。たしかフンボルト博物館がこの辺りにあったはずだが… 。隣に子供連れが吸い込まれていく自然史博物館を発見。もしかして、自然史博物館ですか。てっきり現代美術館と思ってました。自然史博物館を、たった10分くらいで見学というのは出来ないので、今回はあきらめて待ち歩き。といっても、乗り継ぎの時間は1時間程度。自然史博物館を少し行き過ぎたところに「U」(地下鉄)の看板発見。駅に入ってみると、フリードリッヒ通り駅の方へ向かう路線のようだ。ショート・トリップ専用切符(1.4ユーロ)を購入して、3駅乗ってウンター・デン・リンデン通りに出る。少し向こうにブランデンブルク門が見える。2年前に見たときには修復工事中だったが、果たして今は…。やっぱり工事中。のんびりした工事してますね。ブランデンブルク門のところから、中央駅まで短距離を結んでいる、存在意義がよく分からない地下鉄があったはず。55系統。系統名も1,2,3… でどうして55なのか。今回は、これを利用させてもらい中央駅へ戻る。



ブランデンブルク門近くは、この地下鉄駅で降りる


14時17分発のICEに乗車。最終目的地リューベックまで29ユーロの切符。これもインターネットで購入。この列車はガラガラ状態。コンパートメントでぐっすり眠って、1時間40分でハンブルク中央駅に到着。車内放送で7番線からリューベック行きの列車が出ると放送している。乗り継ぎ時間は10分。列車が5分程度遅れているので、5分で乗り継ぎ。一つと也のプラットホームに、リューベック行きのREが停車しているのが見える。16時06分発のリューベック行きは満員。学校の帰りの学生がたくさん乗っている。ベルリンでは晴れていたが、リューベックに近づくほど天候が悪化している。天気予報よく当たるね。



ICEのコンパートメント


16時50分、リューベック中央駅到着。駅の外に出ると結構寒い。GoogleMapを頼りに、今日予約した旧市街のホテルを目指す。トラヴェ川に架かる橋を渡り旧市街へ。旧市街には教会の尖塔が3箇所くらいに見えて、街の入り口には不等沈下を起こして中央に向かって落ち込んだようなレンガ造りの城門(ホルステン門)がある。ホテルは旧市街のある島の中で、繁華街じゃない場所にあった。1泊39ユーロで、無線LANは無いらしい。



リューベック旧市街入り口のホルステン門


旧市街を探索。繁華街は道路工事中で、そこらじゅうにバリケードが置かれている。携帯電話販売店が幾つか見つかったので、インターネット接続が出来るプリペイドSIMを販売しているか聞いて回る。たぶん、どこのネットワーク会社でも同じような金額なのだろうが、店員の知識が「無い」店が殆どで、「プリペイドSIM+インターネット接続」の意味すら理解できない人が多かった。最終的にO2の店で、25ユーロで300MBytes分のSIMを購入。(15ユーロがSIM料金、10ユーロが300MBytesの通信料) APN、ユーザ名、パスワードの紙(別紙)をもらっておく。結果として、設定がプロバイダから自動的にインストールされるので、これらの情報が無くても機種によっては接続できるのかもしれない。

夕食、中央駅コンコースの中華料理屋で5.5ユーロのメニュー。ポーランドならもう少し安くて、もっと量が多いはず。やっぱり、ドイツの物価高いですね。旧市街の夜景撮影は、ポーランドの各都市での夜景撮影と違って、寒いし、誰も人が歩いていないし、すごく寒々しい感じ…。ドイツに観光に来る人は、この季節は殆ど居ないのだろう…。地元の人も、夜7時にはほとんど家に帰ってしまい、繁華街は誰も歩いていない状態になる。そのせいか、市庁舎や教会などの「夜景スポット」を照らしている照明も、ぜんぜん明るくなく地味な感じだ。



マルクト広場19時。ほぼ無人状態です


テレビのニュースで、ギリシアがストライキでえらいとこになっているようです。空港の飛行機がすべてキャンセルされているようです。公共事業やりまくって、無益な公営企業を作りまくって、観光立国だと息巻いても(実際に、世界有数のリゾート国家)、破綻しましたね。観光じゃ食っていけないというのが証明されたような気がします。同じように、観光立国とか遅ればせながらほざいている日本はどうなんですかね。ギリシアより観光資源無いのに、無理でしょうなぁ。