2012/10/02

10月2日 エディルネ

2012年10月2日(火曜日)

昨晩21時にイズミールから乗ったバスは、数時間大雨の領域を通った後は、再びうす曇りの朧月夜の中を走っていた。1時、パルケシル近郊のバス会社が独自に作ったサービスエリアに30分ほど停車。4時、ヤロヴァの東でマルマラ海を渡るフェリーにバスごと乗り込む。


マルマラ海を渡るフェリーにバスごと乗船



10年ほど前に乗ったときには、街の中にある”普通の”カフェが船内にあったのだが、いまは、コンビニのような店に入れ替わっていた。時代の流れというものなのだろう。

イスタンブール近郊の小さなバスターミナルに3箇所程度停車した後、6時20分に終点のエセンレル・バスターミナルに到着。エディルネ行きの切符売り場を探し出して、切符(27リラ,1215円)を買い、7時発のエディルネ行きバスに乗る。

だんだん夜が明けてきた。イスタンブール近郊は曇り。エディルネまでの途中の天気は、朝霧で反対側車線も見えないくらいだ。昨日と同じく、目的地に着くころには霧は跡形も無く消えていた。イスタンブールまでのバスは満員だったが、エデイルネ行きは半分くらいの乗車率だろうか。1時間40分ほどで、エディルネから相当遠く離れた辺鄙な場所にあるバスターミナルに到着。市内中心部のセミリエ・モスク前まで無料の市バスが、約10分で結んでいる。

さて、昨日booking.comで予約したホテルを探す。ホテルは街の中心部のスークのように複雑な道路になっているところにある。GoogleMapで現在位置表示しながら、慎重に道を選んで進んでゆくと、案外簡単に見つかった。通りの名前だけで探すと、街路表示がほとんど無いので、多分探すのに苦労するだろう。


エディルネ旧市街(スーク)の様子


チェックインし、部屋に荷物を置いて観光に出かける。ホテルのあるスークから、市街地中心にひときわ目立って建っているセミリエ・モスクに向かう途中にある、エスキ・モスクを見学する。この街のモスクは実際の宗教施設として機能しているが、非ムスリムの観光客の見学も許すという、珍しい場所だ。モスクを公開することで増える観光客の数が、この街の経済にかなり影響しているのだろう。


エスキ モスク


15世紀に出来たモスク内部には、巨大な聖なる言葉が壁一面に大きく描かれている。日本語に直訳するとエスキは「古い」に言い換えられるが、他のモスクも15世紀から16世紀ごろに建てられているので、飛びぬけて古いというわけでもないと思う。


ユチュ・セレフェリ モスク


セミリエ・モスクへ。イスタンブールのソフィア大聖堂を越える大きさだそうだ。それでいて、入場者の数もずっと少なく、外国人観光客はほぼ皆無だ。アラビア語がもう少し習得できれば、壁一面に書かれているカリグラフィーの意味が分かるのだが…。


セリミエ モスク



セミリエ モスク内部

この街の見所は、古いモスクと、旧市街中心部のスークだろうから、大体半日で見て回れるくらいのレベルだ。そういえば、この街はブルガリアとギリシアの国境が近い位置にあって、GoogleMapを見るとギリシャ国境が数キロメートルさきにある。ホテルのフロントに居たおじさんに、どうやったら国境を越えてギリシアまで行けますかねよ聞いてみると、片道25リラのタクシーしか交通機関が無いそうだ。

街の中心部でタクシーに乗り、上流では国境線となっている川を渡り、住宅がまばらに建っているカラガッチ集落を全速力で通り抜けて、約5分で国境検査諸前に到着。トルコ側はごく簡単にパスポートをチェックするのに、ギリシャ側は念入りにパスポートを確認している。車で国境越えをしないのであれば、税関検査は免除のようなので、ありがたい。

どちらの国家権力にも属さない非武装地帯は、トルコ側は数十メートル、ギリシア側には数百メートルあるが、いまでも対人地雷や対戦車地雷が埋まっているのだろうか。ギリシャ側の国境検査所ではパスポートを念入りに検査した後、ギリシャの訪問理由を聞かれた。「国境が珍しいので、向こうで喫茶店かなにかに入ってくる」という謎の理由を答えたから、怪しまれたのだろうか。

ギリシア側のカスタニス村は、Wikipediaによれば1200人しか住人がいないそうだ。住宅が並んでいるだけで、所々にあるカフェニオンは閉店のお知らせの紙が張ってあったりする。村の中心部、小さな公共図書館のある三叉路に面して数軒のカフェが並んでいる。そのうちの1軒に入り、あまりに暑いのでオレンジジュースを注文(1.5ユーロ)。


ギリシャ カスタネ村のニコライ聖堂 (国境を越えたら、キリスト教圏)


ギリシャ側から見た国境地帯 (奥がトルコ)



1時間ほど滞在して、再び来た道を戻り国境検査を受けて、トルコ側へ。国境を越えたところに1台タクシーが客街をしている。帰りの運賃は20.50リラ(920円)。

夕刻、夜景撮影へ。モスクは尖塔だけがライトアップされていて、本体がかなり真っ暗な状態だ。もう少し全体に照明を当てた方がいいのではないだろうか。


ミナレットのみに照明を当てたセミリエ モスク




===== Suray Hotel, room 202 =====

最低気温 14℃, 最高気温 30℃