2011/09/24

9月24日 キエフ

9月24日(土曜日)

9時15分、アムステルダム=スキポール空港発のウクライナ航空に乗り込む、最近では珍しい、かなり古いバージョンのB737を使っている。シートベルトのバックルが、私が始めて飛行機に乗ったときに「すでに旧式だった」タイプのものが使われていた。アムステルダムを出て、ベルリンの上空を通り過ぎる。ベルリンはテンペルホフ空港の半円形のターミナルビルが印象的なので、街の名前が分かった。そしてポーランドを経てウクライナへ。ポーランド辺りまでは快晴だったが、ウクライナに入ってだんだんと雲が出てきている。

13時10分、キエフ ボリスピリ空港着。空港ターミナルビル内に「鉄道切符売り場」があることは、ウクライナ国鉄のホームページで確認済み。空港の案内所や事務所から出てきた清掃業のおばさんに聞いてみる。確かに、あるようだが、誰もどこにあるのかの確かな情報は知らないという雰囲気。Fターミナルのど真ん中の出口のすぐ右側にある旅行代理店Tuiが切符を売ってくれる(実際は、ネット予約の代行)と分かり、キエフからリヴィフへの切符を購入。リヴィフからポーランドのクラクフまでの切符は、ここでは買えないようだ。ネット予約のシステムが国際列車対応していないからなのだろう。

空港での用事も済んだし、空港バスに乗りキエフ市街地へ(25フリブナ=250円)。地下鉄ハルキフスカヤ駅で降りようと思ったが、バスは停留所に止まることも無く、全速力で通過…。仕方なく、終点のキエフ中央駅まで行く。まあ、ちょうど切符の予約票を実際の切符に交換してもらえるので、「インターネット予約切符受け取り窓口(西側のターミナルビルの59番窓口)」へ。次に、明日以降の国際線の切符を売っている8番・9番窓口へ。リヴィフからクラクフへの列車は満員らしいことが分かる。窓口の人の話では、出発駅のリヴィフで「買える可能性もある」ものの、保障できない(多分無理)とのことだ。リヴィフに行っても、またキエフに戻ってくる(ウクライナから出れない)のでは、2週間後にアムステルダムまで戻る旅行の行程が大幅に狂いそうだ。仕方ないので、ここはポーランドに抜けることを最優先ということで、キエフからワルシャワへの寝台列車の切符を買う。この列車も殆ど満員で、2等寝台車の「上段」しか空いていないがよいかとのことだ。何でもいいから席をくれ… ということで、空いている席 730フリブナ(7300円)で購入。国際列車になると、国内の3倍近い金額、ボッタクリ価格とはこのことか…(笑



キエフ中央駅の切符売り場


地下鉄の駅へ。モスクワと同じく、ジェトンを改札機に入れる方式。駅入り口の自販機では10フリブナ紙幣をジェトン5枚と交換する自販機が設置されている。しかし、1乗車が2フリブナ(20円)とは、また格安だ。地下鉄駅はキリル文字だけで駅名や行き先などが表示してあり、キリル文字読めない人は「この街に来るな」的な感じだ。まあ、ロシア圏以外からの自由旅行客なんてめったに来ないので問題ないのだろう。大混雑の地下鉄、放送は聞き取りにくいし、駅の駅名表示は壁に申し訳程度に書いてあるだけ。なんとか途中のフレシャーチク駅で乗り換えて、コントラクトヴァ広場駅にたどり着く。ユースホステルは、駅を降りて歩いて数分のところだ(でも道に迷ったので、その辺に居た警官に場所を聞いた)。



地下鉄 テアトールナ駅


ユースホステルにチェックインして荷物を置き、まだ時刻が16時で太陽が明るく輝いているので、観光に出かける。手っ取り早く、地下鉄を2駅乗って独立広場へ。独立記念柱の像に強烈な西日が当たっている。広場の中心には臨時のステージが設けられて、なにやら学生のダンス大会のようなイベントをやっている。広場から北へ。工事中なのか、単にこういう状態なのかは知らないが、でこぼこで所々舗装がはがれた坂道の歩道を10分ほど歩く。黄金ドーム修道院の前でも仮設ステージが設けられて、こちらは歌手がコンサートを開いている。配られているビラのようなものを見ると、ピンクリボンが書かれているので、乳がん検査か何かの啓発事業の一環だろうか。こちらも大量の人が来ていて、教会の前にもかかわらず大音響でコンサート。さすが、こちらの宗教施設は寛容力ありますね…。



黄金ドーム教会前でのコンサート


修道院の中に入ると案外静かで、分厚い建物の石が外の大音響を遮断しているのだろう。静かに奏でられる讃美歌に内部は支配されていた。黄金ドーム修道院を出て、さらに北に行くとアンドレイ教会のあるアンドレイ坂に出る。ここも坂道の石畳を引き剥がして、大々的に工事中。教会もなにやら大規模に改修工事していて、閉鎖されている。坂道の歩道部分だけ人が通れるようになっていて、そこに観光客向けと思われる物を売る露天が延々と並んでいる。坂を下ると、ユースホステルの最寄り駅のコントラクトヴァ広場駅のすぐ横だ。



アンドレイ教会(修復工事中)


駅の横にやたら人が吸い込まれていくレストラン発見。ビュッフェ形式で、好きな料理を取ってレジで生産するシステムの店。日本でも「まいどおおきに 谷町7丁目食堂」というような和食のビュッフェ形式の食堂があるが、そのウクライナ料理版。値段も、ステーキとボルシチ、パン、ジュースで48フリブナ(480円)と日本の半額くらいの感覚の店だ。

夜、ユースホステルの部屋に居ると、花火が打ちあがる音が聞こえる。今日は何かの祭りなのだろうか…。