2009/12/21

12月21日 杭州

12月21日(月曜日)

■ 上海

今日は杭州に日帰りで行く予定。列車が8時に上海駅を出るため、昨日より30
分ほど早く行動開始。7時少し前に東亜飯店の北側の筋にある麺類屋で「辣肉
面(ラーローメン:7元)を食べてから、地下鉄の人民広場駅へ。 上海火車
站(上海駅)には十分余裕を持った8時30分ごろに到着。 D5653次の乗客に指
定されている第三候車室(待合室)で待っていると、入場が締め切られる発車
5分前になっても検票(改札)が始まらない。 大量の乗客が入場口を見つめ
る中、電光掲示板に「約晩至8:20開」が表示される… 上海始発なのに、遅れ
るわけ?

今日もやって来たのはボンバルディア製をコピーしたCRH1型の高速列車。上海
を出て、市街地の外を大きく迂回して南に向かう。高速列車なのに、時速
180km/hくらいしか出さない。線路の状態が悪いか、新空調車などの普通の列
車が前に居てスピードが出せないのだろうか…。 すぐ東側に平行して高速鉄
道の高架橋の建設現場が、杭州までずっと平行して続いている。 高架橋のコ
ンクリート橋脚を造っているのが手に取るように見えるが、その鉄筋が明らか
に「まばら」というか、細い鉄筋で楕円形をした橋脚の表面の形がかろうじて
保てる程度の骨組みを造っているだけというか。 地震に耐えなくて良いので、
日本とは違う強度基準なんだろうか。 (それとも、単に日本がオーバースペッ
クのものを作っているだけという可能性もある)

嘉興、南寧に停車して、出発から1時間45分後の10時05分に杭州駅に到着。


■ 杭州(ハンジョウ)

駅を出ると、普通の中国の大きな駅前広場等感じではない。何かのビルの前で、
高速道路か何かの高架橋が架かった下に出てきてしまったという雰囲気だ。は
て、どちらが観光地(西湖)の方向なのか…  そのあたりの様子を伺ってい
ると、通りがかりのおばさんが、ちょうど目の前に停まっているK7系統のバス
に乗って4つ目の「湖畔」というバス停で降りたらよいと教えてくれる。

運賃2元払って、K7系統のバスに乗る。バスは10分おきくらいに走っているよ
うで、湖畔までは約15分ほど。途中、中層ビルの建ち並ぶ市街地中心部らしき
ところを走る。何のモニュメントかは分からないが、記念写真を写す集団のよ
うな「銅像群」が展示されている場所があった。

湖畔バス停で降りて、中国工商銀行があったのでATMで400元ほどクレジットカード
でキャッシングしておく。(昨日のように、入場料が意外に高い可能性がある
ため)

西湖の遊覧船
西湖の遊覧船


湖の周囲は遊歩道になっていて、中国っぽくないような雰囲気になっている。
遊覧船らしき中国風の屋根を乗せた派手な船が停泊している。切符売り場で聞
いてみると、湖の中央にある三潭印月の島まで行く船らしい。周囲十数キロメー
トルの湖畔に分散して観光地があるようなので、とてもじゃないけど歩いては
回れない。渡りに船とはこのことで、遊覧船に乗れば名所の1箇所目にたどり
着けそうだ。 運賃と三潭印月の入場料込みの券を45元(610円)を買う。25
分おきくらいに出発するようで、次は11時10分とのこと。しばらく湖畔の遊歩
道を散策してみる。 中国楽器の生演奏でカラオケをしている人がいたり、手
漕ぎのゴンドラの客引きが居たりする。 手漕ぎの船で数キロメートル向こう
の島まで行くのだろうか…

11時10分に遊覧船が出発する。 今日は最高気温が9℃まで上がるらしく、屋
外のデッキに立って景色を眺めていてもそれほど寒くは感じない。西湖の東側
には延々と杭州市のビル群が連なっている。遊覧船が手漕ぎのゴンドラを追い
越す。何分ぐらいかかるんだろうねぇ…。20分ほどで島に到着。

