2014/11/01

11月1日 ローマ

例年にない温かさのオランダ。最低気温は11℃と、まるで9月ごろの気温だ。ちなみに、11月1日の「これまでの」最高気温の記録は15℃だったが、今日の気温が18℃ということで新記録更新のようだ。


寒冷前線が欧州を横断中(フラマン地方のTV天気予報)

天気も快晴で、空港に行くまでの間、つかの間の写真撮影…


快晴の朝

10時半、300系統バスに乗り空港へ向かう。平日と土曜は最低でも10分毎に走っているので、時刻表を気にすることは無い。空港の国内(シェンゲン加盟国)便のセキュリティチェックは改装されていて、「和風」の木目調になっていた。例年ならここで長い行列ができているのだが、今回はものの数分で通過。これなら、搭乗開始時刻(11時50分)の寸前に空港についても大丈夫だったようだ。


スキポール空港のバス停に到着した300系統急行バス

■ スキポール空港 14時35分 → ローマ フィウミチーノ空港 16時35分(アリタリア航空 AZ107便)

イタリアの航空会社だから、ローマからやって来る飛行機は遅れるのかなと思っていたら、ほぼ時間通りに到着したようだ。ローマに折り返す便にすべての乗客が乗り込み、いざ12時20分の出発を待つ。

が、いつまでだっても出発する気配がない。20分くらい経過した頃、機長が「貨物室のドアに問題があり、数分 (couple of minutes)遅れる」とのこと。

機体後部から「ウィ~~~ン」という貨物室ドアを開け閉めする音が何度も聞こえ、そのうち、木槌か何かで「ドン・ドン・ドン」とぶっ叩く音がする。

素人の私の考えることと同じく、故障は叩けば治ると思ってるのか!?

叩いては、貨物室ドアを開け閉め、の音が何度も続き、出発予定時刻から1時間過ぎたころ、再び機長が「あと30分で修理できる」とアナウンス。数分 → 30分 の変更だが、いい加減な交通機関として有名なイタリアなので、どこまで信用してよいものか…

で、結局、14時少し前に修理をあきらめたのか、「全員飛行機を降りて、搭乗口前で待て」とのこと。

運休なのか、どうなのか…

搭乗口の係員に「乗り継ぎの飛行機に間に合わん…」と苦情を言う客も何人かいるが、「振替便はローマで聞いてほしい」としか係員もいうべき言葉が見つからないようだ。このまま機体が故障したままなら、運休だろう。乗客は、少しずつほかの便に振り替えられ、200人近くの乗客すべてを振り替えるには明日以降までかかるかもしれない。それこそ、乗り継ぎどころではないね

で、14時10分ごろ、空港内で放送「AZ107便は出発しますので、C11搭乗口に来てください」。結局、故障は直ったのか、それともイチかバチかの賭けに出るのか!? 貨物室ドアは与圧部なので、そこが吹き飛ぶと機内が減圧し、パイロットが失神して、例のマレーシア航空行方不明事件のようになる。軍の輸送機のように、与圧しない前提で高度3000m位のところを飛ぶのかもしれない。 まあ、そんなことになれば、いい体験といえるかもしれない。

気概に乗客を放り出してから、20分で再び乗客を乗せる時間の無駄をするくらいなら、もとから機内で待たせておけばよいのだ。その計画性のなさも、さすがイタリア人。

機長の放送によれば「後部の貨物室ドアはちゃんと閉まった」そうだ。ハンマーで叩いていた担当者が素人で、メーカーの人に来てもらって、ものの10秒で直したとかいうオチなのだろう。それなら、もとから素人の点検作業員に、機体を壊すかもしれないようなハンマーでぶっ叩くパフォーマンスをさせなくてもいいのに…。何かのアトラクションじゃあるまいし。


ボーディングブリッジの窓から撮影した貨物室ドア故障中のA320

結局、2時間15分遅れてスキポールを出発。快晴のヨーロッパ中部を縦断、レマン湖上空からアルプスを越えてローマまでの2時間の快適な旅 (笑
出てきた軽食は、クッキーの小さい袋1個のみ。運行時間に信頼性ないのなら、せめて食事だけでも頑張れよ… アリタリア航空。

