2016/06/28

6月28日 苗栗、台北

2016年6月28日(火曜日)

7時少し前、今朝も昨日までと同じく八徳一路の豆漿屋に行き朝食。餃子5個と肉包、豆漿で58台湾元。いったんホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウト。なかなか快適なホテルだった。高速鉄道の始発の左営站は、台鐵でも捷運(地下鉄)のどちらでも行ける。ホテルから近い台鐵で行くことにする。

■ 台鐵 高雄站 8:10 → 新左営站 08:21 (区間車 15台湾元)
高鐵 高雄站 700T形列車
高速鉄道駅 車内



台湾高速鉄道の車両と運営方法は日本のJRの方法を真似ているので、中国大陸と違い当日乗車する切符ならいつでも改札を通り抜けられる。セキュリティ的にはどうなのかなと疑問に思うが、乗らない列車の写真撮影できるのは、個人的にはありがたい。

今日乗る9時発の「各站停車版」の列車は8時41分に高雄站にやってきた。大学生と思われる若者が大量に下車する。やはり、今週から夏休みなのだろう。車内清掃が入るので、すぐには乗車できない。折り返しの時間を利用して、人海戦術で清掃するのも、日本の新幹線と似ている。座席の方向が自動的に方向転換しないのは、この車両がJR東海のものを忠実にコピーしたからなのだろう。

■ 高鐵 左営站 9:00→ 苗栗站 10:26 (1015台湾元)

9時ちょうど、滑らかな加速で出発した列車は、水田や町工場、住宅などが入り乱れる郊外の景色の中を進んでゆく。まるで、日本の新幹線に乗っているのと変わりない感覚だ。車両の貫通ドアの上にある電光掲示板に「中日新聞ニュース」が流れないので、ここが台湾だと改めて気付かされる。途中駅は、どこも市街地から離れた郊外に駅を造ったため、乗客にとってはさぞ不便だろう。しかし、市街地を走らないということは日本のように速度制限が掛かりまくるという事がない利点もある。途中駅で、数度、「直達版」の列車に追い抜かれる。10時26分、ほぼ遅れることなく苗栗站に到着した。

高鐵 苗栗站(左側高架)と、工事中の豊富站
この站は去年の12月に出来たばかりの新駅だ。田園地帯のど真ん中に駅を造るのは、日本なら政治的配慮という悪しき慣習だが、ここではどうなのだろうか。駅を出て、造成されただけで建物が何も建っていない地区を10分ほど歩き、豊富站に向かう。途中に看板くらいたてておけばよいものを、乗客はスマホのGPSナビで歩けというのだろうか。
高鐵 苗栗站からの眺め


豊富站の駅舎はまるで廃墟状態の無人駅で、これが高速鉄道との乗換駅ですか…。高速鉄道站に隣接して新駅の工事をしているので、いずれ廃站になるのは間違いないのだろうが、それまでの1年間程度であっても、この状況は客相手の商売としてはありえないだろうと…。いくら日本の新幹線システムをコピーしたとしても、やはり自ら考えて作り出さなかった技術は進歩できないということなのかもしれない。

切符売り場とか、乗車証明書とかそういうのもないので、やってきた電車に「無賃乗車」。数分で次の苗栗站に到着。

■ 台鐵 豊富站 10:43 → 苗栗站 10:47 (区間車 15台湾元)

苗栗站の改札口で事情を話して運賃精算してもらう。駅員さんは日本語を話せる人で助かった…。站の南に隣接する鉄路管理局の敷地内に、鉄道文物展示館(鉄道博物館)がある。台湾では鉄道博物館はここだけだが、大宮や京都にあるのと比べると、とんでもなく簡易的なものだ。まあ、近所の人や一部マニア向けのものなのだろう。私が行った時には、近所の子供連れの家族1組だけが遊びに来ていただけだ。
CT152形蒸気機関車
DT561形蒸気機関車
阿里山鉄路28號蒸気機関車
R6形ディーゼル機関車

それでも展示車両の説明板には英語・日本語・韓国語が併記されていて、外国人観光客が来ることもあるのだろう。無料の展示館の入り口付近には、CT152形蒸気機関車(日本では8620型と呼ばれた車両)が、その後ろにはDT561形蒸気機関車(日本では9600型と呼ばれた車両)が鎮座している。日本でも台湾でも、同一シリーズの機関車が主力として活躍していたのだろう。

日立製のR6形ディーゼル機関車や、GE製のS405形ディーゼル機関車、製糖工場で使われた機関車なども展示されていて、1970年代までの主な機関車類を見ることができる。

30分ほど見物して、駅前のファミリーマートで高速鉄道の切符を買い、站に戻る。改札口横の売店で台鐵弁当(60元)を買って、再び列車に乗って高速鉄道駅に戻る。 在来線で台北に行くこともできるのだが、高速鉄道の全路線完全乗車するために、値段は高くても高速鉄道を選択。

・在来線 自強號 苗栗站 12:11 → 台北站 13:50 … 255元
・高速鉄道 苗栗站 12:26 → 台北站 13:18 … 410元

■ 台鐵 苗栗站 11:36 → 豊富站 11:39 (区間車 15台湾元)
■ 高鐵 苗栗站 12:26 → 台北站 12:18 (1015台湾元)

高速鉄道駅の待合スペースのベンチで台鐵弁当を食べ、構内のセブンイレブンでお茶を買って飲んだ頃に、列車の出発時間ごろとなる。長~いエスカレーターでプラットホームに上り、列車に乗車する。朝乗ってきた車両は、乗客は窓際の座席のみに埋まる程度だったが、今回乗る列車はほぼ満員。
高鐵 苗栗站


苗栗付近はうす曇りだったが、台北に近づくほど雲が厚くなってくる。板橋站からは地下路線となり、台北駅はホームドア付きの地下駅だ。乗降客が多いのに、駅のホームが狭いので乗客が溢れんばかりになっている。

駅前の地下街を通り、予約したホテルに最も近い出口で地上に出る。空は真黒な雲に覆われていて、どこからともなく雷鳴も聞こえる。足早にホテルに向かい、急いでチェックイン。外を見ると、土砂降りの雨になっている。運よく雨にぬれずに済んだ。

雨が止むまでホテルの部屋で過ごし、15時過ぎに外へ。台北站南側や西門付近の繁華街をぶらっと歩いて、鶏排飯のセット(85元)を夕食として食べ、歩いていたら小腹がすいたので梅子紅茶(25元)と切仔麺、鶏肉飯(各35元)を食べる。
西門付近


総督府を見に行ってみる。蔡英文が新総統になって1か月。中国大陸の政府と半ば敵対関係になったため、総督府の建物の警備体制が上がっている。一般見学は中止になり、前の歩道では立ち止まることも写真を撮ることもできない。民主主義が定着したように見えても、やはり代表者1名を差し替えれば国の方向が劇的に変化する不安定な国なのだろう。
総督府


■ 力欧時尚旅館 105号室 1085台湾元/日