三潭印月
三潭印月


17世紀、明の時代に埋め立てられた人工島らしい。当時から埋め立てなんてやっ
ていたのか…。 人工島だけあって、中国人の考える「中国庭園の美」を追求
したものなのだろう。確かに、小さな島の間を結ぶ桟橋の上を歩いていると、
楽しいような何というか…。

湖の南側に大きな寺院の塔が見える。その塔も名所のようなので行ってみるこ
とにする。きたときとは違う船着場に、今度はまったく普通のデザインの渡し
舟が待っている。中国人団体客が来て満員となり、12時10分に出航。10分ほど
で湖の南にある船着場に到着。 入り江には遊覧船の親玉のような、金ピカの
巨大な龍の頭が付いた遊覧船が停まっている。小さな渡し舟に囲まれた親玉の
遊覧船は、シューティングゲームの難攻不落のボスキャラのようにも見える。
 中国人の感性は分からんわ…

雷峰塔
雷峰塔


巨大なお寺の塔(雷峰塔)入り口に到着。入場料40元。やっぱり値段高いなぁ。
 入り口から中に入ると、塔のある陸の上まで一直線にエスカレーターが付い
ている。 さすが、中国の観光地はお客様を疲れさせたりしない、この過保護
さが巣晴らしい。 10世紀に建てられた塔は、20世紀前半に崩壊して基礎の部
分のレンガがわずかに残っているだけ。今見えてるのは、鉄骨造で、内部には
2基のシースルーエレベーターがある近代的な建造物。  寺の塔に見せかけ
て展望台を造って、40元ってのはないんじゃないというのが率直な感想。 中
国人の美学では、オリジナルより近代化した塔の方が価値があるのだろうか。
その感性、分からんわ…。

帰りの列車の時刻が迫ってきた。塔の前の幹線道路にバス停がある。ちょうど
循環バスY2系統が来た。3元払って乗る。バスは駅と反対方向に走り出し、湖
を挟んで街とは反対側の軍人病院(終点)で運転を打ち切ってしまう。循環し
ないの? と思っていると、車掌の女性が残りの客を引き連れてK7系統の市バ
スに案内してくれる。 西湖湖畔に来るときに乗ったバスの終点でもあるよう
だ。 結果としてバスで湖を1周したことになる。

大渋滞の杭州市街地を抜けて、約30分掛かって杭州駅に到着。14時55分発の列
車の改札はすでに始まっている。今回も、CRH1型ということで、今回の旅行で
乗った動車組の車両はすべてCRH1ばかりだった。 この地域ではCRH1が一番多
く走っているのだろうか。車窓を見てると、たまに日本の新幹線のパクリの
CRH2型も稀にではあるが見かける。

朝からのまず食わずだったので、車内販売の「キリン 午後の紅茶」のペット
ボトルを買う。値段6元は良心的価格なのかどうかは分からないが、長距離列
車のような「弁当」を売りに来てくれないのは少々さびしい。

■ 上海

16時20分、上海南站に到着。地下鉄1号線で人民広場まで戻り(運賃4元)、ウ
イグル料理屋で牛肉チャーハンとラーメンを注文。店員が、「2人前も食うの
か」と聞いてくるが、昼飯兼夜飯なので、2人前要るのだと強調しておいた。2
人前食っても、17元と日本人の感覚では全然高くはない。その後、串焼き屋で
シシカバブ1本(2元)を食ってるので、食べすぎではあるかもしれない。

外灘(ワイタン)を念のために見に行く。上海万博のためという工事が延々と
続いているが、今日も工事中。建物のライトアップも行われておらず、「観光
客お断り」状態は相変わらずだ。 対岸の東方明珠塔のライトアップも消され
ており、「エコ」が徹底されているともいえる。