飛行機から降りて、フィウミチーノ空港の第2ターミナルを歩く。バゲージクレームより手前のところに、携帯電話会社TIM(テレコム・イタリア・モバイル? の略)の店が、通路の両側に鎮座している。データ通信用のSIMカードを買う。アクティベーションに10分かかったが、2ギガバイトがチャージされたカードを29.01ユーロ(4,060円)で入手。バゲージクレームを出たところに、タバッキ(売店のこと)があったので、ローマ市内7日券(CIS = カルタ・インテグレータ・セッティマナレ)を購入。24ユーロ(3,360円)。ターミナルビルを出て、長い通路を歩かされ、国鉄(旧国鉄で、いまはTrenitalia トレニタリアという民営化企業)の駅へ。ローマ市内のオスティエンセ駅までの切符を買う。空港線は特別料金なのか、8ユーロ(1,120円)というぼったくり料金だ。ちなみに、今日泊まるホテルのあるテルミニ駅まで直通で行く列車は、なんと14ユーロという更にぼったくり炸裂料金だ。オスティエンセから、市内の駅をあと3駅行くだけで、なにゆえ6ユーロも高くするのか…

■ フィウミチーノ 17時27分 → ローマ・オスティエンセ 18時1分 (22091列車 サビナ行き各駅停車)

空港を出ると、真っ暗なローマ郊外の平地を走ってゆく。時折停車する駅から大量の客が乗って来る。30分ほどでオスティエンセ駅に到着。地下鉄との乗換駅なので、ここで大量の客が乗り降りする。プラットホームの出発案内板には、5分遅れと出ている。こんな近距離で、すでに遅延が発生している。さすが、イタリア クオリティ (笑


ローマ・オスティエンセ駅に到着

トレニタリア駅から、メトロ駅に続く長い地下通路を歩く。平面エスカレーターがあるのだが、動いていないのは節電してるからなのか、故障して放置しているのか…。 地下鉄駅手前にもタバッキがあるので、ここで切符を買うこともできたようだ。

■ ピラミデ 18時9分 → テルミニ 18時19分 (地下鉄B線)

チルコ・マッシモ(古代ローマ時代の呼び方はキルクス・マクシムス)、コロッセオ(フラウィウス競技場) と2000年近く前の施設名の駅に停まりつつ、テルミニ駅というような現代名の駅で下車。ま、ここも「ディオクレティアヌス浴場駅」とでも改名してほしいところだが、それは無理な話だろう


地下鉄 B線 @ ピラミデ駅

トレニタリアのターミナル駅に合体した巨大な駅のコンコースを歩いて、適当な出口から出る。夜なので、周囲の景色から、ここがどのあたりなのかさっぱりわからない。GPSナビの地図を見て、完璧に反対側に出てきたのに気付く。まさしく、ディオクレティアヌス公衆浴場のあった場所まで歩いてきてしまっていた…。無意識とは恐ろしいものだ。

コンコースの商店街を再び横断し、反対側のホテルや外人街のある地区へ。今日泊まるホテルのある場所にたどり着くが、入り口がわかりにくい。安ホテルなので、入り口が地上階にないのだ。

無事チェックインを済ませ、部屋に荷物を置き外へ。まず、スーパーマーケットに向かう。事前にGoogleMapで検索した最も近いスーパーが、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂を横にある。ローマ三大聖堂と名高い中世の大聖堂だ。


サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂

Simply Marketという、おそらくチェーン店のスーパーは19時過ぎでもまだ開いていた。水、リンゴ、パン、ハムなど適当に買い込んで6.03ユーロ。帰りがけに、ホテルの並びにあった中国料理屋へ。豚肉のカレーソース炒めとご飯で9ユーロ(1,260円)。日銀の無理やりの円安誘導で貧しくなった日本人価格で考えると高いが、こちらの国ではこんなものだろう。ただ、去年の冬にポルトガルで入った中国料理屋で同じようなメニューが6ユーロほどだったので、観光地価格で少し高めの料金設定なのかもしれない。


ホテルの部屋

■ Hotel Aqualium 521号室(ダブルルーム 朝食付き 48ユーロ/1泊)