2011/09/25

9月25日 キエフ

9月25日(日曜日)

6時過ぎに目が覚める。まだ、体は日本時間を引きずっている。部屋で、昨日スーパーで買ったフランスパンとリンゴで朝食。8時、観光に出かける。近くのコントラクトヴァ広場駅から、独立広場のあるマイダン・ネザーレジュノスチ駅へ。昨日のコンサートのステージはまだ残っていて、毎週ここでイベントか何かをしているのだろうか。広場から坂道を登り、黄金の門へ。門といいながら、公園の木々に隠れるようにして教会のような木造の建物が建っている。11世紀に街を囲む城壁の出入り口の門がここにあったようで、門の上に建っていた教会の尖塔が金色だったからこの名前が付いたそうだ。格子状になった扉から中をチラッと覗くと、レンガか石で出来た遺跡のようなものがあるのが見える。道路沿いに、ウクライナ1000年(1011-2011)という旗がそこらじゅうに翻っているので、1000年前の門がここにあったという記念物なのだろう。



黄金の門跡を囲っている建物


その黄金の門のすぐ近くにある聖ソフィア大聖堂へ。大聖堂前の広場では、仮設ステージの建設中。ここでもコンサートか何かが開かれるのだろう。大聖堂の入場料3フリブナと張り出されているが、本日は無料。何で無料?と思ったら、大聖堂の中には入れないということらしい。敷地の中に入るだけなら無料にしちゃえということなのだろう。1000年前の教会ということだが、殆どがここ数十年間に上塗りされた壁だ。所々に、ぼろぼろになった古い壁が残っているのが、1000年前に出来たという証なのだろう。



聖ソフィア大聖堂


黄金ドーム教会を通り過ぎて、ウラジミールの丘へ。巨大なウラジミール大公の像がドニエプル川を睨んでいる。ドニエプル川の向こう、東側はウクライナ発祥の地で、こちら側の西側は何度もポーランド領になっている土地だ。睨むべきは西側のポーランドに何度も奪われた土地の方がよいのじゃないかと個人的には思う…。昨日と同じくアンドレイ坂を下り、ウクライナ料理のビュッフェへ。ウクライナが発祥の地とされるボルシチは何度飲んでも飽きない味ですね。



ウラジミール大公像


昼からは、ペチェールスカ修道院へ。地下鉄でアルセナーリナ駅まで行き、徒歩。駅から10分くらいで第二次大戦の犠牲者にささげるモニュメント(巨大なオベリスク)がある。その入り口に、ウクライナ国旗と並んでEUの旗が。前大統領が欧州よりだったからなのだろうか。ウクライナは一方的にドイツ軍に攻められて(バルバロッサ作戦?)犠牲が出たのに、そのドイツが中心的存在のEUの旗を立てるとは、ご先祖様がよく許しましたね…。

さらに10分くらい歩くと、ペチェールスカ修道院入り口に到着。入場料は25フリブナ(250円)。結構たくさんの観光客が来ている。殆どはロシア語やロシア語に似た言語を話しているので、旧ソ連圏からの客が多いのだろう。たまに英語、ドイツ語を話す団体が居るが、日本や韓国の団体どころか個人観光客も皆無。たまたま東ヨーロッパを一人で旅行していた仙台に住んでいるという日本人と話したが、それ以外に日本人は見かけなかった。



ペチェールスカ修道院 聖アンナ教会


修道院はやけに広く、入場口付近に固まっている教会群だけでも結構な規模あるのだが、さらに隣接する敷地、ちょっと坂を下っていったところにも教会が固まって建てられている場所があったりする。一番奥の方にあったアンナ教会では結婚式が次々と行われていて、結構人気の結婚式スポットなのだろう。そういえば、第二次大戦の犠牲者を追悼する広場の林の中でも、結婚式の衣装を着たカップルがプロ写真家による写真撮影に臨んでいる光景に何組も出くわした。そのアンナ教会のすぐ横に、地下墓地(カタコンベ)の入り口がある。えらく狭い階段を下りていくと、ガラス張りの棺に納められた聖人の骸骨が並んでいるが、たくさん観光客なのか信者なのかは知らないが、人が多すぎて地下通路で大渋滞している。入り口から出口まで、30分弱もかかった。

修道院の中央にある、ひときわ大きなウスペンスキー大聖堂は中に入ることが出来ず、外からのみ見学。日曜だから閉鎖しているのだろうか…。それぞれの建物の前には、ウクライナ語のみで建物の名前とか見学できるかどうかの立て札があるのだが、さすがに全ては理解できないので、かなりの数の場所を見逃している気がする。

再び地下鉄に乗りチアトラーリナ駅で下車。駅を出てフレシャーチク通りに出ると、歩行者天国になっている。歩道のところでは、政党の演説会をテレビ中継している特設会場が作られていたりするが、何のお祭りで歩行者天国なのかよく分からない。ベッサラブスキー市場まで行き、折り返して独立広場まで戻る。この通り沿いは、建物の外装に趣向を凝らした建物が並んでいるので、街のメイン道路的な意味合いもあるのだろうか。



独立記念広場(独立記念柱)とウクライナ・ホテル


夕方、ライトアップされる教会を撮影に行く。まず最初にきれいにライトアップされたのが黄金ドーム教会。まばらにやってくる観光客は、鐘楼の門(入場口)が閉まっているので、中に入れないと思っているようだ。実は、敷地横に地元の人や修道士が出入りする門があって、そこからなら中に入り放題。気づいている人は今日は居ないようで、中で写真を撮っていたのはどうも私だけのようだ。白地に水色の独特な彩色の教会がライトアップされて、とてもきれいだ。



黄金ドーム教会の夜景


大通りの向こうの方、突き当たりに見えるソフィア大聖堂も少し遅れてライトアップされた。こちらは、残念ながら仮設の小屋を広場に建てているところで、写真撮影には向いていない。大規模工事中のアンドレイ坂にあるアンドレイ教会は、ライトアップも中止されていた。インターネットには、きれいにライトアップされた姿の写真がアップロードされていて、とても残念。

独立広場まで戻ってくる。広場周辺の建物は、予想通りライトアップされている。これは予想通り。フレシャーチク通りをチラッと見ると、クリスマスのような道路に延々と取り付けられた電飾で飾られている。今週末は、国家行事とか国の何らかの記念日なのだろうか。そんな歩行者天国にもかかわらず、それほど多くの人が歩いていない。



フレシャーチク大通りの夜景(歩行者天国になっている)