2010/10/05

10月5日 リヨン、ディジョン

2010年10月5日(火曜日)
リヨン、ディジョン

■ リヨン

昨日、パン屋で買っておいたフランスパン(1本0.8ユーロ)と、ハンガリーで買った紅茶で朝食。外は曇り。7時30分過ぎにホテルを出て、近くにあるメトロの駅へ。切符は1枚1.6ユーロと、まあ平均的な価格。通勤時間帯のため、電車は混雑している。パール・デュ駅で降りて国鉄の駅へ。


リヨンのメトロ(地下鉄)


駅構内の自販機で、ディジョンまでの往復切符を買う。およそ200kmをTERしか利用しないのに55.2ユーロと結構値段が高い。メトロの駅構内も、国鉄駅も、やたら警察官が目立つ。テロ予告があったため、警戒しているのだろうか。それとも普段からこの街はこんな感じなんだろうか。

8時23分のディジョン行きTERに乗車。そんなに乗客が居ないのに、グルノーブル発の列車は、8両編成くらいでやって来た。ディジョンまで2時間ちょっとの乗車。Kindleでネットに接続して、日本のニュース掲示板などを読む。 多くの人から「怪しい」と思われている闇の支配者が強制起訴されたニュースとか、いまだに日本の沿岸警備隊の船に突撃攻撃してきた中国工作船の事件ビデオが公表されていないとか、円高阻止とか言って全く各国政府との協調行動ができていないとか、まあ、日本も"一度やらせてみよう党"に代わってからますますあれですよね(元から期待してないけど…)。ちなみに、こちらフランスのパリでもデモが起こって、どうも国鉄がストップしているというニュースをやっています。例のロマ強制帰国とか、アラブ系の取り締まり強化とか、人権団体が騒いでるのかな。(フランスの2割くらいがイスラム教になってしまったとか、街を歩く人の何割かが、いわゆる"フランス人"じゃないとか、外国人の私の目から見てもおかしいもんね。結婚式で"祖国"の国旗を振り回して車で街の中を走っている姿とか、外国人は、国籍を与えようとも、その思考回路や所属意識は所詮外国人ですよ。第二次大戦前のドイツのように、血統で国籍を決めるとかが妥当だとつくづく思う。)

ちなみにKindleネット接続機能は、列車の時刻表をリアルタイムで調べられるというのもあって、昨日話した台湾系米国人の女性も帰国したら"必ず買う"と言っていた。どうも、現在はNookのユーザらしい…。

列車はほぼ北向きに走っていくが、だんだんと空模様が怪しくなり、ディジョンに着く手前でとうとう雨が降り出してきた。北へ行くほど雨のようだ。天気予報では、南の地中海沿岸では晴れているということなので、南のオランジュとかに行った方がよかったかな…。

■ ディジョン

10時25分、ディジョン駅に到着。駅にはTGVも停車している。パリからストラスブールへ行く路線の途中駅なのだろうか。

小雨の中、駅を出て、とりあえず正面の道をまっすぐ行くと小ぶりな凱旋門に突き当たる。ギヨーム門というらしい。その凱旋門から少し南へ行くと13世紀に建てられたというディジョン大聖堂がある。しかし、この街は細い道まで車が猛スピードで走ってきて怖いね…。ちょっと道を横断するにも、はねられる可能性がある。

大聖堂は、2ユーロ払うと地下のクリプトに入場できる。二重の円柱で囲まれた円形のクリプトは、聖人の棺や墓がたくさんあるわけでもなく、礼拝堂というところだろうか。国によっては、床一面に墓石が埋め込まれていたりする場合もあり、ちょっと気持ち悪いところではある。

リベルト通りを街の中心方向へ。沿道の建物に、まるでドイツのような木組みの骨格を表面に浮き出している建物がある。19世紀にプロセイン領に一時なっていたことから、こういう建物が造られたのだろうか…。ドイツとの国境線がまだ遠いのに、ちょっと意外だった。


リベルト通り沿いの(ドイツ風)木組みの建物


商店などが密集した街の中心部を過ぎてさらに行くと、宮殿(ブルゴーニュ公爵宮殿:市役所と美術館が半分ずつ入っている)やオペラ座があり、突き当りにはサン・ミッシェル教会がある。
宮殿の北側には、ノートルダム教会もあり、中心部は巨大な教会だらけという感じだ。あまりに教会が多すぎるのか、たまたま通りかかったところだけでも、2箇所の教会が劇場(正面にTEATROと看板が出ていた)に改修されていた。

ノートルダム教会は正面にガーゴイルが無数に出ていて、雨樋というより、表面の装飾としてガーゴイルを貼り付けているとしか見えない。こんなそこらじゅうから水が噴出したら、教会に入ってくる人もどこを通ったら濡れずに済むか考えるだけでも大変そうだ。


ノートルダム教会:正面ファサードに大量に取り付けられているガーゴイル


駅へ戻る途中、中央市場があったので入ってみる。もちろん、野菜屋や肉屋が主体なんだけれども、ディジョン名物といわれるマスタードの専門店もあった。ためしに、オーソドックスなマスタードの小さい瓶を二つほど買ってみた。(1個2.5ユーロ)


さまざまな色のマスタードが売られている


リベルト通りのマクドナルドで昼食を食べ、駅に着くとちょうどリヨン行き(グルノーブル行き)の列車が出る寸前のよいタイミングだった。列車は13時25分出発。2時間ちょっとでリヨン パール・デュ駅に到着。

■ リヨン

ディジョンよりはましな天気だが、それでも曇っている。ほんのわずかに青空の部分も見えてはいるのだが…

市内交通の2時間券を買って、旧市街へ行く。ガリア・ローマ博物館へ。紀元前より、ここにはローマ帝国の都市があって、その発掘品が展示されている。現在も存在しているローマ劇場だけでなく、フルヴィエール大聖堂のある位置には、大規模なローマ神殿があったようだ。東欧などでオスマン・トルコに占領された国では、教会がモスクに改装されたとか結構聞く話しだが、キリスト教も古代ギリシア・ローマ神殿を完璧にぶっ潰して、その上に全く違った形の教会を建ててるんだから、どっちもどっちじゃないかなぁ。

ローマ劇場は、現在でも屋外ステージとして使えるように、客席がコンクリートで完璧に改修されてしまっていて、往時のローマ劇場を偲ばせるようなものはあまり無いと思う。


ローマ劇場