2015/09/23

9月23日 パリ

9月23日(水曜日)

今夜21時すぎ、ドバイ行きの飛行機に乗る予定。パリは朝起きた時点では快晴。天気予報では、昨日のような雨はもうなさそうだ。ついでに、ドバイの天気も確認すると、予想通り快晴続き。砂漠だから当たり前か…


ヨーロッパの気象衛星写真


パリの天気予報(最低気温が7℃くらい、最高気温が18℃くらいだ)


北アフリカと中近東の気象衛星写真


ドバイの天気予報(最高気温が35℃以上)

9時、ホテルをチェックアウト。かさばる荷物はホテルに預かってもらい、今日も貸自転車Velibで観光。昨日、雨で撮影できなかったモンマルトル付近をもう一度見に行ってみる。コースを少し変えて、まずサン・マルタン運河を地下鉄スタリングラード駅まで直進する。


あまりパリの雰囲気ではない、さわやかなサンマルタン運河

この運河は5年位前の真冬に、歩いてみて回ったところだ。ずっと昔の映画の舞台で有名な「北ホテル」というのがあるのだが、私はその映画も小説も読んでいないので、特に思い入れはない。スタリングラードのロトンダまで到達し、そこから先の広くなった運河をチラッと見て、こんどは地下鉄2号線の線路に沿ってモンマルトル方向を目指す。

この道(地下鉄)は環状にパリ中心街の外周をまわっているので、おそらくかつての城壁の跡(フェルミエー・ジェネローの城壁)を利用したものだろう。(最外周の高速道路が、もっとも近代に近い時代に造られた城壁の跡で、いまは新しくできたトラムが走っている)

東駅から出た鉄道の線路をオーバーパスする橋の手前で自転車をいったん返却し、再度借りる。30分を越さないためのテクニックだ。ここから、北駅の鉄道の線路のオーバーパス付近まで、黒人が路上販売をしていて大量の人が地下鉄の高架下に群がっている。どうみても、新品とは思えないような服や雑貨を地面に並べて売っているが、買う人もそれを気にしている雰囲気はない。

大阪でいえば、新今宮(西成区)の露天商みたいなものか。新今宮では生活保護で無料でもらった精神安定剤や睡眠薬などを大量に横流しして売っていたり、期限が切れたコンビニ弁当などの中食を売っていたりと、これも買う人が気にしなければ商売が成り立つ。

モンマルトルに近づくと、謎の黒人フリーマーケットの景色から、観光客向けのセックス・ショップに沿道の景色が変わる。モンマルトルのふもとで自転車を返し、坂を登る。

サクレ・クール寺院の下まで来ると、写真撮影スポットの延々と続く階段がある。昨日、警官が窃盗犯の黒人を取り締まっていたところだ。今日は警官がいないので、黒人が一列に並び、観光客を狙う阻止線を張っている。どう見ても、これは脅迫だろう。ものを売りつける態度ではなく、確実に観光客を圧迫し、脅迫している。

移民政策や人道主義に賛成する人は、こういう光景を見てどう考えるのだろう。あきらかに、「フランス人種」(古代ローマ的に言えば、ガリア人)ではない、アフリカ人がたむろして犯罪寸前の行為を公然と行っているのは。

かつて、古代ローマ時代には、ローマ市民になったアフリカ人(マグレブ地方のマウレタニア人も含む)や中東の人、あるいはガリア人などは、ローマのしきたりに習いその文明を尊重したそうだ。もちろん、それを受け入れる寛容な(クレメンティア)ローマ市民の立場もあったから、最大の文明圏を作れたのだろう。

今のヨーロッパやアメリカを見ていると、外国から受け入れた移民はそれぞれが自己の文化や風習を主張しすぎて、その国の一員になるという義務を果たしていないように思う。単に、経済的恩恵を受けたいがためと主張する反対派の論者の意見は、かなり説得性があると思う。


