2009/10/04

10月4日 ヴィッテンベルク、ベルリン

10月4日(日曜日)
■ ヴェルニゲローデ

今日もドイツ鉄道のインターネット予約の乗車券を使って、ヴィッテンベルクで途中下車してベルリンまで行く。IntercityやICEを利用しても値段は29ユーロ。

ハレで乗り換えるときに、余裕時間がたった4分しかないのは困るので、余裕を持って1本早めの列車に乗ることにする。

ヴェルニゲローデの天気は吹き降りの雨。まったく天候には恵まれていない。ドイツ鉄道の駅の隣に、ハルツ狭軌鉄道の蒸気機関車の車庫があり、既に全ての機関車に火が入れられ煙突から蒸気が立ち登っている。機関車を点検している運転士に女性が居るのには驚いた。日本では女性の蒸気機関車運転士は居ないと思う。

7時36分発の列車に乗車する。2両編成の車内は、地元の人が地らほら乗っている程度で、旅行客は今日は誰一人見かけない。途中の駅で運転士が「腹具合が悪くなった」ようで、駅に停車中に列車内のトイレに駆け込むこと2~3回。こういう職業って、大変だと思う。日本のように陰険な国では、途中で運転士がトイレなぞ行こうものなら、電鉄会社に通報されて「日勤教育」が待っているに違いない。

ひたすら続く広大な農地の間を列車が走る間に、天気が雨、曇り、晴れ間と目まぐるしく変わる。低気圧から伸びる前線がこのあたりに掛かっているので、こういう具合になるのだろうか。

約2時間掛かってハレ駅に5分ほど遅れて到着(1本後の急行なら1時間10分)。多分、運転士の腹具合のせいで5分遅れている (笑

約30分の乗り継ぎ時間で、インターシティに乗り換え。終着駅はドイツじゃないような、北欧の港町のような地名。2駅目、30分で下車。なんだか相当田舎の駅のようである。

■ ルターシュタット・ヴィッテンベルク

駅のプラットホームの間を結ぶ地下道を旧市街の方へ抜けると、駅舎がない… 巨大なテントでタクシー乗り場などを覆っているだけの、超田舎の駅… コインロッカーを探してるんだけど、無いねぇ…。プラットホームの反対側を見ると、建物があり、駅舎らしいので行ってみる。切符売り場の窓口が11時から開くので、11時まで待って窓口でコインロッカーのありかを聞く。案外、駅舎の横にあったりして…

この駅のロッカーはたったの1ユーロ(130円)。安い。

旧市街へ向けて歩く。だれも居ない道を、駅を出ると、駅も含めて商店すらないような田舎の住宅街20分くらい歩いて、旧市街に到着。

久しぶりに青空になり、太陽がさしてくる。

かつて、16世紀にヴィッテンベルク大学の教授だったマルティン・ルターが、大学構内の教会(現在のヴィッテンベルク城教会)に「95カ条の論題」を貼り出したことが、宗教改革の口火を切ったことで有名な町らしい。

市庁舎前広場(マルクト広場)にあるルター像は、残念ながら補修工事中で鉄の枠組で囲まれている。メラヒントの像のほうは鉄枠が外れているが、さっきWikipediaで調べてみて、この人の名前を始めて知った。

ヴィッテンベルク城と城内教会
ヴィッテンベルク城と城内教会


旧市街の駅から一番遠い端っこに、ルターが95カ条…を貼り出したヴィッテンベルク城教会がある。円筒型の、変わった形の時計塔があるが、教会じゃなくて、城の塔なのだろうか。

駅に戻る途中、ルターの住んでいた家の跡地の向かい側にある、ホットドック屋で昼食。

駅に戻ると、次に乗るはずのICEが20分遅れと、出発案内の表示に出ている。高速列車がしょっちゅう遅れるのは、どうにかならんのかねぇ。(専用線じゃないから無理なのかな)

13時45分にヴィッテンベルクを出発。約45分でベルリン中央駅に到着。

■ ベルリン

ずっと以前にベルリンに来たときには、この駅は中央駅じゃなくて、ベルリン・レーラーシュタット駅とか呼ばれていて、第二次大戦で破壊されたガラスドームが残っている、都市鉄道(S-Bahn)の各駅停車しか止まらないような駅だったはず…

それが今は、地下から吹き抜け構造の巨大な駅舎に、飲食店などの商店がぎっしりと入り、たくさんの人が行き来している。見違えるばかりの変わりようだ。

中央駅前のバス停に行くが、ものすごい数の人が待っている上に、道路の車が渋滞して、バスがいつ来るか分からん状況。急きょ、地下鉄を使ってトラムに乗り継ぐことにする。市内交通料金の1回券が2.1ユーロ(280円)。べらぼうに高い料金だ。ロンドン地下鉄(4ポンド、570円)よりはましだが…

ネットで予約したマウアー・パーク近くのアパートへ。到着時刻をメールしたにもかかわらず、部屋のベルを押してもだれも出ない。携帯電話で電話をかけて、アパートの部屋の持ち主を呼び出す。

わざわざ不便な住宅街にあるアパートの部屋を借りたのは、ここがかつてのベルリンの壁があった、まさにその場所だからだ。アパートのある建物はベルリンの壁のあった空き地に面していて、当時の東ドイツの中央区にあった住宅だ。

せっかくなので、アパートのすぐ近くのベルナウ通りを、北駅まで歩いてゆく。さきほどトラムで通過した所に、ほんの数百メートルだけ、かつての壁が保存されている。これを見に、かなりの数の観光客がやってきている。観光資源になるのなら、もっとたくさん残しておけばよいのに…

ベルナウ通りに保存されているベルリンの壁
ベルナウ通りに保存されているベルリンの壁


マウアー・パーク(壁公園と訳すのかな)に行ってみると、今日はフレア・マーケットをやっている。どう見ても、がらくたにしか見えない中古品などを売っている店などがある。骨董品は全くといっていいほど見かけない。

夜、吹きぶりの雨となる。やはり、天気のツキは全く無いようだ。