2009/12/23

12月23日 上海

12月23日(水曜日)

■ 上海

今日も上海市街地をうろうろと観光することにする。8時過ぎ、人民広場駅よ
り地鉄8号線に乗り虹口足球場(ホンコウ ツゥキュウチャン)駅で下車(運賃
4元)。駅から地上に出ると、サッカースタジアムとの間に地鉄3号線の高架橋
が架かっている。地下がだめなら、高架にしてでも地下鉄を無理やり通してし
まったという感じで、駅舎が5階建てビル並みに高いところに見えている。


魯迅公園でダンスをする人々


魯迅公園(ルーシュン コンユェン)に入ると、林の中でたくさんの人が太極
拳ではなく、音楽にあわせて社交ダンスのようなものをしているのが見える。
405組のグループが、それぞれ違う音楽を流して、それにあわせて踊っている。
「静と動」よりも、踊れればもう何でもいいということなんでしょうか。 少
し離れた中日友好モニュメントの前でも音楽に合わせて踊っている人たちがい
る。 公園の通路では、筆に水をつけて道路に文字を書いて習字の練習をして
いる人もいる。さすが、文学人魯迅の墓がある公園だけあって、文学的なこと
もやっているようだ…。

魯迅公園の園路で書道
魯迅公園の園路で書道


公園内には魯迅記念館(入場料は無料)もあって、魯迅直筆の原稿などが展示
されている。(私は魯迅の作品をこれまで読んだこと無かったと思うので、今
度図書館で借りて呼んでみよう…) そのほか、上海天長節爆弾事件(1932年
に起きた爆弾テロ事件の犯人、尹奉吉の記念碑が梅林にあるらしい。入場料15
元と入り口に表示されていた)の場所でもあるようだ。当時は虹口公園と呼ば
れていたようだが…

魯迅公園を出て、南へ向かう。このあたりは第二次世界大戦前は「日本軍警備
区域」で、一種の「日本租界」のような地域だったそうだ。四川北路の南端に
ある電脳城の横に古い門があり、そこから南が歴史的街区としてアンティーク
ショップが軒を並べるなど、観光地化されている。戦前の建物も結構残ってい
て、「日本人家屋」であった建物も改造を経て現在でも使われている。

その多倫路には、20世紀初頭の文化人(もちろん魯迅も含まれる)の銅像が何
体か建てられているが、そのうちの一つが当時の文化サロン的役割を果たした
内山書店の主の内山完造の像もある。)

再び虹口足球場駅に戻り、地鉄3号線に乗り除家匯(シュージャーホイ)を目
指す。といっても単にその駅で降りるのでは観光にならないので、3号線の宜
山路駅で降りて歩くこととする。宜山路駅のような郊外の駅でも、周辺は上海
万博関連の工事だらけ。 除啓公園あたりまで来ると、周囲の工事の雑音が少
しは聞こえにくくなる。公園の真ん中には、なぜか巨大な十字架があり、明の
時代の天文学者 除光啓の墓もある。公園の横には上海気象台もあって(名前
から想像するよりずっと小さい建物)、その入り口には公園にあるものよりも
立派な銅像があったりする。

除光啓の墓の前で碁を打つ人達
除光啓の墓の前で碁を打つ人達


公園の北側には除家匯天主堂(ゴシック様式の教会)があり、周囲の雰囲気か
ら浮いている。教会のような西洋的なものがあると、必ずといっていいほど
「中国人の結婚写真」を撮影する人たちが居る。こういうものだけ、彼らの合
理性は発揮されないようだ。合理的に考えれば、コンピュータ グラフィック
スで写真を「作成」した方が手っ取り早く安いはずだ。(撮影に行く必要も、
カメラマンを雇う必要も無い)

除家匯天主堂で結婚写真の撮影
除家匯天主堂で結婚写真の撮影


大混雑する除家匯の繁華街に足を踏み入れる。お持ち帰りの点心の店で、巨大
なゴマ団子を買い(3.5元)、昼食とする。除家匯交差点の角にある電脳城を
チラッと覗いてみる。最近はメーカー製のノートパソコンと、アップルのipod
など出来合いの製品が並べられているだけなので、わざわざ見学するまでも無
い。(以前は、中国にしかないような摩訶不思議なコンピュータの部品や、著
作権無視のCD-ROMなどが売られていたこともあった)


科技京城電子市場前の交差点を電動バイクが行き交う


電脳上を見たついでに、電子部品のほうも久々に見物したくなった。地鉄1号
線に乗り、人民広場駅まで戻る。電子部品城は、南京東路の数百メートル北に
並行して走る北京東路にある。周辺は電気工事のための電気部品や工具類を売
る店が軒を連ねている。こちらは見てもなんのことやら分からないので、パス。
目的の科技京城電子市場へ。こちらは出来合いの製品ではなく、ちゃんとICや
電子部品など、電子制御基盤を作るのに必要なすべてのものが販売されている。
 以前は、こういうのは秋葉原が世界最大級だったが、現在では中国にあるこ
のような電子城が世界最大級じゃないだろうかと個人的には思おう。