ムーラン・ルージュ


天気が良い日のサクレ・クール寺院

サクレ・クール寺院の前を通り、給水塔、ムーラン・ド・ラ・ギャレットなどの横を通り過ぎて、再び坂を下る。途中、中華料理店があったので昼食。メニューが7.8ユーロ。ヴォルテールで昨日食べた中華料理店はメニューが6ユーロだが、こちらはサイドメニューが1皿ついて1.8ユーロ高い。

■ ブランシェ → シャルル・ド・ゴール・エトワール → パレ・ロイヤル (メトロ M2,M1,乗車券 1.8ユーロ)

地下鉄で、ルーヴル美術館へ向かう。最後の時間調整で美術館。駅を降りて、まず入場口のあるガラスのピラミッドのところへ。猛烈に長い行列ができている。1時間くらい… 並ぶのだろうか。そんなアホらしいことはしていられないので、ガラスのピラミッドの下の地下街に別の場所から入れる場所であるカルーセル・ド・ルーヴルの入り口から入る。切符は、ここの隅にあるタバコ屋に売っているのは、地元の人は知っている公然の事実だ。(看板には、ミュージアムパス販売中と書かれているだけ)

タバコ屋なのでクレジットカードは使えず、現金で入場券を購入。1枚15ユーロ。

美術館に入場し、やたら混雑しているイタリア絵画をパスし、古代ギリシャと古代ローマ美術を見る。皇帝ティベリウス、カラカラ、マルクス・アウレリウス、セプティミウス・セヴェルス、トラヤヌスなど、歴史をかじったことのある人ならだれでも知っている偉大な皇帝(カラカラ除く 笑)の像が「様々な像に交じって」展示してある。たいていの人は、はでなアフロディテ像とか、対象不明の像などの写真を撮っていたりする…。


皇帝ティトゥス像

そのなかでも、最も地味に展示されていたのが、元老院議員ホルテンシウスの頭部像。平民と貴族が同等の権利を持つとされるホルテンシウス法を作ったディクタトールだ。

ナポレオンの部屋とか、ルイ15世の部屋とか、いままで4~5回ルーヴルに来たことがあるが、初めて見る部屋があった。広すぎて、自分が今どこにいるのかすらわからない美術館はここだけだ。

16時過ぎ、美術館を後にし、地下鉄でバスティーユ広場に戻る。

■ パレ・ロイヤル → バスティーユ (地下鉄 M1,乗車券 1.8ユーロ)

バスティーユ広場の近くで自転車を借り、ヴォルテール広場へ。歩いても10分も掛からないが、自転車のほうが楽だ。昨日食べた中華料理屋で夕食。6ユーロのメニューに1.5ユーロの水。その後、近くにイタリア風の切り売りのピザ屋があったので、1つ食べてみる。重さをはかって売る形式で、1枚5.2ユーロと結構高い。イタリアとフランスの物価の差だろうか…

17時30分、ホテルで荷物をピックアップして、地下鉄とRERを乗り継いで空港へ。

■ ヴォルテール → オーヴェルカンプ → 北駅 → CDG2 (M9,M5,RER-B,運賃10ユーロ)

空港に着き、昨日ネットでちえっくインした情報通り、第二ターミナルへ。エミレーツのチェックインカウンターは、18:50から開くとされているが既に長い行列が出来ている。行列の末端にいるエミレーツの職員に、スマホの画面に表示される搭乗券を見せると、念のためにパスポートの登録を確認するから、「向こうにある」カウンターに行けという。そちらには誰も並んでいない。ドバイ空港のミールバウチャーを発行してくれた上、紙の搭乗券も念のために印刷してくれる。

なぜか、私の後ろに大量の中国人が行列している。が、私が去った後を見てみると、ちゃんと長い行列に並べと追い払われていた。爆買の荷物を預けるなら、長い行列に並びなさいということだ。

この書き込みは空港から

■ パリ シャルル・ド・ゴール空港 21:50(予定)→ ドバイ空港 翌06:30(予定)