2009/12/20

12月20日 蘇州

12月20日(日曜日)

■ 上海

今日は蘇州へ日帰りで行く予定。7時、ホテルのあるビルの北側の广西路にあ
る麺類屋で肉絲菜炒面(ロースーツァイチャオメン。分かりやすく言えば焼き
うどん)を食べる。8元(110円)。8時過ぎに人民広場から地鉄1号線に乗り、
上海火車站(上海駅)へ。

上海火車站に停車している動車組 CRH1
上海火車站に停車している動車組 CRH1


今日乗る動車組 D5410次 南京行きは、カナダのボンバルディア社製の高速列
車をコピーしたCRH1型車両。座席指定の7号車へ。車内は満員。自動券売機で
ほとんどの列車が売り切ればかりという状況が良く分かる。列車は定刻の8時
52分に出発し、上海万博関連かどうかは知らないが、工事中だらけの路線をの
ろのろと走っていく。市街地を出たあたりからスピードを上げて、時速230km/
hほどで走り出す。日本や欧州のように専用軌道を走っているわけではなく、
今までの長距離路線の線路をそのまま使っているので、切符をこれだけ安く売
ることができるのだろう。途中ですれ違う列車も、日本の新幹線の劣化コピー
版のCRH2型や、旧来から走っている長距離用の新空調車など様々。

途中、昆山駅に停車して、蘇州には9時35分に到着。15両編成の列車に乗って
いた半分くらいの乗客が降りている模様。


蘇州駅に停車する動車組 CRH1



■ 蘇州(スージョウ)

駅を出ると、駅前広場というか、建物が何もない。市街地から離れたところに
駅があるようだ。旅遊会社の客引きやら、タクシー、三輪バイクなど様々な客
引きが現れる。今日は時間もあることだし、徒歩で行くと決めていたので客引
きはすべてお引取り願って、歩いて市街地の方向を目指す。 地図がないと困
るので、駅の前にたむろしている地図売りから、交通地図(5元)を買い、歩
き出す。

報恩寺
報恩寺の門と北塔


市街地を囲む堀なのか、川なのかは知らないが、外城河を渡る橋(平門橋)を
渡って市街地に入る。駅から一番近い場所にあるはずだが、遥か向こうに見え
る塔(報恩寺 北塔)を目指す。地図上では近そうだが、歩いて20分ほど掛かっ
て報恩寺に到着。入場料25元(340円)。案外入場料高いぞ…。今から1800年
ほど前の呉の時代に建てられた寺ということで、9重の塔は900年前の南宋の時
代のものらしい。まあ、どっちにしてもかなり昔だということくらいしか私に
は分からないわけだが…

塔に登ってみると、木造と思っていたが、3階くらいからレンガ造りのレンガ
がむき出しになっている。塔の上から見下ろすと、近隣は3階建てくらいの住
宅が碁盤の目に建ち並んでいる。家々はどれも白い漆喰が施されていて新しそ
うに見えるが、実は古いのだろうか…。


次に、蘇州では有名らしい拙政園へ。地図では2ブロック西ということだが、
これまた遠い。15分ほど歩いて、観光客用土産物屋に囲まれた拙政園の入り口
に到着。こちらは入場料50元(670円)。中国の物価価値からすると、べらぼ
うに高い金額ではないだろうか。ベルサイユ宮殿並みの見所の数々を期待して
はいると、単なる中国式庭園だけなので、50元の価値が… と思ってしまう。
この庭園が蘇州にある数多くの庭園の中で最大のもので、明の時代に作られた
ものといわれても、東京の皇居東御苑が無料なのとつい比べてしまう。

ガイドブックの写真ではハスの葉に覆われた池と、その池に浮かぶ島に建てら
れている中国式東屋という景色が印象的だが、なにぶん真冬なので、ハスはす
べて枯れて池には何も入っていない。

それでも迷路のように配置された東屋を結ぶ回廊をめぐりつつ、変な形をした
岩の置物などを眺めながら庭園をぶらぶら歩くと、案外時間が掛かったりする。

迷路の庭園を巡って、思想を巡らせてくださいという深い意味なのだろうか。
氷点下かどうかというくらいの寒さの真冬では、思想よりも鼻水の方が先に出
てきてしまう。それにしても、たくさんの中国人が入場しているが、これがベ
ストシーズンの春や秋だとどれくらい混雑しているのだろうかと思う。


獅子林
獅子林の庭園


その後、庭園をさらに獅子林、怡園と2箇所めぐる。それぞれ微妙に風情が違
うが、どれも池と中国式東屋、奇岩の置物という組み合わせは同じだ。(それ
が中国式庭園というものなのだろうか…)

蘇州の繁華街である観前街へ。観光客用の地区はあるが、家電品などの巨大デ
パートが建ち並んでいる。日曜だからか、ものすごい数の人が歩いている。昼
食は、観前街から少し西へ行ったところにあるウイグル人のレストランへ。店
の看板にはイスラムでは必須の「清新(ハラール食品を使っている意味)」の
文字も入っている。紅焼牛肉面(8元)を食べる。包丁で切ったのではない、
手で伸ばして作った本物のラーメン。

双塔を見に行ってから、16時過ぎにバスに乗って蘇州駅に戻る。

17時19分発の列車は遅れているようで、待合室に入ってから15分遅れと電光掲
示板に表示されている。高速列車でも、遅れが出るのか…。時速200km/h以上
で走る列車が、ばらばらの遅れでやってきて同じ線路を走っているのだから、
ダイヤの調整も大変なのだろうか。(それとも、適当に間隔をあけて走らせて
いるだけとか…) 上海には18時25分到着。