2010/10/04

10月4日 カルカソンヌ ~ リヨン

2010年10月4日(月曜日)
カルカソンヌ ~ リヨン

■ カルカソンヌ

ユースホステルの朝食は7時30分から。(英語を話しているのでおそらく英国からの)女子高校生の団体客用に席があらかじめ割り付けられていて、その他の宿泊者は空いているところでという感じだった。同じテーブルで食べたカナダ人男性は、(熱心なキリスト教信者じゃないけど)コンポステーラを目指して1日に20kmずつ歩いている途中らしい。台湾系米国人の女性は、欧州をぐるっとひと回りする勢いで旅行しているようだ。


城砦の二重の城壁(右側が内側の壁、左側の塔が外側の壁)


朝食後、列車に乗る時間(12時)までの間、城砦の写真を撮りに出かける。ユースの入り口で、ちょうど同室だったスウェーデン人のサイクリストが出発するところだったので、どれくらい走っているのか聞いてみたら、びっくりした。アテネからアテネへのツアー(200日間)の途中らしく、アテネを出てバルカン半島、東欧、スカンジナビアを回って、(なぜか)米国も縦横段して、再び飛行機で欧州に戻ってきてアテネまで戻る途中ということだ。順風ならば1日に150~200kmくらい、逆風なら100km未満走るそうで、途中でアテネマラソン、ロンドンマラソン、ニューヨークマラソンにも出場したとのこと。参加者は数千人レベルらしい。すごいねぇ。

今日の天気予報は、明らかに「雨」なのだが、なぜか晴れ渡っている。低気圧がフランスのど真ん中にあるが、そこから伸びる雲の腕の隙間の快晴の領域に入っているらしい。運がいいというか…。 でも、すごい強風。


フランスのど真ん中に低気圧が…(テレビの天気予報番組)


昨日は夕日での撮影だったので、城砦の外周壁の西側(旧市街側)が照らされていたが、今日は外周壁の東側(郊外側)が照らされている。運良く両方とも撮影できた。

しかし、二重~三重の外周壁は高くがっしりと作られていて、さすがにローマ帝国以来名高い城塞都市だけはあると思う。

入場料8.5ユーロ払って城に入ってみる。欧州によくある、いわゆる宮殿的な城じゃなく、城壁の中にある部屋に入れるという程度だが、城壁の上を歩くことができて、そこが8.5ユーロの価値があるのだろう。とはいっても、旧市街(鉄道駅のある方向)方向の眺めは、城壁の上でも、下でも、(城砦の丘の高度がそれなりにあるので)それほど変わらないと感じるのは私だけじゃないはずだ。


城の入り口の橋。この中に入るのに8.5ユーロ必要


11時少し前、ユースホステルに預けていた荷物を持って、門の外にあるバス停へ。ツアー客の観光バスが止まって、大量の"欧米のジジババ"が吐き出されてくるが、バスを待つ人は皆無。1時間に1本でも、観光客のために温情で走らせているという程度なのだろう。1.2ユーロ運転手に払って、ジャン・ジャレス(旧市街のところ)まで乗る。最後まで乗ると、どうも駅の前まで行くらしい。旧市街を少しだけ歩いてから、駅へ。旧市街は観光客も少なくて、すっきりしている。

駅の手前のミディ運河を渡る辺りで、空を見上げると、巨大な積乱雲が見える。たぶん、列車はあの雲の方向へ行くはずだ。

12時9分、ニーム行きTER(急行列車)に乗る。朝食のとき同じテーブルで食べた台湾系米国人の人と会ったので、列車の中でお互いの写真を見せあいながら、私はモンペリエで下車、彼女は多分ニームまで(ニームでアヴィニヨン行きに乗り換え)乗るはずだ。

列車は晴れの地域と土砂降りの雨の地域を次々と通過していく。今朝、カルカソンヌが晴れていたのも、偶然で、運が悪ければ大雨だった可能性もあったわけだ。

13時45分、モンペリエでジュネーブ行きTGVに乗り換える。切符はTERとあわせて40ユーロ。TGVがピーク時間帯で(ネットで買っても)高かった。アヴィニヨン(には停車しないが)のあたりから、専用軌道に入って、時速300kmで走るようになる。名実ともにTGVの価値があるというものだ。専用軌道に入った辺りからは、まっすぐパリに向かって北上していくので、ちょうど雨雲の南北の列のど真ん中を走る感じになる。つまり、ずっと土砂降りの雨の中を走っている。


モンペリエでTGVに乗り換え


列車内のアナウンスで、"今日は特別に税関の検査がある"と、フランス語があまり分からない私にもそういう風に聞こえた。しばらくして、モンペリエでプラットホームの先頭車両付近に居たラブラドール犬を連れた税関職員が、車両を巡回始めた。犬が、通路を行ったりきたりして、何かを探している。テレビニュースでやっているように、ある会だのテロ予告があったようで、TGVが吹っ飛ばされないかチェック強化しているのだろう。

スペインのAVEのように、乗る前に、駅で荷物検査しろよ…

■ リヨン

15時50分、リヨン・パール・デュ駅に到着。乗客の半分以上がここで降りるようだ。外は大雨。ネットで予約した(イスラム街の)ホテルへは、トラム1系統が行くので、駅前のトラム停留所へ。雨が降っているからか、トラムは大混雑。サン・アンドレ停留所で降りる。目の前には教会(たぶん、サン・アンドレ教会?)がある。土砂降りの雨をやり過ごすため、停留所のすぐ前の野菜屋の軒先で少しだけ雨宿り。

サン・アンドレ教会の裏手にあるホテルは1泊40ユーロ。これだけの大都市で、40ユーロでシャワー、トイレ、衛星テレビ付きの改装されたばかりの部屋に泊まれるのは安いだろうと思う。(ちなみに、ユースホステルは1泊25ユーロほどで、旧市街の丘の上にある。)

トラムの通りは、中近東料理・ケバブ屋、インド料理店、中国料理店などフランス以外系の人たちのための店が密集している雰囲気だ。まず、観光客が来るような場所じゃないのだろう。ホテルから歩いて数分以内に、これだけの飯屋の選択肢と、コインランドリーから各種スーパーまであるとは至れり尽くせりだ (笑


トラム1号線 サン・アンドレ停留所近く (雨がやんだ直後)